ベトナム戦争自体の通史的な解説書ではなく、ベトナム戦争によって周辺国にどのような影響があったか、国際情勢はどう動いたかを書いた本であり、戦争自体についての記述はほとんどない。第一次インドシナ紛争からカンボジア内戦までのインドシナ史と主要人物くらいはしっかり把握していないと読み通すことすら難しいだろうと思う。そういう意味で★マイナス1。「我々はなぜ戦争をしたのか(原題:Missed Opportunity)」や「Best and Brightest」のようなベトナム戦争通史がわかる本を先に読んでおいた方がいいでしょう。「南ベトナム解放民族戦線」を「民族解放戦線」と書くなどの安易かつありがちなミスも多くある。