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Posted by ブクログ
今日何気なく妻と過ごす日常が、自分にとってはサナトリウムでの生活たるものなのだろうなとふと思う。
妻が先立てば恐らく自分も過去の追憶と生きることになるのだろうとも思った。
【心に刺さった描写 】
私達のいまの生活、ずっとあとになって思い出したらどんなに美しいだろう
「おい、来て御覧、雉子が来ているぞ」 私は恰もお前が小屋の中に居でもするかのように想像して、声を低めてそう一人ごちながら、じっと息をつめてその雉子を見守っていた。お前がうっかり足音でも立てはしまいかと、それまで気づかいながら…… その途端、どこかの小屋で、屋根の雪がどおっと谷じゅうに響きわたるような音を立てながら雪崩れ落ちた。私は思わずどきりとしながら、まるで自分の足もとからのように二羽の雉子が飛び立ってゆくのを呆気にとられて見ていた。そのとき殆ど同時に、私は自分のすぐ傍に立ったまま、お前がそういう時の癖で、何も言わずに、ただ大きく目を?りながら私をじっと見つめているのを、苦しいほどまざまざと感じた。
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