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Posted by ブクログ
「小説を書きたい」と思っている人に、一番最初に読ませると良いかもしれない。
エンターテイメント小説のキャラクターや物語を分解すると……という内容なのだけれど、コレの元ネタはハリウッドの脚本術の名著『クリエイティブ脚本術』および、テキスト論的な研究の積み重ねを参考にしているのは明らかなものだと思う。つまり、神話や伝説によるエッセンスが、現代における様々なヒット作品と構造を同じくしている……という例のもの。
でも、だからといって価値がないかというと、そうでもなくて、ライトノベル作家のカテゴリーの中ではおそらく屈指の書き手である新城カズマさんが、これほど身も蓋もないことを書いたというのは、やはり意味があることだと思う。特に、後半の対談あたりは、現状のライトノベル業界の現状を明け透けに語り合っていてかなり面白い。
物語を工学的に組み上げられるということを、知っているのと知らないのとでは、天地の差くらいある問題なので、小説を書いている人間はこれで蒙を啓いたほうがいい。あとは、自分のオリジナリティらしきもので、そこそこ形になるわけだから。一方で、コレに頼り切るのも小説書きとしては、いつか限界に突き当たると思う。
Posted by ブクログ
まず述べておきたいのは、この本は「物語工学論」としては良いのだが、「キャラクターの作り方」としては非常に微妙だということだ。
社会論的、文化論的、神話論的見地からキャラクターを類型化する内容は非常に興味深いし、多く出典を引く様式は好ましい。例はやや古臭い物が多いが(新しくともエヴァ程度で、前世紀の物ばかりだ)、祖型を探る以上はこれも仕方のないところだろう。
しかし、既存のキャラを分析するならともかく、魅力的なキャラを想像するためのハウツー本としてはあまり期待できない。祖型を意識してキャラを考えることも、フローチャートに当てはめることも、決して無駄ではない。しかし、本書の中で言う表現を借りれば、「実用的」かについて疑問を覚えるのだ。
全体的に、抽象的な論じ方がされている点もハウツー本としてはマイナスではなかろうか。工学論という、大学の講義みたいなタイトルには沿っているから、副題が邪魔している印象である。
創作術としては巻末の賀東招二氏との対談の方が面白い。ただ、こちらも少々グチっぽいところが玉に瑕である。その辺も加味して星三つ半相当と判断した。
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