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APEC構想、カンボジア和平への国連提案、農業貿易の自由化など、オーストラリアは国際社会の新構想を次々と提案してきた。中規模な国家ながらベンチャー精神にあふれた対外政策はどこから生まれてきたのか。さらにアジア系移民が暮らす多文化社会は、かつての白豪主義からの180度の転換であり、社会革命といえる。英帝国、米国、アジアとの交渉を軸に150年の歴史空間を描き、新しい国家像の核心に迫る。
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Posted by ブクログ
オーストラリアの建国から2000年までの歴史が詳しく書かれている。今ある多文化社会のオーストラリアは以前からあったものではなく、時の流れとともにアイデンティティを変化させてきた。英帝国、アメリカ、アジア、どこと戦略的に組んでいくのか。オーストラリアはアジア太平洋のリーダーという認識だったが、その時々...続きを読むの国際政治により、親米、親日、親中、、、と戦略を変えてきた。これからもアジア勢の流入は止まらないだろうから、アジアとの関わりは密接になっていくだろう。しかしどこかで我々は白人国家だという意識が見え隠れするのは変わらないのかもしれない。
いつも行っている本屋で一番目立つところに「物語」シリーズ特集が並べられていました。 「物語」シリーズ、こんな面白そうなシリーズを今まで知らなかったなんて、これから読み進めたいと思います。まずは今の自身の業務で最も関わりのある国、オーストラリアから読むこととしました。 オーストラリアと言えば、かつ...続きを読むては白豪主義を政策に掲げていた白人国家というイメージでしたが、最近はアジア系移民を寛容に受け入れ多民族国家となっているようです。白豪主義も、日本は白人国家ではありませんが、移民に職を奪われる恐怖から移民を排斥しようし、似たようなことをやってしまうかもしれません。白豪主義を掲げるに至るまでの経緯を知ることで、単に悪名高い白豪主義という理解から一歩深めることができました。 ミドルパワー戦略という言葉はこの本で初めて知りました。オーストラリアといえば、世界に影響力を与える準大国というイメージでしたが、言われて見れば国家面積が広いといってもほぼ砂漠、人口も3,000万人程度、豊かな国でありますが、人口が少ないこともありGDPは世界第13位。数字では大国と呼べないのかもしれませんが、存在感は大きく感じます。それはアメリカやイギリスのような大国が手を出さないような国際問題を、積極的に解決しようとすることで存在感を発揮しているようです。さながらニッチな領域を開拓するベンチャー企業のように。 多民族国家となったオーストラリアが今後どのような国になっていくのか興味深いです。
1880年(アメリカが独立してオーストラリア入植が始まってから)くらいからの歴史。イギリスとの微妙な関係、オセアニアの諸島国との地位。第一次、第二次世界大戦への参加でのアイデンティティの確立と模索。白色社会から多文化社会への舵切りと根強く残る意識。 イギリスの植民地として生まれ、アメリカに頼ろうと...続きを読むし、白人が多数を占めながら地理的な関係からアジアと仲良くせざるを得ず、大国と小国の狭間で、独自の政治的文化的アイデンティティを模索しつつあるオーストラリア。 読みやすく、簡潔にオーストラリアの立ち位置が分かり、見方が変わる。
オーストラリアの通史を手早く理解するのに役に立つ。 ただ、事実をフラットに並べているところもあるので、関心がなかなか深まらない。歴史も浅く、何をオーストラリアの文化として捉えるか?そのような本を追加で探す必要がありそう。 以下抜粋 ・なぜ、イギリスは、遠く離れて不便なオーストラリアに、わざわざ白人...続きを読むのための植民地を建設したのであろうか。最大の理由は、アメリカが独立したからである。
●地理的な距離で言えばアメリカより近くにある白人国家ではあるが、オーストラリアの歴史について何一つ知らなかった。そういった意味で勉強になった。
前半、近代史の部分は割と良くまとまってるなと思ったが 現代に入ってからは事実の羅列と、 ちょっとオーストラリア持ち上げ過ぎ?というか 自分の描く理想的なオーストラリアにこじつけようと してる感が拭えなかった。 現代史は専門外なのかな?ちょっと残念。
オセアニア政治社会論の参考書として通読。内容はタイトルに違わず。前半~中盤にかけてはオーストラリアの国家形成の歴史を辿り、後半、近現代のミドルパワー外交に言及されている。新書という体裁はとっているものの、入門書としては十分に読みごたえのある一冊であろう。
オーストラリアの歴史を勉強したいと思っていたらちょうど古書店にあったので買ってみた。ただ内容はオーストラリア「政治」の歴史という感じで、もっぱら著者の関心(国際政治)に沿ったもの。正直あまり面白い本ではなかったけど、悪名高い白豪主義からどのように現代の移民社会になったのか、そのことが知れたことは収穫...続きを読むだったかな。
[ 内容 ] APEC提案、カンボジア和平の国連提案、農業貿易の自由化など、オーストラリアは国際社会の構想を次々と実現してきた。 中規模な国家ながらベンチャー精神にあふれた対外政策はどこから生まれてきたのか。 さらにアジア系移民が暮らす多文化社会は、かつての白豪主義からの一八〇度の転換であり、社会革...続きを読む命といえる。 英帝国、米国、アジア諸国との関係を軸に一五〇年の歴史空間を描き、新しい国家像の核心に迫る。 [ 目次 ] 第1章 揺れる自画像とアイデンティティ 第2章 理想社会の建設―白豪主義とアジア系労働者問題 第3章 ヨーロッパの世界分割競争に翻弄される―英帝国の敵 第4章 対外脅威と安全保障―日本問題の登場 第5章 大国政治への関与と挫折―国連外交と冷戦の戦士 第6章 多文化ミドルパワーの国家像―ベンチャー型中企業国家への模索 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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