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Posted by ブクログ
【作品に感じた色】
青春はどどめ色…
「下・先生と遺書」を読んでいたら、藤井風の『青春病』の歌詞がなぜか頭に浮かんできた。
その曲では、青春のことを「どどめ色(痣のような色)」と表現しているのだが、先生とKの過ごした学生時代がその色に重なってみえた。
【感想】
『こころ』という作品を知ったのは、高校の夏。
現代文の夏休みの課題で、1冊通しで読む必要があったからだ。
そしてこの本は、陰鬱な作品として、私の心に強烈な印象を残した。だが、印象がどんなに強烈であっても、作品を深く理解できたわけではなかった。
当時の私には、裏切り、三角関係、自殺といった衝撃的な出来事、つまり表面的な部分しか理解できなかったのである。
もちろん、先生とKの弱さだったり、苦しみも理解したつもりではあったが、それは国語のテストに回答するための上部だけの理解であったのだ。逆に、先生やKの行動を受け入れられず、嫌悪さえ抱いていたようにも思う。結局のところ、ちっとも理解していなかったのだ。
今になって思えばそれも仕方がないことで、何の苦労もしたことがなかった当時の私には、人間の複雑な心情を理解することは不可能だったのである。
しかし、大人になって読み返すと、10代の頃の感じ方とは全く違っていて驚いた。
以前は、嫌悪さえ抱いた先生とKの気持ち。
今は体に流れてくるように理解でき、彼らの行動を否定することもできなくなっていたのだ。
年齢を重ねて、それなりに経験を積み、たくさんの人間と接し、身にしみて世の中が複雑であると学ばないと理解できなかったことなので、読み返すことができ本当に良かったと思う。
そして、今になってやっと、夏目漱石の心理描写の素晴らしさがわかったのだ。
これほどまでに人間の二面性、善と悪を見事に描いた作品だったとは・・・
100年以上前の作品なのに、時代が変わっても人間の本質は変わらないという事実を突きつけてくる。
先生やKが感じていた孤独や不安は、現代の私達も抱えている普遍的なものなんだと実感させられる。
恐ろしいほどリアルな内容であったことに気づいた。リアルすぎて、目を逸らしたくなるような人間の「こころ」が見えてくる作品であった。
読んでいて決して晴れやかな気持ちになる作品ではないのだが、数年後にまた読み返して、自分のこころにどんな感情が生まれるか試してみたい。
【心に残った言葉】
「人間を愛し得る人、愛せずにはいられない人、それでいて自分の懐に入ろうとするものを、手をひろげて抱き締める事のできない人、これが先生であった。」(p.19)
「自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう。」(p.42)
Posted by ブクログ
学校の冬休みの課題で夏目漱石の本を読んで感想を書くという課題が出たので私は「こころ」を選びました。理由は三角関係がテーマの本ということを知ったからです。昔の文学は自分の中ではなかなか手を付けにくいイメージがあってあまり好んで読んできまんでした。でも実は自分の中で勝手なイメージを持って好き嫌いしてるだけなのかな?と思って手を付けやすそうなテーマだったので読んでみました。
登場人物たちの関係が複雑に結びついていました。時代の変化と共に人間は変わっているようにみえて実際、こころの中の本質はずっと変わらないのかなあと思いました。まだまだ理解出来なかった部分もあるので時間をおいて再読したいです。
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