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「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
2018年12月28日公開
出演:大泉洋、高畑充希、三浦春馬
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
映画を観てからこの本を読んだ。
映画やアニメを観ると、その原作を読みたくなるタイプだ。
正直、今の私に刺さるものが多かった。
映画以上に学びがあった。
医療機器や福祉サービスなど、知らなかったことが多かった。
親を遠ざけたくなる気持ちなど、共感できることも多かった。
私は、彼ほどストレートに発言したり、感情を出したりはできない。
それでも、見習うべきところが多いと思った。
私は今現在、入院中である。
呼吸器こそ必要ないが、寝たきりになってしまったし、吸引器も欠かせない。
「家に帰りたい!」と言い続け、やっと明日、家に帰れる。
「いつでも救急車で戻ってきたらいい」などと言われたが、できる限り在宅生活をしていきたい。
訪問看護と訪問医、ヘルパーさんたちにお世話になる。
訪看さんたちとは、1年以上の付き合いだが、訪問医やヘルパーさんとは初めましてだ。
私に関わる人たちはボランティアではないけど、これからみんなで、いかにして在宅生活をしていくか、試行錯誤が始まる。
鹿野さんのように、自ら行動を起こしてきた人たちのおかげで、今の福祉や制度になってきたことを知り、本当に感謝している。
まだまだ制度が足りず、苦労することも多いけど、10年前、20年前に比べれば、かなり良くなっているんだろうことがわかった。
「主張すれば与えられる。主張しなければ与えられない」
本当にそうだなと思うことが多々ある。
ダメ元で、主張してみる。
私も自立できるように、自分の人生をどうしたいか考え、行動していきたい。
Posted by ブクログ
筋ジストロフィーを患う鹿野靖明さんと、彼が亡くなるまで関わった多くの介助ボランティアの人たちとの物語である。
筋ジストロフィーは、全身の筋肉が衰えていく進行性の疾患であり、有効な治療法は見つかっていない。筋肉が衰えていくと、歩けなくなり、手が使えなくなり、呼吸に必要な筋肉が衰えて自力での呼吸が出来なくなる。鹿野さんは、自力呼吸が出来なくなり、人工呼吸器を装着している。使える筋肉は、両手の指が少し動く程度なので、日常生活で自力で出来ることはほぼない。唯一、自分で出来るのはしゃべることだけであり、しゃべることによって、自分のして欲しいことを、介助者に伝えることは出来る。
そういった状況のなかで、鹿野さんは、施設や病院ではなく、一人暮らしを選択する。勿論、自分の力では生きていくことは出来ず、24時間の介助を必要とする。その介助者の多くがボランティアなのである。24時間を3交代制で組むと、1日に必要な介助者は3人。実際には負担の大きい夜勤は2人体制を組むので、必要数は最低でも4人となる。1週間で28人。学生のボランティアが多いので、試験期間中や学校の休みの期間中は、人の手配が大変大きな課題となる。人の数だけではなく、習熟度も勿論問題となる。ある程度の知識とスキルがないと、鹿野さんの介助者にはなれない。入れ替わりの多いボランティア1人1人に、そういった知識とスキルを身につけてもらうための教育が必要であり、それは当たり前ではあるが、簡単な話ではない。
その介助の現場は一筋縄ではいかない。鹿野さんはして欲しいことを言葉で伝えるしか出来ないが、気が利く介助者かそうでないかにより、介助の質が大きく異なってくる。自分で何も出来ないからこそ、これは非常に大きなストレスとなる。また、ボランティアの介助者なしには、基本的に1日も生きられないが、介助に必要なボランティアを集めることは容易ではなく、これもストレスとなる。鹿野さんは、遠慮しない人である。ボランティアの介助のうまい下手について、歯に衣を着せずにボランティアに言う。鹿野さんもストレスを感じながら言っている訳であるが、言われたボランティアの方も、非常にストレスを感じる。せっかく善意でやって「あげているのに」と思うが、ボランティアをやっているうちに、それなしでは鹿野さんが生きられないこと、だから鹿野さんが、ある意味命がけでボランティアと接していることを理解する。理解はするが、納得は出来ない。更には生身の人間同士なので、相性の良し悪し等もある。
本書は色々な読み方の出来る本である。例えば。
鹿野さんというキャラの立った人物の物語として読める。鹿野さんの病気で、鹿野さんの症状で一人暮らしをするのは、ある意味では常識外れなことであるが、それを要求し続けることによって実現した鹿野さんの物語。
逆に、ボランティア、あるいは、介助者たちの鹿野さん介助を通しての気づきや成長の物語としても読める。
また、鹿野さんとボランティアを中心とした介助者の人間関係を描いた物語としても読める。
更には、日本の福祉制度に対しての問題提起の物語としても読むことが可能だ。
筆者の渡辺一史は、上記の全てを書いているが、何かに偏った書き方はしていない。本書はあとがきまで含めると546ページに及ぶ大部の本である。何か特定の視点に寄らず、色々な視点で、色々な物語を書いている。だから、分厚い、ボリュームの大きい物語となったのだと思う。
最近読んだノンフィクションでは、一番好きになった本だ。
Posted by ブクログ
夢中で読んでしまった。心情的には星7くらいは付けたい。
恐らくこの本の一番のポイントは’バランス’だと思う。
著者・渡辺一史 氏がこの親本を執筆された当時はまだ30代前半から半ば、福祉や医療分野にはさしたる興味や知識があった訳ではなく、「日々を切実に、ギリギリのところで生きている人に会ってみたい」(p13)という動機から取材が始まったとある。
こういった背景だったからこそ、客観的立場かつ’ごく一般的な感覚で’シカノさんやボランティアと接する事が出来たのではないだろうか。
とりわけ難病や障害、福祉を題材にとった文章や取材だと、どうしたって当事者側に寄り添った内容になるのは当然で、ただし、それが入り込み過ぎると過剰な「美談」や障害者や福祉従事者・ボランティアを「神聖視」したものになってしまい、それはそれで偏見に繋がっているという点は改めて納得。(p141、p149、p376)
そういった全てを包括していて、かつポップな印象も感じられる本書のタイトルは実に秀逸な題付けだと思う(実際に国吉氏が発言したかは怪しいらしいが…)。
惜しむらくは、もうシカノさんがいないという事。
が、「俺は死なない」という言葉通り、本作に触れた人の中にはきっと強烈に存在が刻まれる事だろう。
実写映画未視聴だが大泉洋 氏は配役ピッタリだと思う。
小山内美智子氏の著作も読んでみたい。
4刷
2021.8.27
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
2018年12月28日公開
出演:大泉洋、高畑充希、三浦春馬
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