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灼熱の夏が永遠に続く国ベトナム。ホーチミンを訪れた「私」は夏の国の男に出会う。彼は綺麗な南の地獄そのものだった――。名前も素性も知らぬまま、ただ享楽的なセックスに溺れるふたり。――床惚れ――セックスがよくて惚れてしまうのは男女が堕ちる最も苦しい地獄と天国なのかもしれない。『ぼっけえ、きょうてえ』の著者がベトナムを舞台に狂おしくも甘美な情欲の世界を描いた官能ホラー。
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Posted by ブクログ
嫌いじゃない。ホラー小説というよりは詩に近い。エロくて俗な三島由紀夫みたいな質感。もうちょっとエグみがほしかった。
岩井志麻子の楽園(ラック・ヴィエン)を読みました。チャイ・コイと同じようなベトナムを舞台にした官能小説でした。最後にホラーの味付けがしてありますが、ほとんどは日本の女性とベトナムの若い男性が愛し合うという物語でした。ちょっと、食傷してしまいます。
余りに官能的で甘美で恐ろしい。 死の匂いに引き寄せられて訪れる、泡沫の恋。 本能のままに互いを貪る享楽的なその行為は実に艶めかしく、そして狂気を孕んでいる。じっとりと肌に纏わりつく温度感が夢現の境目を曖昧にさせていく。 私のどこかにも傷はつく。つけて欲しい、もっともっと。命を維持するために必要な血...続きを読むなど、惜しくない。すべての血を、あなたに放出させてほしい。青ざめた私の死体はきっと、美しいだろうから─────。
ホーチミンで出会った男と「私」のあれやこれやです。「私」ってぜったい志麻子さんだよなー。“かれの性器がいとしい”とかって、どこかのインタビューでも言ってたし。
似たような話を読んだ覚えがと思えば、同じ作家の「チャイコイ」と言う作品と題材が同じなんですね。 でもこっちは角川ホラー文庫ということで、ホラーの要素が少々加わっております。 (2003.6.9)
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