科挙 中国の試験地獄

科挙 中国の試験地獄

748円 (税込)

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かつて中国では、官吏登用のことを選挙といい、その試験科目による選挙を「科挙」と呼んだ。官吏登用を夢みて、全国各地から秀才たちが続々と大試験場に集まってきた。浪人を続けている老人も少なくない。なかには、七十余万字にもおよぶ四書五経の注釈を筆写したカンニング襦袢をひそかに着こんだ者もいる。完備しきった制度の裏の悲しみと喜びを描きながら、試験地獄を生み出す社会の本質を、科挙制度研究の権威が解き明かす。

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科挙 中国の試験地獄 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月11日

    宮崎市定が書いた『科挙』という題の書籍には二つあり、一つは筆者が出征前に書いて、たまたま金庫に保管されていたのが戦災を免れ、前後に出版され、今は絶版しているもの。もう一つは、初代の内容に満足のいかない筆者が改めて執筆し直した内容で出版されたもので、即ち本書。後者には、区別するために副題「中国の試験地...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月18日

    貴族勢力を削ぐために遥か隋の時代から始まった科挙制度。受験資格にほぼ制限がなく、権力の世襲や軍部勢力の拡大も抑制できるこの制度がいかに当時優れていたかは、王朝が交代しつつも長年にわたって広大な土地に中央集権国家を持続できたことが証明している。
    しかし優れていたからこそ清代まで続いてしまい、近代化され...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月20日

    中国の官吏登用試験であるあの科挙を論じたもの。清代後期の爛熟した科挙制度を中心に実態とその周辺の社会風俗、思想、さらに歴史におけるその得失を論じている。科挙のことを知りたいならこれ一冊で大体間に合うと思う。単に科挙制度そのものを論じるだけでなく、中国の一般社会における科挙と受験者、合格者の位置づけに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年10月01日

    試験制度と聞くと、やはり一番、科挙が有名じゃないかと思います。
    官使登用制度として1300年以上の歴史をもつ制度は、世界に類をみません。
    本書を私が読んだ理由としては、中国で現行実施されている大学入学試験(高考)を考察する上で、
    科挙制度が、どのように影響しているかという点を理解したいと思ったからで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年05月14日

    高校時代に人から薦められて読んだ。科挙について書かれた名著である。科挙についての詳細が事細かに書かれている。驚いたのは当時のカンニング技術。命懸けのカンニングだね。

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    Posted by ブクログ 2013年04月17日

    県試、府試、院師、歳試、科試、郷試、挙人覆試、会試、会試覆試、殿試

    世界一過酷な試験とされる科挙には、上記の試験が存在する。清時代にはすべて行われていた。試験地獄と言われるだけのことはある。

    殿試を首位で通過すると「状元」と称せられる。人生で最高の栄光を勝ち得たことになり、小説の主人公にもよく状...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年04月15日

    あまりにも煩雑な試験、怪異現象など面白い話題が豊富に盛り込まれている。受験制度の功罪を考える上で必読。

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    Posted by ブクログ 2012年03月27日

    さすがに宮崎市定先生の著作である。巻頭で言っていたとおり、筆者の私情は極力避け、事実関係だけをたんたんとドキュメンタリー・タッチで書き進めている。
    そのため物語としても読み応えがあった。
    宮崎先生の著書はいたるところで引用されており信頼性の高さも伺い知ることができる。
    ぜひ宮崎先生の他の著書も見てみ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年10月26日

     中国の皇帝(天子)は天の命を受けて領土人民を統治する。だが一人でその仕事をすることは不可能なので,手足として官僚を用いる。古代には貴族が天子の補助者であって,王朝が交替しても古い家柄の人間は引き続き権力を握ることができた。それが六世紀に変わる。隋初代の文帝は,生意気な貴族を排し有能な人材を集めよう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年08月07日

    学生時代、ゼミの課題で読んだ。日本でも受験地獄と言われていた時期があったが、それとは比べ物にならないほど過酷な試験制度であった。読みながらそれを実体験したような気になる。

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