無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
Posted by ブクログ
この本をはじめて読んだのは2年以上前。必死で抗いながらも容赦なく死へと押し流されていく主人公の姿はあまりにも辛く衝撃的なのだが、にもかかわらず何度も何度もくりかえし引き戻されるような力をはらむ小説だ。
舞台である近未来では、革新的技術によって、失われた脳神経が復元可能になっているだけでなく、同じ技術を使って社会に蓄積されたデータベースを利用することが可能になり、人の能力の飛躍的な拡大が可能になろうとしている。だがそれは、個々の人間の神聖さがはぎとられて、他と置き換え可能な・また編集可能なひとつのテキスト、データベースの一部になるということをも示唆している。その可能性をすでにはっきりと見てとっている存在にとって、ひとつのテキストにすぎない己の死をどう受け止めうるのか、ままならぬ肉体の苦しみに意味など見出しうるのか?
これは、ただひたすらにこの問いをめぐって格闘する小説だ。そしてこの恐るべき可能性を示されてしまった読者もまた、この問いを自らの問題として考えることから逃れられなくなる。なぜなら、主人公と同じようにままならぬ世界への抵抗を糧に生きる者も、主人公の母と同じように信仰に生きる者も、いずれも自身のための物語を紡ぎ続けるテキストであることに変わりがないということもまた、この小説は突きつけるからだ。
だからこそ、他者のために物語を紡ぐべく生み出された人工人格の存在が驚くべき結論にたどり着くことを、主人公の格闘とともに、読み終わった後も何度もくりかえし考えずにはいられなくなる。誰のものでもありうるような、それでも「わたし」でしかないこの物語を抱えて生きていくなかで、たぶんこれからも何度でも読みなおすことになるのだろう。
Posted by ブクログ
死の物語です。
死に直面し、呪い、足掻き、目を逸らし、誤魔化し、悪罵を撒き散らし、孤立して、苦しむ。
そして力尽き尊厳を奪われ動物のように死ぬ。
そんな物語を単行本1冊費やして描いたSF小説。
強力なAIや脳の編集技術の登場で個性や人格から聖性が奪われ相対化されゆく未来が舞台。
テクノロジーの発達を配置することで可能になった人の死の意味への純化した問いかけを徹底的に突き詰め、残酷なほどに端的に、結論を差し出し作者は言う。
これは「あなたのための物語」だよ、と。
私の、そして君にも、いつか必ず訪れる最期の物語。
心の弱ってる人は読んだらダメな物語。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
小説・文芸
小説・文芸
ラノベ
少年・青年マンガ
ラノベ