あなたのための物語

あなたのための物語

小説・文芸
1,078円 (税込)

5pt

※こちらの作品は、Android端末と、他のOS端末の間でしおり同期ができません。

西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、ITPテキストで記述される仮想人格《wanna be》に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。いっぽう《wanna be》は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが……。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。

あなたのための物語 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    肉体が滅ぶということ。己が死ぬということ。
    崩れゆく身体と剥がれ落ちていく尊厳。それらに喘ぎ苦しみ肉体という不完全な入れ物を憎みながらも、誰にでも共有可能なテキストとなった人格を前に肉体という特権に気付かされる。"死"の無情さ、冷たさ、その先にある灰色の世界。フィクションの中で死がこれほどまでに無情に容赦なく描かれることに衝撃を受けた作品。

    0
    2026年01月13日

    Posted by ブクログ

    この本をはじめて読んだのは2年以上前。必死で抗いながらも容赦なく死へと押し流されていく主人公の姿はあまりにも辛く衝撃的なのだが、にもかかわらず何度も何度もくりかえし引き戻されるような力をはらむ小説だ。
    舞台である近未来では、革新的技術によって、失われた脳神経が復元可能になっているだけでなく、同じ技術を使って社会に蓄積されたデータベースを利用することが可能になり、人の能力の飛躍的な拡大が可能になろうとしている。だがそれは、個々の人間の神聖さがはぎとられて、他と置き換え可能な・また編集可能なひとつのテキスト、データベースの一部になるということをも示唆している。その可能性をすでにはっきりと見てとっている存在にとって、ひとつのテキストにすぎない己の死をどう受け止めうるのか、ままならぬ肉体の苦しみに意味など見出しうるのか?
    これは、ただひたすらにこの問いをめぐって格闘する小説だ。そしてこの恐るべき可能性を示されてしまった読者もまた、この問いを自らの問題として考えることから逃れられなくなる。なぜなら、主人公と同じようにままならぬ世界への抵抗を糧に生きる者も、主人公の母と同じように信仰に生きる者も、いずれも自身のための物語を紡ぎ続けるテキストであることに変わりがないということもまた、この小説は突きつけるからだ。
    だからこそ、他者のために物語を紡ぐべく生み出された人工人格の存在が驚くべき結論にたどり着くことを、主人公の格闘とともに、読み終わった後も何度もくりかえし考えずにはいられなくなる。誰のものでもありうるような、それでも「わたし」でしかないこの物語を抱えて生きていくなかで、たぶんこれからも何度でも読みなおすことになるのだろう。

    0
    2025年11月02日

    Posted by ブクログ

    文章中に出てくる表現が詩的というか、比喩表現がいっぱいあって、あんまり目にしないものだけど、どれも素敵だなと思える。
    人間って、なにか他の生物とは違うものを感じてしまうけど、この本を読めばそんなに大したもんじゃないってサマンサ同様思えてくる。

    0
    2022年03月14日

    Posted by ブクログ

    初敏司。ネットにて面白そうだったので、購入。第30回日本SF大賞候補。人間とは何か。死。テーマが深遠過ぎて…作者ホント凄いなぁ。《wanna be》のサマンサへの想い——。最後は辛かった。作中“何故、物語を読むのか?”という考察がなされているが、これからじっくりと考えたい。
    最後に、何より自分の健康が一番大事なんだと改めて感じた。素晴らしい作品でした^^ 星五つ。

    0
    2018年08月15日

    Posted by ブクログ

    長い割にストーリーはあまり動かず、単調と言えば単調だが、ただ「死」に向かう一人の女性の心境の揺れ、葛藤がこれでもかと書き殴られている。何となくお洒落な小説のタイトルは、読んでる途中で得心がいき、読み終わると悲しくて胸詰まる。また本筋とそこまで関わりはないが、「小説は読み手に言葉を与えるものではなくて、読み手から言葉を奪うものだ」という表現が途中にあり、これについてはもう一回改めて考えてみたい。

    0
    2013年11月10日

    Posted by ブクログ

    医療分野において発展途上であった未来SF?小説。何度も時が経っても、誰にでも死はやってくるという、逃れられない生命の終着点を一人の女性サマンサ・ウォーカーの病気発覚から死ぬ間際までを描いている。じわじわと彼女の体が灰になっていく描写は読んでいて、妙に臨場感があった。
    生きることへの思いを描いた作品が多い中、死を描いた作品としては考えさせる作品としてとても面白かったなと思う。

    0
    2013年10月16日

    Posted by ブクログ

    AIが実用化されてきたので、自分の声を残して生きているフリができるとラジオパーソナリティが言っていた。

    本作でSFの世界足らしめているITP(Image Transfer Protocol)も、脳内の神経の動きをそのまま伝えることができるというもので、知識や感情が可視化され、伝達可能になるというもの。

    その開発者が死に直面して、人間とは何かを考え、ITPで出来ることできない事を考える。

    難解だったが、現在だからこそ考えさせられる話だった。

    0
    2024年10月20日

    Posted by ブクログ

    SF作品としては派手で分かりやすい展開がなく、地味である。
    でもこの物語から目が離せない。
    テクノロジーの進歩と決して逃れられない一人の人間の「死」。それを見つめるように物語は進んでいく。死に向かう者の肉体や精神が苛まれていく様は悲しく、息が詰まりそうだがどうしてかこの物語からはそんな風に見えない。文体のなせる技だろうか。
    仮想人格である《wanna be》との絆には切なさがあるし、静かな物語なのに迸る感情がある。

    0
    2024年07月28日

    Posted by ブクログ

    死と向き合い、人間が尊厳を凌辱され続け
    最期に全てを失ってしまう物語

    サマンサ程何かを成してはいないが境遇として重ねてしまう人は現代社会には多いんじゃないだろうか

    0
    2022年05月27日

    Posted by ブクログ

    死の物語です。
    死に直面し、呪い、足掻き、目を逸らし、誤魔化し、悪罵を撒き散らし、孤立して、苦しむ。
    そして力尽き尊厳を奪われ動物のように死ぬ。
    そんな物語を単行本1冊費やして描いたSF小説。
    強力なAIや脳の編集技術の登場で個性や人格から聖性が奪われ相対化されゆく未来が舞台。
    テクノロジーの発達を配置することで可能になった人の死の意味への純化した問いかけを徹底的に突き詰め、残酷なほどに端的に、結論を差し出し作者は言う。
    これは「あなたのための物語」だよ、と。
    私の、そして君にも、いつか必ず訪れる最期の物語。
    心の弱ってる人は読んだらダメな物語。

    0
    2022年01月26日

あなたのための物語 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

ハヤカワ文庫JA の最新刊

無料で読める SF・ファンタジー

SF・ファンタジー ランキング

長谷敏司 のこれもおすすめ

あなたのための物語 に関連する特集・キャンペーン

同じジャンルの本を探す