父と暮せば

父と暮せば

407円 (税込)

2pt

「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない――。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。

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父と暮せば のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年08月28日

    井上ひさしの傑作戯曲。井上はこの作品を描くために広島に通い詰め、被爆者の手記を筆記したという。原爆に翻弄された父と娘のおかしくも哀しい物語を、父の幽霊と暮らすという舞台ならではの仕掛けで描く。

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    Posted by ブクログ 2023年08月09日

    「ピカ」で愛する人々を失った若い女性。
    自分は幸せになってはいけない、そんな権利はない。
    一心に思いつめる傍ら、ほのかに恋をしてしまう

    思いは亡き「おとったん」の姿で現れ
    女性の背中を押す

    「わしの分まで生きてちょんだいよォー」
    父親の想いが悲しい

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    Posted by ブクログ 2023年03月29日

    この作品も収録されている、『戦争と文学シリーズ』を知りました。文学を通して、そこに生きた人達の心情までありありと伝わってくる。
    ただただ真実を受け止めて、知ろうとする事を続けていく。心に焼き付けたい。世界の向かう指針として。

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    Posted by ブクログ 2022年12月30日

    死んでしまったあの人のことを思うと自分は幸せになってはいけない という気持ちを本当の本当に理解することはできるだろうか。幸せになっていいかどうかというより、今もうすでに幸せである。
    と考えると、被曝体験は想像することもできないくらいの次元の違う悲惨さだっただろうと思った。被曝以前に、自然な老い以外で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月09日

    原爆で父や友人を亡くし、自分だけが幸せになってはいけないと思い詰める。反面、新しい出会いに生まれ変わりたいと想う自分がいる。再生に向かう物語。
    原爆だけではなく戦争のなかで加害者と被害者が同時に存在することの不合理。

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    Posted by ブクログ 2020年06月28日

    ちょうど去年の秋、長崎の原爆資料館にいったことを思い出した。この物語の舞台は広島だが、原爆という共通点がある。
    私が話を聞いた被爆者は88歳。当時は小学生で、被爆者の中では比較的若い方だった。その方ですらこの年齢。静かに、緩やかに生の体験を話せる人がいなくなる状況に恐ろしさと悲しみを覚えたことが記憶...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月09日

    終戦から3年経った広島。被爆した娘と原爆で亡くなった父のやりとりで進む、舞台台本。
    まず、前口上で原爆に対する作者の思いが、短いが力強く書いてあり印象的だった。
    原爆で一人生き延びた自分は幸せになってはいけないと思う主人公が恋をする。心に蓋をし、相手を遠ざけようとする娘を「応援団長」として現れる亡く...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年09月02日

    台本であり、読みやすい。
    幸せになることに対しての娘の葛藤、父の心配、そして、幽霊として娘のそばにおり、娘がそれを受け入れているというユニークな設定。あたたかい。

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    Posted by ブクログ 2018年12月15日

    技巧に舌を巻きつつ、それ以上に、題材たる広島の重みを感じざるを得ない。
    中学生が読むのは良いことね。

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    Posted by ブクログ 2017年08月10日

    最近、夢中になっている井上ひさし。
    悲しいが、優しい救済の物語。こうでないと救えない心がたくさんある。

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