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Posted by ブクログ
鬼才とはこういう人のことを言うのだと思う。
ものごとの本質を見抜く眼力は素晴らしい。
そして、そのものごとが、実はどうでもいいことについてである、という点もまた素晴らしい。
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(目次)
テレビ1989~1997(もしや教育番組?の心配も消し飛ぶ林家ペーパーの存在
国民感情を全く理解しない『紅白』は滅んで当然だ
90年元旦、『いか天』が見せた本気モード ほか)
浮世1990~2001(週末テレビ視聴スケジュール1990年2月
「ナンシー関のネコのひたいで流行るモノ」新連載口上
週刊誌で花ざかり。「こいつだけは許せない!」の研究 ほか)
コンビニ・ジュース(桃ミルク
麦ミルク
おでんジュース ほか)
ナンシーの漢字一發!!
Posted by ブクログ
「ナンシー関がタレントの流行り廃りを考える」
物事の本質を見抜く、鋭い視点と愛のある毒舌が魅力だった故ナンシー関さん。その彼女が「タレントの流行(はや)り廃(すた)り」について語ると、こんな話に――。
* * *
テレビに出ているタレントは、文字通り流行り廃りに運命を委ねきっている。それでまたこの流行り廃りというもののメカニズムがわからないから厄介だ。
ただひとつ言えるのは、何を流行らせるか何を廃らせるかは、すべてテレビを見ている人=世間のちょっとした気持ちでしかないということだ。気まぐれな世間の胸三寸に、自らの存亡に関する言ってみれば決定権まで預けてしまっているのだから、テレビタレントというのもやくざな稼業である。
流行り廃りのメカニズムなんてのは解明できないに決まっているが、世間の気まぐれというものには、気まぐれと言いながらも多少のパターンがあるような気がする。たとえば、確認が事態を進行させるということである。
「流行る」という現象を考える場合、そのブームがどんどん広がるということは、それが「流行っている」ことを確認した人間の数が増えていくということだと思う。するとそこに、もともと「流行っているもの」がないのに、「へえ、○○って流行ってんだ」という確認だけを取るズルが生じる。
この情報社会でもこんな手を使うバカはいないだろうと思いきや、ちょっと形を変えただけで、原理は同じという作戦はまだまだ多く使われている。
たとえば「映画『タスマニア物語』(1990年公開)いよいよ公開! 観客殺到!!」というニュースをあたかも他のニュースと同等の報道価値があるかのようにして出してくる『タイム3』(1988~93年、フジテレビ放送のワイドショー。「TIME3」のこと)もそうだ。(中略)
それでは「廃り」に関してはどうなのか。よく「あきられたから」という理由づけがあるが、もうひとつ「嫌われたから」というのがあると思う。
いつのまにか消える「あきられた」型に比べて「嫌われた」型は、“今、この人は廃れつつある”ことがブームになるとでもいうか、衆人環境の中で廃れていくのだ。
本当に廃れきるかちょっと不安だが、松田聖子がそうだと思う。まだ人気があるじゃないかと思うかもしれないが、それは「廃れていく松田聖子」人気である。
~『お宝発掘! ナンシー関』(ナンシー関)より
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「ナンシー関の『軍事評論家は“バレるハゲ”を考えろ!』」
我々が彼女を失って、早10年。彼女の名は、ナンシー関。時を経てもなお、いや、時を経たからこそ、物事の本質を突く彼女の着眼点や言葉にハッとさせられてしまいます。ソーシャルメディアのある時代に生きていたならば、どんな140字をつぶやいたでしょうか。今回は『噂の真相』1991年4月号に掲載されたコラムをお届けします。
* * *
戦争(1990年、クウェートに侵攻したイラクに対し、アメリカなどが多国籍軍を編成して戦った湾岸戦争のこと。91年終結)を振り返る時、緑色に光る夜の空襲や原油まみれの鳥といっしょに我々は江畑謙介さん(軍事評論家。1949~2009)を思い出す。
炭鉱で酸素不足を計るために使われたカナリヤのように、江畑さんは寝不足で日に日にやつれていく自らの姿をもって戦争の激化や長期化、深刻さを我々に伝えていたのかもしれない。と、そんな江畑さんをはじめ、今回の戦争で「はじめてテレビで見る人」が大量に露出した。あきれたのは一目でカツラとわかる人があんなにもいたかという事だ(江畑さんはもちろん自毛だ)。
カツラの最終命題は「バレない」である。バレてるカツラに存在意味はない。バレた瞬間に、人はその人のカツラ無しの状態を過剰に思い描くからだ。
もうひとつ、バレたカツラは相手にプレッシャーを与える。何の力関係もないところにいきなり「頭のことに触れてはいけない」という“立場”をつくってしまう。
平和について考える、その心のほんの片隅で「バレているカツラ」ということについてもちょっと考えてみてもらえないだろうか。
~『お宝発掘! ナンシー関』(ナンシー関)より
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