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しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。降りしきる雪の中、その集団に加わったぼくは、過去と現在を取り換えることになった――(「夜行(やぎょう)の冬」)。古く湿った漁村から大都市の片隅、古代の南の島へと予想外の展開を繰り広げながら飛翔する五つの物語。日常と幻想の境界を往還し続ける鬼才による最重要短編集。 (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
『秋の牢獄』に続き、恒川作品四作品目。タイトルに惹かれて購入。どの短篇も良かったが——特に「夜行の冬」「鸚鵡幻想曲」がお気に入り。前者はホラー版『夜ピク』とでも言いましょうか。歩く度に世界が変わり、もし自分だったらと——いろいろ考えさせられます。後者は発想がぶっ飛んでて、まさかあんなことになるとは—...続きを読む—○○シーンは想像しただけで鳥肌モノでした…。解説を読み「…嗚呼、なるほどなぁ」と。まだそれほど数を読んではいないが、どの作品も本当に独特な世界観でこの著者にしか描きえない作品なんだと感心しました(^^) 星四つ半。
奇譚・SF・ファンタジーなどにカテゴライズされる5つの短編集。 SFといっても宇宙的なものはなく、強いて挙げれば登場人物が描く漫画が作中作になっていて、その舞台が花が咲き誇る月面ってところぐらいかな? とにかく着想が珍妙で面白い。 何か変わった小説を読みたい時や、複雑なプロットが面倒な時にサクサク読...続きを読むめるのでおすすめしたい。
恒川光太郎氏の独特な世界観が、様々な形で表されてる どの短編も面白いが、夜行の冬と鸚鵡とオルネラが好み
五編入った幻想短編集。今回は特に奇想が目立ち、バリエーション豊かな作品集になっている。 「風を放つ」 どう解釈してよいのか戸惑う話ではある。現実から踏み出さずにすんだ物語。妙な余韻を残す作品。 「迷走のオルネラ」 力と正義を問いかける強いテーマ性のある物語。インパクトありますね。復讐譚で、ダーク...続きを読むヒーローの物語でもある。こんな作品も書くんだなぁ。主人公の恋人となるコジマアヤカが、主人公と全く異なる考えを持っていて主人公に与える影響も含めて魅力的。恒川作品ではこういう普通の人として魅力的なキャラクターは珍しいんでないかな。 「夜行の冬」 見てはいけない夜行様に着いていくとその先には。平行世界を扱ったSFホラー。現象と、新しい世界に惹かれていってしまう主人公たちの姿に怖さともの悲しさを感じた。これ好きです。 「鸚鵡幻想曲」 偽装集合体とそれを解体できる男という面白い設定で、前半だけでもショートショートとして完成しているのですが、後半が予想つかない幻想的な物語でこれまた面白い。読後感も非常によくお気に入りの作品。 「竜が最後に帰る場所」 謎の生物の主観で、誕生からのサバイバルをドキュメンタリー風味に描くおとぎ話。読んでるだけで楽しい系の作品ですね。
よく分からない世界へ連れていってくれる作家という印象の恒川さん。幻想的でありながらも現実的でもある読み口は独特でやはり他では例を見ない人だと実感。面白かったのは「夜行の冬」と「鸚鵡幻想曲」前者は百鬼夜行のテイストにリセットものをくっつけた感じでこの人の得意とする恐ろし系物語。怖さと幻想さのバランスが...続きを読む絶妙で良かった。後者は発想が素晴らしい奇妙な作品。星新一さんらしさはあるがそこからもうひとひねり加えている所に凄さがある。これがめちゃくちゃに面白い。奇妙なので面白いとしかいえないのがもったいないくらい面白い。
夜市に続く2冊目の短編集。5つの短編が収録されていて、1つ1つは本当にすぐ読み終わる短さ。 読んでいて、不思議な感じのする世界観に引き込まれてどんどん先を読みたくなるものの、最後は「あれ?結局どう言う話だったの?」という感じで終わるものが多かった印象。 ただ、読んだ後の、このちょっと取り残された感は...続きを読むある意味癖になりそうな、この作者の短編作品における特徴なのかなと思った。 ただ、最後のゴロンドのドキュメンタリーのような話は本当に何だったのだろう…?笑 とても不思議だった。
恒川光太郎氏の書く本を読めば読むほどにはまっていく。 5編からなる短編集だが、後半の作品にいくにつれてどんどんと引き込まれていった。 夜行の冬、鸚鵡幻想曲、ゴロンドの3編は特に面白かった。
久々に読んだ恒川さんの本。 最近途中挫折することが多いので、絶対面白くて読み切れるもの、と思い選んだ。 間違いなし! やっぱり面白い。1話目は普通目だけど、2話目からは恒川さんワールド。 先が読めないし、人の心の描き方が絶妙! 少し怖くてどこか妖しく美しい感じ。 ダークなファンタジーにハマってしま...続きを読むう。 オルネラは心の動きや展開が面白くて、鸚鵡の話はよくこんな事思いつくなぁーという面白さ。
とても面白かった。 なんだか怖いのに少し懐かしくて優しい感じ。 子供の頃感じていたような思いなのかな。 親切な人はその都度いてくれて、だから悲しくても救いはある。 人と怪異が触れ合うのは少しの時間。 少し寂しいけれど、また会えるんじゃないかって思う。
よくわからないけど、そのわからない感じが心地いい恒川作品。 どの短編も発想が面白くて非現実的な話とは思えないほどしっかりしてるから不完全燃焼なく納得できる。 夜行の世界観が私は好きだった。爽やかで静謐な空気がある。
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