日本その日その日

日本その日その日

近代に染まる寸前の日本を科学者の目が見つめていた――

菓子屋の看板、人力車、屋敷の屋根瓦、和服の装い、そして、穏やかに暮らす人々。
大森貝塚の発見で知られるモース、その鋭敏な眼差し惹きつけられたのは、明治最初期日本の何気ない日常の営みだった。
東京大学教授として滞在する2年間にのこした、膨大なスケッチと日記には、卓越した科学者ならではの観察眼と、異文化を楽しむ喜びが満ちている。

彼が日本で出喰わした愉快な経験の数と新奇さは、ジャーナリストも汗をかくほどのものだ。
人通りの町を一列縦隊で勢よく人力車を走らせると、一秒ごとに新しい光景、新しい物音、新しい香り……
明治十年代のまだ近代に出会ったばかりの列島の生活を、モースは驚きと敬意をもって見つめていた。
当時の生活文化を記録した重要資料であり、なおかつ読んで見て楽しめる明治日本見聞記。(解説・牧野陽子)


※本書の原本は1939年に創元社より刊行された抄訳本です。

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日本その日その日 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年09月12日

     大森貝塚のモース博士の日本滞在日誌。一部削除されたが、80年前の翻訳本の再発刊本とのことで、偶然入手した本ながら一気読み。明治期の日本の様子、しかも一般庶民の様子がつぶさに記されていて面白い。当時の日本人全般がいかに礼節を持ち、諍いをさける集団であったかに、筆者が驚くさまがしばし出てくる。中々ない...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年11月17日

    江戸博で「明治のこころ展」を見てきた勢いでこの本を読みました。私は昭和25年生まれですが、「明治のこころ展」に展示してある家財道具や写真にある人々の様子は、私が子供のころ(昭和30年代)にも残っていたもので、なんだかとてもなつかしかったです。高度成長期までは実は江戸~明治が残っていたのですね。
    「日...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月21日

    明治初期の外国人からみた日本の記録。記録というか日記。随所に筆者本人が描いたという挿絵があって、それもまたおもしろい。明治初期ってまだそんな時代なの?!ってところもあれば、それは今も名残あるなぁってところもあったり、そんなことある??ってことも。読み応えがある。日本人なのに知らない日本の姿。
    昔のほ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月23日

    大森貝塚発見で有名なモースの日本滞在記。基本日記形式であり、日々の記録ではあるが当時の日本についてのかなりまとまった観察(貝塚発見時のことも含まれる)が書かれている。特に庶民の生活がうかがわれることが特徴か。自身によるイラストも相まって明治初年の日本をするために良い本だと思う。外国人に対し外面をよく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年10月11日

    モースさんのどこまでも優しい視点。しかし、ここに描かれているのは本当に日本なのだろうか?
    国民全員が穏やかで開放的で礼儀正しく正直で清潔、好奇心に未知、親切。この200年で我々は何かを失ったのかもしれない。

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    Posted by ブクログ 2013年08月28日

    大森貝塚を発見したモースは明治の初めに来日。
    新鮮な驚きを持って、この民族と文化を賞賛してやまない。
    現代の暮らしとは大きく違う当時の庶民の暮らしぶりがうかがえる。

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    Posted by ブクログ 2019年08月27日

    モースは、明治10年、39歳の時に、腕足類の標本採集のために来日した。江ノ島に実験所を設けて主にシャミセンガイを採集したが、その数日後に東京帝国大学で講義することを招聘された。初代動物学・生理学教授に就任し、ダーウィンの進化論を紹介した。

    大森貝塚については、横浜に上陸して数日後、初めて東京に行っ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年12月01日

    日本の事を好きな人が書いてくれてるから、割り引いて読まなければいけないデスネ。
    良いところも悪いところもあるのが当たり前ですよ。
    良いところだけを強調されると美しい日本といっている誰かに利用されそうで怖いです。

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    Posted by ブクログ 2013年07月27日

    モースさん、明治維新間もない頃の日本人をだいぶん褒めすぎではないでしょうか。日本にやってきた外国人はたいてい肥溜めの臭いに閉口していますが、そのあたりも少ししか触れられていませんでしたね。よほど日本がお気に召されたようで。でも、もうすぐ日本は日清・日露戦争に突入するのですね。

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