いつでも今がいちばん。

浅草ゆう子

明るい老後を送りたいあなたへ。御歳90歳で、人気芸者の浅草ゆう子姐さん。どうしたら、ステキに歳を重ねられるのか、その生き方から、日常生活のすごし方まで、伝授していただきます。ドラマチックな半生も。写真も多数掲載。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: エッセイ・紀行 / エッセイ
• 出版社: 世界文化社
• ページ数: 208ページ
• 電子版発売日: 2013年10月25日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 14MB

[ブクログ · ★★★☆☆]

読んでいて楽しくなるほど、筆者の喜びや幸せが伝わってくる。本当は辛いことや大変なこともたくさんあったのだろうと思うけれど、悲壮感などは一切表れず、生き生きとした幸せのエネルギーが伝わってくる。そういう歳の取り方をしたいと思う。

[ブクログ · ★★★☆☆]

「90歳の現役芸者ゆう子姐さん流 ポジティブに生きるコツ」

都内最高齢で売れっ子の現役芸者の浅草ゆう子さん。なんと御年90歳。元気で愛されるその秘訣をお伺いしました。日々軽やかな心で生きる秘訣をお届けします。

　＊　＊　＊

もうはるか昔のことですけれど、わたしよりだいぶ年上だったある大姐さんからずいぶんと意地悪をされたことがあります。清元の兄弟弟子でした。（中略）

今振り返ると、“ストレス”っていう言葉も知らなかったぐらい、苦労を苦労と思わなかったし、前向きでした。それも大姐さんは気に入らなかったのでしょうね。

誰かをうらやましいと思ったら、ほめればいいのです。嫌な気持ちを引きずらないで、いいことしかいわないほうがいい。そうすると自分も明るくなってくるもの。

座右の銘としている言葉があるんです。

一、今日一日、腹を立てず、朗らかに過ごす。
一、今日一日、偽りをいわず、信義を守る。
一、今日一日、人に親切を尽くす。
一、今日一日、身体を大切に。
一、今日一日、足るを知って満足する事。
一、今日一日、よく働き、よく眠る。

もうずいぶん昔のことだからどこで目にしたか忘れてしまったけれど、いい文句だなと思って下手な字で書き写したんです。それを「箱屋さん」といって、芸者衆のお世話をしてくださる人にきれいに清書してもらって、家の冷蔵庫に貼っているんです。そうすれば毎朝、必ず目に留まるでしょ。

なかなか全部は実行できなくても、見てるだけ、思うだけでも違うのよ。
そうして、今日も気分よく過ごそうという気持ちになるのです。


～『いつでも今がいちばん。』（浅草 ゆう子）より抜粋