トルコのもう一つの顔

トルコのもう一つの顔

814円 (税込)

4pt

言語学者である著者はトルコ共和国を一九七〇年に訪れて以来、その地の人々と諸言語の魅力にとりつかれ、十数年にわたり一年の半分をトルコでの野外調査に費す日々が続いた。調査中に見舞われた災難に、進んで救いの手をさしのべ、言葉や歌を教えてくれた村人たち。辺境にあって歳月を越えてひそやかに生き続ける「言葉」とその守り手への愛をこめて綴る、とかく情報不足になりがちなトルコという国での得がたい体験の記録である。

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トルコのもう一つの顔 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月14日

    最近気になる中東の文化を紹介している本かと思ったら、言語学である著者によるトルコの旅の記録でした。めっちゃ面白い。言語学者による旅行記がこんなにもアドベンチャラスなものになるのか!観光ガイドブックのような表面的なものではなく、少数民族に焦点をあてながら自らの体験として紹介しているのです。それもそのは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月24日

    本書はフランス在住でトルコの少数民族が話している言語を研究している日本人の手記ですが、一貫して本人の体験談をもとに記述されているため非常に生々しい本です。題名にもあるように、イスタンブールやトロイ、カッパドキアなどとは違う、一般の人の目にはまず入ることのないトルコの側面を紹介しています。日本には方言...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月10日

    言語学者である著者が単一民族国家を標榜するトルコで体験した少数民族迫害の真実についてまとめた本。

    政府によって隠蔽されてきたトルコの暗部を暴くというのがこの本の趣旨だが、著者の旅行記の側面も併せもっており、この部分がすごく面白い。

    行く先々で出会う少数民族とは毎度毎度あっという間に打ち解けてしま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月20日

    ものすごい言語能力とコミュニケーション能力を持つフランス在住日本人言語学者によるトルコでの言語調査旅行記。とても面白い。
    トルコ政府に怪しまれてどこにいくにも随行員がついてきたり、数日前に出会った官僚が心臓麻痺で死亡したりと普通の旅行記より読んでいてハラハラした。
    著者の言語に対する真摯な態度と飽く...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年09月03日

    新書は研究者が論文内容を一般向けにしたものが多いがこの本はエッセイのようで、しかも文章が上手くて読ませる。時に現地語や言語学の用語が出て気ても苦もなく読ませてくれる。それどころか早く続きを知りたくて出かけるときは鞄の中、寝るときはベッドと、読書中はほぼ食事とお風呂以外は近くから離さず持ち歩いていた。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年05月23日

    [見てしまった者の言]親日国と知られ、近年では経済成長も目覚しいトルコ共和国。言語学の専門としてトルコに文字通り「はまって」しまった著者が、少数民族の言語を調査する過程で、外側からは決して知ることのできなかった裏の一面を明らかにした作品です。著者は、本調査の末にトルコ共和国から国外退去処分を受けるこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年03月08日

    傑作。尊敬。こういう方が本当の学者だと思う。読み物としても素晴らしいサスペンスで一気呵成に読みきった。中東問題の根深さは到底日本人に想像できるものではない。

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    Posted by ブクログ 2013年05月24日

    心に炎が燃え移った。10代で読んでいたら、もっと人生変わったかも。いや、酸いも甘いも知った今だからこそ共感できるのかも。若さって保守的な傾向をもつこともあるから。

    トルコが舞台だが、同じようなことはいくつかの国にも当てはまるのでは。日本も例外ではない。「普通」に生きていると社会や国家、教育内容に疑...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年07月03日

    自分が知らない世界が完結にではあるがしっかりと描かれていることで、知らぬ間にどんどん引きこまれていった。
    民族・宗教・言語が当事者同士で複雑に絡みあっている。

    宗教なんて関係なくていいじゃん、言語共同体なんて、とか考えていた自分が恥ずかしくなってくるくらい。

    次も早く読みたい。

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    Posted by ブクログ 2012年06月17日

    トルコに対する認識が改められる本。
    少なくともトルコに関する知識が貧弱過ぎた自分には、インパクトが強かった。

    現地視点からのクルド問題の提起、言語学者として「隠れ民俗」「忘れ民俗」など足を使って(時には妨害されながらも)調査、分析した筆者の功績はとても大きい。

    アレウィー教徒を扱った章では、マイ...続きを読む

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