桜島 日の果て 幻化

桜島 日の果て 幻化

1,254円 (税込)

6pt

処女作「風宴」の、青春の無為と高貴さの並存する風景。出世作「桜島」の、極限状況下の青春の精緻な心象風景。そして秀作「日の果て」。「桜島」「日の果て」と照応する毎日出版文化賞受賞の「幻化」。不気味で純粋な"生"の旋律を伝える作家・梅崎春生の、戦後日本の文学を代表する作品群。

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桜島 日の果て 幻化 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    心情の描写がとても緻密で繊細だった。「桜島」や「日の果て」の戦争における中での主人公や環境の息苦しさや理不尽さ、そして「幻化」における「死」にじわじわと向かっていく者の空虚さの表現が素晴らしいと思った。

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    2023年07月20日

    Posted by ブクログ

    戦争という事実の記憶は、戦後66年経って、まだどれだけ生きているでしょうか。私たちは、その記憶を保ち続けることはできるのでしょうか。

    梅崎春生は、いわゆる「戦後派」の作家。梶井基次郎の影響を指摘される、鋭敏な感覚を持つ作家です。彼の代表作のひとつ、昭和21年9月発表の「桜島」は、作者自身の体験をも

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    2022年10月06日

    Posted by ブクログ

     初期の作品3つと、最後の作品「幻化」が収録されている。「桜島」などつとに有名なものはたぶん高校生の頃読んだと思うのだが、手元になく読み返したかったので買った。
     それにしても講談社文芸文庫は高い。ハードカバー並みに2,000円するものもあり、ちくま学芸文庫よりも更に高い。売れ線でない本を敢えて売っ

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    2021年10月02日

    Posted by ブクログ

    梅崎氏の内面描写は本当に精緻だなあと感嘆していたけれど、解説をよんで彼に独特なのは他者への目線なのだという視点をもらって膝を打った。単に内省的なのではなくて、必ず心の動きと連関する他者の存在がある。だからこそつまらないモノローグにはならなくて、作中人物の心の動きが嫌に生々しいので、読者に対して己の中

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    2021年07月14日

    Posted by ブクログ

    『幻化』は、戦争文学である『桜島』とは異なり、戦後文学であるという点がやはりポイントなのだろう。戦争があり死が身近であった青春を振り返り確かめることを通して、生がよりくっきりと感じられた。
    『幻化』を読んでいる最中は人称がいつも気になった。三人称で書かれていると思ったら、主人公の幻想(?)では一

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    2020年03月16日

    Posted by ブクログ

    なんと言っても「幻化」が素晴らしい。

    過去にNHKのドラマとして、映像化されているらしい。

    映像的な風通しと息苦しさに、読者は右往左往しながら、火口の男たちのセンチメンタルに息を呑みます。

    こういった精神疾患を患った主人公を作品にした作品はとても多いけれど、これは決定版かも。

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    2020年03月14日

    Posted by ブクログ

    梅崎春生,生涯の作品のどれも,すこし鬱気味で,虚無的なトーンに染まっていて,それでいて渋いユーモアに満ち満ちていて大好きです。

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    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    「風宴」、「桜島」、「日の果て」、「幻化」の四篇。「幻化」は精神的な病をえた主人公が病棟を抜け出し、阿蘇へと彷徨する物語で、その渇いた文体とともに印象に残った。人生は賭けの連続なのだが、その結末は誰にも分からない。

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    2023年12月18日

    Posted by ブクログ

    本のタイトルには無いですが、著者の最初の作品である『風宴』と『桜島』『日の果て』の初期三作品。そして、遺作となった『幻化』を収録。
    『風宴』は学生時代、『桜島』戦中、『幻化』は戦後の著者の体験を交えて書いており、『日の果て』は兄の体験を聞いて創作。共通しているのは、どれも死を扱っていると言うこと。

    0
    2023年11月21日

    Posted by ブクログ


    解説にある通り、他者に対する観察が非常に正確で、人への親愛を感じた。
    遺作の『幻化』は読んで良かったと思える出色の出来だった。

    0
    2022年11月18日

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