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《ハーメルンの笛吹き男》伝説はどうして生まれたのか。十三世紀ドイツの小さな町で起こった、ある事件の背後の隠された謎を、当時のハーメルンの人々の生活を手がかりに解明していく。これまでの歴史学が触れてこなかったヨーロッパ中世社会の「差別」の問題を明らかにし、ヨーロッパ中世の人々の心的構造の核にあるものに迫る。新しい社会史を確立する契機となった記念碑的作品。
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読みやすい
ハーメルンの笛吹き男という御伽話を立体的な解釈で、当時の背景を生々しく書き出している。記録や世相から分析して検証していく流れは、まるで推理小説のようであった。
#タメになる
Posted by ブクログ
童話には私達の幼少期に不気味な恐ろしさを提供し,深く印象に残っているものがある。ハーメルンの笛吹き男もその1つで,奇妙な笛吹き男とその復讐によって連れ去られた子供達の運命に背筋が凍った懐かしさがある。本書ではこの伝承を文献史学的に検討する。最古の記録をたどり,この伝承が実際にあった出来事を原型にして...続きを読むいることを突き止める。そしてそれは時代を経るごとに,エピソードが付加されていったが,そのベールを1つずつ剥いで真実と童話が成立する過程に迫るところに面白さがある。また,童話を生み出す歴史的な背景についても十分な追求がなされる。ハーメルンの笛吹き男という伝承の成立だけでなく,その土台たる中世ヨーロッパの社会や政治的動向にも紙幅が割かれるのである。さらにはヨーロッパの歴史学の学問的な伝統,それというのはハーメルンの笛吹き男という伝承の成立に大いに関わっているのだが,についてもまた十分な考察がなされ,学史についても読者はよく理解できるようになっている。
巻末の石牟礼道子の解説「泉のような明晰」も含めて、読んだ後胸がいっぱいになる歴史書。ハーメルンの笛吹き男の伝説の解明だけでなく「学者」も伝説の型(パターン)作りに多かれ少なかれ加担しているということ、それを持ってして民衆を中心にすえた歴史学を追究するために必要なのは知に驕らない謙虚な心構えであること...続きを読むなど、力強い言葉が綴られている。
阿部謹也氏が1988年に刊行した歴史学書。 私が大学入学とすぐに教授に薦められた本の中の一冊。 グリム童話「ハーメルンと笛吹き男」は実は13世紀に実際に起こった出来事である。という歴史に興味がなくても惹きつけられる例を基に、中世ヨーロッパの社会を解き明かしていく作品。 歴史学をこれから学ぶ大学...続きを読む生や、これまで歴史学に興味がなかった社会人などにオススメ。 作者と一緒にまるで謎解きをしながら歴史を解明していくような爽快感が魅力な作品です。
歴史とともに物語を読むことで、今の自分では考えられない状況も、そよときならそうなるだろうと思わせられる。歴史とセットで物事を知ることの重要性を学ぶ。
ハーメルンの笛吹男の伝説というか、おとぎ話というか、この伝説がどうして生まれたのか、1284年6月26日にドイツのハーメルンで130人の子どもが失踪したという出来事が、歴史的事実であると確認した上で、渉猟した文献を丹念に紐解き、慎重に歩みを進めながら、ヨーロッパ中世における民衆の暮らしを浮かび上がら...続きを読むせるもの。知的好奇心を掻き立てる極めて興味深い一冊でした。
迫害、差別、そして、格差社会。 そんな時代背景が、この物語として語り継がれてきた核になっている。 いや、大半の物語がそうか? どの国や地域にも、伝説として残っている話がある。 事実が問題だと深堀りすることも当然必要だろうけど、真意という意味では、史実がどうだとかはあまり関係も意味もない気がする。 ...続きを読む そこに共通して感じるものは、何なのか? 大切なものと、どう向き合っていくのか。 一人一人に何かを芽生えさせる物語が大事ですね。 地政学とキリスト教。 ヨーロッパの歴史を知ろうとすると、この事象を通してでないと見えてこない事もある。 ハーメルンという街も、深い部分でそれが繋がっている気がした。 未来へ伝えられ、語られ、残っていく。 ミステリアスであることは、人の想像を掻き立て、考える余地を残してくれる。 もしかすると、はっきり分からないことこそ、人が活き活きと出来る大事なファクターだと感じる。 簡単に手短に、知れる、分かる、理解できる。 そこに、現代の闇が出てきているのかもしれないですね、、。 謎は解けないでもどかしい。 それが、ある意味、ベター!。笑
歴史の真相が徐々に明らかにされていく様。 ゾクゾクした。 最初はそれほど多くなかったであろう資料を集めて読み解き、真実を追求していく学者魂に敬服した。
ハーメルンの笛吹き男の伝説がどのような経緯を辿って生まれていったのかということを、歴史的な文書を渉猟しながら、何より当時の庶民の生活はいかなるものであったかという実態を踏まえつつ考察されている。 およそ研究というものはかくあるべしというお手本のような書である。
グリム童話で知られる「ハーメルンの笛吹き」の説話の真実ついて、中世ヨーロッパの社会状況や宗教、民族、風習など、様々な観点から分析し、考察していく大変興味深い一冊。 最終章のドイツの老学者の話はちょっと胸が熱くなる。
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ハーメルンの笛吹き男 ――伝説とその世界
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阿部謹也
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