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Posted by ブクログ
【星新一という世界】
私には好きな世界がある。その一つが星新一の世界だ。星新一の世界は、未来がモノクロで映し出される世界。全てはグレースケールをかけたように、粗い粒子を散りばめたような映像の繰り返しである。見たことがあるような、でもだれも見たことがない星新一の世界の中で、人は生まれ、育ち、社会に出て、結婚して、子供を成し、そして死んでいく。
作品自体はもちろん、あとがきがとてもよかった。こんな風に物語が生まれてくるのならば、きっと世界は揺らぎながらも続いていくのだろう。あえて、この問題に向き合わない作家もいるのだろうと思う。廃れていくことにカタルシスを感じる者もいるかもしれない。だけど、星新一はやり遂げた。具体的な事例を連想することなく、そして今でも古くならない物語を作り上げた。これは、皆が簡単にできることではないと私は考える。
異国の地で思う。星新一の世界は終わらないで巡っている。今回久しぶりに読み返すことになったわけだが、そこには確かに以前とは違う物語があった。そして、また15年の月日が流れてもう一度1ページ目を開いたとき、また違う物語に変わっているのではないかとさえ、思えてくる。彼を超越した世界に私はまだ出会ったことがない。星新一が生きて物語を書いたという事実に私は感謝している。
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