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Posted by ブクログ
諸星大二郎が描く世界観のすごさは、あたしが今ことさらに取り上げるべきことでもない。とほうもなくすごいのは誰もが認めるところ。
そうしてグリム童話のダークさ、不条理さの平坦なリズムがそこにオーケストレーションして、ものすごく重厚に、腹の奥にずんずん響く。
スゴ本、それ以外になんと言える?
でも、この人のことあたし、何も知らないんだよなって気づく。デビューの経緯とか作風とか、wikiでようやっと調べてもあんまりでてこない。せいぜいわかるのはその作品から、だけ。
最初に読んだとき、その絵柄から、結構昔の物語なのかな?なんて思っていて、の割りに時々新しいテーマも混じってきておやおやって思った。出てくる人物の描き方も独特。日本人だろうけどでも年齢層が狭くて、スタイルもごろんとした画一的な感じ。画力がないのでは決してないけれど、デッサンがそのまま作品になったような、線としてはこなれていない(すみません)感じ。むしろ昔のカムイ伝とか石ノ森章太郎とかの人物の描き方に近いものを感じる。
ただ非凡なのはその世界観だと思う。不条理な中にもくっきりとしたこの人のにおいがしていて、そこにひとはけ、クトゥルーのエッセンスを感じるのは気のせいではなかったようだ。
うーん、この作品、マンガとしての絵を楽しみ、グリムの世界を楽しみ、作者の解釈を楽しみ、また目をつぶって世界観の広がりを響きで感じられるのが、一粒で数回楽しめる贅沢作品だなぁ。
娯楽とゲイジュツの境をあたしはいつだってぴしりとは探せないでいるんだけれど、でも、五感を開放して押し寄せる感覚を楽しむときその2つの触覚は、とってもとっても、似ていると思う。
Posted by ブクログ
なんてことなんてことなんてこと!!!
手塚治虫に「この線は描けない」と言わしめた諸星大二郎が、まさかの「とりかえっ子の話」で火の鳥の完全オマージュをするなんて!! 2006年に!!
表紙も素晴らしいし「子ねずみと小鳥と焼きソーセージ」「めんどりはなぜ死んだか」なんてデビューしたての諸星先生を彷彿とさせて怖気が立ったし(変わらぬものが描けるというのはそれを原点とできるということ)、「ラプンツェル」はもう本当に真骨頂でしかないと思ったし
だけど「とりかえっ子の話」ですよ
手塚があれだけの長い前置きを描きに描いて伝えたかった火の鳥の世界を、このページ数でまったく同じラストで描く!?
人類の居なくなった世界、そこでただ死ねない、頭をぶった切っても死ねない
滅びた世界を眼前に笑う、これがオマージュと言わずしてどうしますか ロックととりかえっ子は完全に同じなんだよ
恐るべし諸星先生 同じ時代に生きることができて本当に良かった
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