喪失記

喪失記

528円 (税込)

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五年間、一度も友人と食事をしたことがない。他人と話をするのは、月二度程度という静寂だけの日々。――理津子は男に飢えていた。カトリック神父のもとで育った彼女は、恐ろしいほど規律正しい厳格な生活が、骨の髄まで染みついている。他人に、自分に嘘がつけない。誤ちには厳しい戒めもいとわない。そんな理津子の前に、本能の赴くままに生きる男・大西が現れて……。子供から大人へ――。精神と肉体の変化、個人と社会との関わりを残酷なまでに孤独な女性を通して描ききる。

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喪失記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年05月14日

    姫野カオルコ。凄まじい作家だ。

    主人公のような人物を、現実には「こじらせた」人と言うのだろう。しかし、小説の中では、その凄まじさはたとえようがない。

    これでもか、これでもかとつらいエピソードが続く。
    性の貧困は、自分観の貧困、人間関係の貧困も招くからだ。

    その中でも後の救いとなる、大西と食べる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    姫野 カオルコの【喪失記】を読んだ。

    「私は男に飢えていた」の一文から始まるこの物語に一瞬のうちに引き込まれた。

    30歳を過ぎて「処女」である主人公の理津子。彼女は家庭の事情で、幼少期時代を点々と他人の家で過

    ごし、再び両親と暮らし始めるまでの間、恐ろしいほど規律正しいカトリックの教会で育った...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    2009/7/23
    あーすごい。
    ホントすごいなぁ。
    淡々とくる。
    そうそう、そういうことなんよ。
    いろいろと申し訳なくておこがましくて何もできんのだ。

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    購入済み

    匿名 2024年02月11日

    同性にモテていて、自分の魅力を理解している女性と思っていたのに、すごい変わりようで驚きました。
    強く自分を律するあまりに苦しんでく女性、色んな生き方があるんだとつくづく思う

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    Posted by ブクログ 2017年06月22日

    そういえば昔読んだな、、と思いながらまた読みました(笑)
    主人公がいい年して処女、という設定は姫野さんの小説には多いですが、切なさがよく描かれていると思います。
    あとは料理や食べ物がうまくストーリーにからみあって、「スピーディにいいタイミングで同時に出来上がり、出来たてを誰かにサーブし一緒に食べる楽...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年04月04日

    「受難」となんだか似てる気がしました。
    2作品続けて読むと
    より姫野さんを感じることができるかもしれません。

    なかなか面白いと思いました~。。

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    Posted by ブクログ 2010年11月16日

    主人公の寂しさや惨めさが伝わってきて胸が痛くなった

    勝手に決め付けられるのは辛い
    大丈夫な人なんていない

    強いと思い込んで自分を保つ主人公がいじらしくて好きだ

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    普通に見た目はキレイな顔なのに、
    何故か恋愛に縁がないまま三十路を越えた主人公。
    私とは、たぶん対局にいるであろうタイプで、
    とても共感出来る感情ではない。
    『私は男に飢えていた。』
    という小説の書き出しは、
    読み進めていくうちに違う形で裏切られた。、
    単なる三十路の処女の喪失までの話ではない。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年07月20日

    読んでいて苦しくて疲れる。読者を勃たせない。笑

    ありのままでいることを許されない幼少時期が内なる健やかさ、自尊心、女性性をねじまげ、上手に解消できないとやっかいなモノを抱えて生きることになる。よく分かる。

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    Posted by ブクログ 2015年09月28日

    食事をするだけの男女。
    なんだか憧れる。食の好みが一致していないと、こんな楽しみ方はできないだろうけど。
    食べながら色々なことを話す。子供の頃のこと、個人的なこと。告白しているようで、スッキリ整理できそう。
    信頼していないとできない話かも。
    理津子は堅物というのかな? それがまた個性的でいいんじゃな...続きを読む

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