スワロウテイル人工少女販売処

スワロウテイル人工少女販売処

小説・文芸
990円 (税込)

4pt

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〈種のアポトーシス〉の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人を模して造られた人工妖精(フィギュア)と生活している。その一体である揚羽(あげは)は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団(イエロー)の曽田陽介と共に連続殺人犯“傘持ち(アンブレラ)”を追っていた。被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、自治区の存亡を左右する謀略へと進展し、その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる――苛烈なるヒューマノイド共生SF。

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スワロウテイル人工少女販売処 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    大好きな作品です。アンドロイドと人間というよくある題材ですが、アンドロイド側がそれっぽくないというか人間そのものという感じがありながら、自分自身は人間ではないんだよな、と一歩引いている感じが新しかったように感じる。内容も精神とは、人間とは、という問いをはじめ哲学や心理学を交えつつ運命論やSFっていうような設定も出てきてとても楽しめました。

    0
    2025年06月26日

    Posted by ブクログ

    ラノベのようなスタイルをとりながら、重厚なテーマと複数の読み方を持つ、何度でも再読したい一冊です。
    「限りなく人間に近い機械」というありがちな設定に、男女隔離を余儀なくされた世界に第三の性として作られたという存在理由を加えたことで、テーマに大きな深みが生まれた気がします。
    特に印象的なのは洋一と置名草の美しくも残酷な物語です。精緻なSF的要素に見える置名草の体質や背景は、単なる無味乾燥なSFガジェットではない、人間の思いが届くものとして描かれています。このあたりに全編を通じて暗示される人工妖精と人間双方の悲哀が詰まっている気がします。
    何より、結びは冒頭の一節だけでなく主人公への解答として機能しており、物語が終わったのではなく彼女が旅立ったに過ぎないことを雄弁に語っています。

    0
    2023年06月13日

    Posted by ブクログ

    人工生命、男女の分断、病人を隔離した豊かな自治区……と、要素盛り盛りなところがとても良いですね。全部乗せで贅沢だけど世界観にのめり込んでどんどん先を読みたくなっちゃう。
    ヒロインの揚羽がいちいち感情重い子で可愛い。
    水先案内人の置名草や「クラスメイトの女の子」として作られた人工妖精の在り方も切なくて……でもきっと、彼女たちは不幸せではないんだろうな。複雑。

    0
    2021年07月15日

    Posted by ブクログ

    人工妖精と人間の世界になっても、極端な思想も差別も消えないのに、相手を想う気持ちも変わらないのが印象に残った。
    自分が生きている間にはそこまでの技術進歩は望めないが、この世界をぜひとも見てみたいと思った。
    陽介と揚羽のコンビをもっと見てみたい。
    一日ごとに記憶を失う水先案内人の存在は何か切ない。
    一日ごとに記憶を失う彼女たちが忘れたくないものを手に入れたら、それは悲劇なのかもしれない。

    ただ、性感染する病気を避けるために人工妖精を伴侶にするのなら、いつの日にか絶滅するような気がする。

    0
    2017年02月19日

    Posted by ブクログ

    タイトルで損してる気がするなぁ。
    クオリア、人工知能、作られたものの幸せとはなにか。
    文体は独特だけれど、読みやすい。

    0
    2014年12月31日

    Posted by ブクログ

     種のアポトーシスと呼ばれる性交によって感染する病を患った男女たちが暮らす男女別自治区。そこでは異性の代わりに人間を模して造られた、人工妖精(フィギュア)が人々と共に暮らしている。
    その自治区で連続殺人が発生。事件を追う人工妖精の揚羽は徐々に自治区をめぐる謀略に巻き込まれていく。

     練りに練られた複雑な世界観や設定の解説に加え、ラノベっぽい独特の言い回しやキャラクターたちの会話、小難しい言葉や思想で装飾された文章で書かれたこの作品は決して読みやすくはありません。
    自分自身も序盤は世界観をつかむのにも、文体に慣れるのにも苦労しました。

     話としてもスケールが大きく、いろいろな要素をこれでもかと詰め込まれているので、描き切れていないところや駆け足になってしまったところもあるように思いました。
    しかし、それでも読み終えたときの満足感はすごいものでした。

     それはSFとして世界観や国家との対決にも発展する展開に興奮したというところもあると思いますが、それ以上に心を揺さぶられたのは、作中に出てくる人工妖精たちの物語です。

     この小説で徹底して描かれるのは、純真すぎる人工妖精の愛の話であり、そして愛されることの苦しみの物語でもあったように思います。個人的に読んでいてつくづく思ったのは、人間が心ある人間を造ろうとするのは本当に正しいことなのか、という事でした。

     そしてそうやって作られた心に従って行動する人工妖精たち、そして、揚羽が背負わざるを得ない過酷な運命に感じる切なさは、他の小説を読んだとき以上に心に迫ってくるものがあると思います。

     だからこそラスト場面は切なくも非常に温かく美しかったです。シリーズ化されてる本作ですが、
    純真で罪を背負わざるを得なかった揚羽が、少しでも安息と幸せを手に入れられることを祈りながら、このシリーズを読み進めていこうと思います。

    0
    2015年12月02日

    Posted by ブクログ

    身代わりとして、人を思い生きる人工妖精。
    それを哀れに思い、心を痛めても、それは本当に無意味。
    人工島無いだけでなく、本の外の読者も空回りしてる。
    すべてが空回りるこの世界、見てきて飽きない!
    一日草の種明かしは全俺が震えた!
    キレイにまとまったお思ったら、まだ続きがあるのか、楽しみ。

    新世界よりを読んだ後、二冊目のSF小説。
    やっぱりSFは好きなのかもしれない。
    はまりそう。

    0
    2013年03月10日

    Posted by ブクログ

    人工妖精(アンドロイド)が普遍的に存在する近未来の東京、背景となる設定が壮大且つ細かくて物語に入り込むのにちょっと時間がかかるが、「ねじまき少女」を彷彿させる各種公的機関のディテールが楽しい。表紙が可愛らしいので軽い読み物かと思ってしまうがとんでもない、素晴らしいハードSFでした。揚羽と陽平のやりとりも少しだけHで微笑ましい。ハードSFかと思えばライトノベル風文章が絶妙に融合されており、文章は軽いが話は重い、アンバランスな感覚が何とも心地よい。以前絶賛した「Delivery」とはまた趣きが違う、こんな作家がいるんだ!と嬉しい発見でした。勿論続編も読みます。

    0
    2012年11月02日

    Posted by ブクログ

    この世界はどこまで組み立てられているのか。もしくは全てが張子なのか。なんだかどこまでも隙がなく上手い具合に組まれたプロットで、小難しい話であるにもかかわらずぐいぐい読めてしまう。
    人工妖精や東京自治区などSF的フェティッシュが魅力的。ただ、その辺りの技術的な設定・理屈を理解しようとすると少々難解で面倒。それが面白いところでもあるのだが、単純に恋愛モノとして読むのでも十分面白い作品。
    人間を愛し人間に愛されるためにつくられた人工妖精。その構造、背景を冷酷なほど語りつくして世知辛いつくりものの社会を嘆くのに、人工妖精も彼らとともに生きる人間も、互いを想うことに一生懸命だ。その一途さが過ちを生むし、感動も生む。歪の中で己にまっすぐに生きるということは、最大限に歪ながら生きるということなのかも知れない。すごい物語だ。

    0
    2012年01月20日

    Posted by ブクログ

    表紙とタイトルからラノベの香りを感じていたが、思っていたよりずっと早川書房=SF寄りの話で面白かった。むしろ、中途半端にあるラノベの香り(たとえばヒロインが変な声で鳴く)は必要だったのか??
    この先の展開でその話も出てくるもしれないが、是非女性鎖国サイドの描写も読んでみたい。

    0
    2019年07月21日

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