無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「飲んではハイに/醒めては灰に/飲もうぜ/今夜/銀河を杯にして」…ということで、タイトルの「杯」は「さかずき」ではなく、「はい」。タイトルからしてすでにダジャレ風味だが、内容も惑星ドーピアで戦う地球軍の戦車“マヘル-シャラル-ハシ-バズ”とお気楽一等兵&二等兵+自称天才新人少尉を中心にごくごく軽いノリで転がって行く戦争SF。とは言え、機械と人間をめぐるテーマそのものは非常に神林作品らしいもの。「雪風」は無機物らしく冷え冷えとした意識を持つ機械が登場する作品だが、こちらでは同じように意識を持つにしても、もっと情緒的な、有機的な“生命”の感じられる機械が登場する。
軍を脱走して野生化したコンピュータ、最も望むものは「愛と平和」と答える戦車、そして種の生命維持に必要なエネルギーを集合体として保有する“生命場”の担い手の一端としての有機アンドロイド。人間同士だけでなく、機械とも“心が通う”世界に美しさを覚える神林氏が、氏らしい論理展開で組み立てた“生命場理論”は、確かに美しい。人は一人では生きられない。人だけでなく、あらゆる生命・非生命が、一人/一個では存在を維持できない。そこに必要な、絆や連帯を、あえて科学めかして説くところが、何とも神林節だと感じる。
しかしそうしたテーマはあくまでも、銀河を杯に飲んではハイになり灰になる男たちが酩酊しながら不条理な戦争の端でふらふらしている物語の一部でしかないのが、今作の軽やかさ。一種独特のロマンチシズムが漂うスラップスティックSF、読みやすく楽しい作品。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸