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Posted by ブクログ
井上ひさしの小説初読み。
十二人の手紙と言う作品を読もうと思っていたものの、積読すること
月日は立ち、ラジオ番組でこの小説のラジオドラマを拝聴したことがきっかけで、
小説を読みたいと思いつつも、なかなか入手できずじまい。
ようやく入手出来て読むことになりました。
フンと言う、まったく売れることがなく人里離れた場所で貧乏暮らしをする
小説家が書いた作品が、ある日突然売れたことで、担当者が、
お金やフン先生の好きな嗜好品を持ってきます。なんか裏があるのかと
勘ぐっていたところ、突如、小説原稿からブンという四次元の大泥棒
が現れ、三次元のフン先生の世界で泥棒を働き始めるという物語。
果たして、どうなっていくのか、なぜ「ブン」と言う作品が突如売れ始めたのか。
冒頭に書いた、ラジオドラマきっかけと言うことで、
そのラジオドラマでは、今となっては大昔、井上ひさしがまだ小説を
書く前の、脚本や戯曲を書いていた頃の児童向けとも言える
ラジオドラマに書いた脚本である。
そのラジオドラマでは、テンポが良く、時代的に声優とは言われていませんが、
声優たちの演技力に音楽が素晴らしく、ブンの声を超ベテランで日本人なら
知らない人はいないと言っても過言ではない、黒柳徹子が担当している。
このテンポ良く展開するSFファンタジー的な作品の小説を読んでみたい、
と思い、幾日かようやく手にして読んだ結果、ラジオドラマとは違う部分も
多く、そもそも、フン先生の状況と言うのはあまりラジオドラマでは描かれて
いないので、そいうところや様々なブンの行動など、より多く楽しめる
展開となっていました。どちらが良いかと言うと、どうしてもラジオドラマ
と個人的には思う次第ですが、それでも読めたことは良かったと思います。
Posted by ブクログ
最初の方はくだらない作品かと思って読んでいたけど、後半は結構良いことが書かれていた。
人は地位や名誉やお金に恵まれると、本当の自分がわからなくなる。だからブンはそういったものを盗んだと書いてあり、確かにそうだなと思いました。
お金がなくても、良い地位じゃなくても、本来の自分はあるはずで、楽しく日々を送れるはずです。子供の頃の私達がそうであったかのように。社会に出るとどうしてもお金とか地位とか名誉に目がいってしまいます。
30年前にこのような子供も読める小説の中で上記のことが書かれていることに衝撃を受けました。
大人も子供も読むべき本。特に今のこの世の中を生きる人達に読んで欲しいです。
Posted by ブクログ
相当久しぶりの井上ひさし。「ドン松五郎」なんて好きで中学以来、何度読んだか忘れるほどであったが、そういえば代表作の「ブンとフン」は読んでいなかった。パラパラっとめくって、読まなかった理由がわかった。ワタクシは、改行の多い詩を書くのも読むのも苦手なのである。パラパラっとめくるだけでいくつも出てくるが、もう大人なので無視して読み始め。
そういう個人的な事情は置いておいて、読書家向けに簡単に書くと、ストーリー内でも数回引き合いに出されている、北杜夫の「怪盗ジバコ」を丁寧に書いて、オチまでつけたというような話だ(オチはむちゃくちゃだが)。違いは、あちらはの怪盗は生身の人間であったが、こちらは本から現れた架空の存在というところ。読書家でない人に解説すると、本から主人公が出てきて大騒ぎというSFがかったファンタジーコメディーで、戯曲というか、ミュージカル風に話が進む。
気になっていたその詩は、よく読んでみるとダジャレがメインになっているので面白みはわかるものの、やっぱり電車内で読むと何故か気恥ずかしいし頭に入ってきにくいのが難点。そこは無視するとして、後の名作「吉里吉里人」と同じような結構下品なネタもありつつのドタバタで、途中から社会現象に話を広げるあたりも井上ひさしらしい展開であります。
あとがきで本人も書いているように、井上作品の中でも群を抜いてハチャメチャなので、そういう話を読んで腹を立てる人やフィクションやユーモアを解さないサイキンのオトナの人にはまったくもって向きませんが、読書家ならずとも、一度は読んでおきたい名作(迷作?)であります。
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