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店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘薫堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。古美術ミステリーの傑作長編。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
骨董業界の 騙しあい、ミステリー作品。 最初から 最後まで、 面白い。 骨董好きには、おすすめ。
抜けていたシリーズものを。最初になるのかな。 古美術の世界は魅惑的だけれども、どうなんでしょうか。 いずれにしろ、歴史学出身らしい、ちりばめられたあれやこれやが楽しませてくれる。
ラストまでドキドキさせる骨董界ミステリー。 同じ骨董系のお話だけど、「孔雀狂想曲」とはうってかわってシリアスでシビアな話です。 丁々発止のやりとりは「孔雀~」でも出てくるけれど。 それから「花の下にて春死なむ」のビアバー「香菜里屋」が登場したり、別シリーズの主人公蓮丈那智も話の端に出てきたりでニヤリ...続きを読むとさせられることしばしば。 シリーズでこの先も続くので、読むのが楽しみ(※2010年以前の感想。
再読。 骨董に詳しくないのでどこまでリアリティーがあるのかは判断できませんが、そんなことは関係なく楽しめる緊張感に溢れた描写はさすがです。 陶子さんの無理して突っ張っているところは無敵の蓮杖那智とは違う魅力がありますが、共通する凛とした雰囲気に最近のキャラ重視のトレンドとは違う北森氏のこだわりを感じ...続きを読むます。
蓮丈那智シリーズで登場する旗師の宇佐美陶子さんが主人公の話です。まだ駆け出しのころから、凄味のでる存在に変身する物語ですね。古美術商が贋作をどう扱うかという視点ではとても面白く読めました。
いやー、面白かった!ラスト、久々に睡眠時間削って、一気に読んじゃいましたw 贋作制作とか、造詣深すぎっ!!いやいや、まったく興味深い一冊でした♪
「旗師」宇佐見陶子シリーズの1作目です。 興味深い世界を堪能しました。 なかなか素人には敷居の高い骨董の世界。 専門的な説明もあって硬くなってもよさそうなのにそうならない。 決して軽いテンポの文章ではないのに読み易い。 何故か? たぶんエンターテイメント性が高いから。 主人公陶子とカメラマン硝子...続きを読むの壊れ物コンビ(陶器と硝子ですね)。 (最後まで本名が出なかった)プロフェッサーDに、 練馬署の犬猿コンビ(ブルドッグと猿顔だから)。 冬狐堂(陶子の屋号)と銀座の狸こと橘。 単語を見ているだけで楽しい。 各章のタイトルもいいですね。 「罠のなかの狐」「仕掛ける狐」等々興味もイメージも膨らみます。 それになんたって登場人物達ですよ。 謎めいた大英博物館の元研究員はもちろん、 国立博物館の主任研究員に妖怪じみた贋作師、 爽やか笑顔の保険会社調査員やら悪評高い骨董商。 大学教授の元夫や客師、銘木屋、更には刑事まで。 業界を取り巻くいろんな人種が入り乱れて楽しいったらありません。 狐と狸の化かし合いもとい騙し合いに殺人事件まで絡んできて。 そのスピード感でページをめくる手が止まりませんでした。 ハラハラドキドキはもちろん、どんでん返しもちゃんと用意されてます。 読後感は「あー楽しかった」です。
古美術ミステリーと聞いて、テレビの2時間サスペンスみたいなトンデモ系かと思いきや、本格的に読ませる話で、引き込まれた。 何より、骨董に関する記述が専門的で細かいのに、知識の全くない自分でも面白く読める。蒔絵の文箱の文様の描写など、見たことがあるかのように鮮やかに頭に浮かぶ。 ただ、知識的なものよ...続きを読むり、登場人物それぞれの個性が際立っているのことが、この話の魅力をより増している。 主人公の冷静でいながら内に秘めた熱や、敵となる橘薫堂の品の良さをとりつくろった中に垣間見える下劣さなど、実際にそこにいる人のよう。 一点、硝子さんの口調は疑問。筆者が男性か女性か知らずに読み始め、途中も「どっちなんだろう?」と疑問が解けずにいたが、陶子と硝子の会話で、男性だなと。三十女言い過ぎだと思う。
旗師・冬狐堂シリーズ第一弾。 目利き殺しを仕掛けられた陶子が、仕掛け返そうと決意するが、 そこには別の思惑が入り込んでいて、骨董商や贋作者、 大学教授から保険会社の調査員に博物館の研究員までが 入り乱れての壮大な騙し合いに発展する。 「なんて世界なんだ、まったく!」と陶子がボヤクほどにスゴイ。 どこ...続きを読むまでも追いかけてくる緊張感。 仕掛けられた『罠』を楽しんでください。
古美術ミステリーの大傑作です。 詐欺なら騙すほうが一方的に悪いが、こと古美術に関しては鑑識眼がない騙されるほうが悪い。 店舗を持たない骨董商(旗師)の冬狐堂・宇佐美陶子は、まんまと同業の骨董商に騙され贋物をつかまされるが、贋物をつかまされたという噂がたてば自らの信用に関わるので、訴えることも...続きを読むできない。 ならば自らの手で意趣返しするしかない。これが狐が仕掛けた罠だ。 相手は老舗の老親父でさながら古狸なので、狐と狸の化かし合いです。 古美術に関する蘊蓄満載で、オススメのミステリーは聞かれたら真っ先にこれをすすめて、北森ファンを増やしています。 これを面白くなかったと言った友人はいまのところひとりもいません。 絶対オススメ!
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