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石油や天然ガスに代わるシェールオイル・ガスの登場で、これまでの常識が当てはまらなくなる。新興国が低成長になるのはなぜか? デフレになったほうが豊かになる理由とは? 量的緩和をやめれば、日本が復活するのはなぜか。先読みで定評のある人気エコノミスト・中原圭介氏が、世界経済の動向を大胆に分析する。
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Posted by ブクログ
前半でのエネルギーコスト低下によるアメリカ経済の優位性から、中盤ではデフレでも成長できるという主張にはいるが、世に蔓延るデフレ=悪という風潮への攻撃に妙に熱が入っているように思える。 それはそれとして、内容は非常に論理的であり、まさしく筆者の見通すとおりに世の中が動いて行きそうな気もするが、この本で...続きを読む触れられていないファクターもある。例えば、エネルギーコスト低下で損をするプレイヤーがいて彼らが政策に大きな影響を持つことと、エネルギーコスト低下によって環境破壊に拍車がかかる可能性など。これらがどのように今後の展開に影響してくるのか、見極めたいと思った。
シェール革命だけでなく、2013年のキートピックである、米国の経済回復、中国の金融危機、アベノミクスの先行き動向を、データを使って丁寧に解説した良本。死後になりつつあるBRICs経済がシェール革命によってどう影響を与えるかもまとめており、今後の経済、政治全体を俯瞰するのにとても役立つ。
シェールガス・オイルの発掘方法が開発されて、アメリカが資源大国となることで、その製品ができること中東からの石油の輸入がなくなることが、中東、EU、資源大国ロシア、経済成長が見込めない中国などを絡めて世界勢力図が変わるだろうということを予想している本。 アメリカに資源があるということは、アメリカが資...続きを読む源国になることになり、その上ではアメリカの復権、それによる日本の復調なども考えられる。今までは、「化石燃料=石油(一部 天然ガス)」という考えであったが、これからは脱石油社会となりガス社会になることも考えられる。 本書ではデフレになる理由、そしてデフレが経済成長にとって悪くないことも含めて、経済的な視点から世界勢力を説明したもので、わかりやすかった。また、機会あれば、著者の本を読んでみたいと思う
ウクライナ問題や世界的なインフレを知るにつれ、「少し前の有識者の方がどんな大局観を持っているか」が気になって購入しました。 2013年発行の本ではあるものの(戦争等のイレギュラー要因を差し引けば)概ね言い得ておられます。 今後の日本や、世界を見る上で、当時がどうだったかを知っておくツールとして手に取...続きを読むるのはアリだと思いました。
株価・為替相場の変動で利益を売るのは投資ファンド、超リッチ層だけだ。年寄りの小金を守るのではなく、若者が夢を持って働ける日本にする投資こそ本分だろう!
アメリカ発のシェール革命が、日本をはじめとする世界各地の経済にどのような影響を与えるか考察した本。筆者はシェール革命によって、アメリカ経済が一早く立ち直り復活し、世界経済を牽引するであろうと主張しており、現在のところ、筆者の主張通りにメリカの一強状態で推移している。シェール革命によって、アメリカが超...続きを読む資源大国となり、安価なエネルギーコストを求めて世界の企業がアメリカに生産拠点を移している。(日本では、クラレが合成繊維のプラント、信越化学がエチレンプラントを建設するなど複数ケースあり)アメリカの安価なエネルギーコストが世界各国のエネルギーコスト(石油・LNG価格)を押し下げている。各国への影響は以下の通り。 ・日本はエネルギーコストダウンやアメリカ経済の好調が良い方向に働くであろう。ただし、石油化学など一部産業ではマイナスに働く可能性あり(輸送費を加味してもアメリカの石化製品の方がコスト競争力が高い可能性あり) ・中東やロシア・ブラジルなどの資源国は、シェール革命に伴うエネルギー価格の下落が財政悪化を招き、国民が中央政府に不満を抱く可能性あり ・インドはインフラ面が脆弱のためシェール革命がプラスに働く可能性が高い。資源安により、貿易赤字が緩和される見込み。あとは、カースト制による労務管理の難しさ・脆弱なインフラ等のハードルを乗り越え、外資を誘致できるかにかかっている。 ・中国には、アメリカを凌ぐ量のシェールガス・オイルが埋蔵されているが、地層の深さが3000~4000mとアメリカの倍近く深くに埋まっている。また、地層が複雑のため水平掘りが難しい。 本文全体を通して、筆者のアンチインフレ思想が根強く入っており、それが色濃く出ている点は少し気になった。
シェールガス革命によりエネルギー価格が下落しアメリカ製造業の国内回帰が始まっている。シェール革命の前から起こっている競争力強化のため賃下げも相俟って世界中の企業がアメリカに目を向けている。一人勝ちのアメリカが再び世界の覇王となろうとしているとのことであるが、シェールガスのデメリットについては触れられ...続きを読むてはいなかった。看過していいくらいに小さいこととも思えないのだが。
・シェールガスは、今やアメリカの天然ガス生産の3割を占める。 ・ピークオイル論では世界の原油埋蔵量は2兆バレルと考えられていたが、海底油田などが採算が合うようになると3兆バレルに上方修正された。シェールガスの埋蔵量推定は発表されていないが、西シベリアのバジェノフだけで2兆バレルあると考えられている。...続きを読む ・アメリカで生産されているシェールガスは主に国内で消費されているが、2016〜2017年には世界に供給され、価格は下落する。 ・2011年以降、アメリカ国内の需要減少を反映して、WTI原油価格が他の地域に比べて安くなっている。 ・アメリカに輸出されていたカタールの天然ガスは欧州に流れ込み、ガスの価格を押し下げている。 ・ブラジルではクレジットブームによって、家計の可処分所得の22%が借金返済に充てられている。2000年以降、エネルギーや鉱物資源の価格上昇によって資源国が利益を得てきたが、シェール革命によって価格が下落すると逆風になる。 ・中国のジニ係数は2000年に0.41に上昇し、警戒ラインに入った。大学の調査によると、2010年には0.61に達して、危険ラインを越えている。 ・李克強はかつて、中国の統計で信用できるのは電力消費量、貨物輸送量、銀行融資の3つをあげたことがある。
アメリカは世界最大の資源国となり、世界のエネルギー価格・食料価格は低下する。石油のため中東を握っておく必要はなくなり、交易相手としてアジアを重視。 エネルギーが安くなるのは、資源の少ない日本にとっては朗報。更に新たなエネルギーが開発されるかも。
この本を読んで良かったことは、いかに自分が経済のことと、自然エネルギーのことを知らないか、ということを認識させられたことだった。 正直、これらに関する基礎知識の本を読んでから、再度この本を読まないと、書かれている内容を理解できているとは言えない。(恥をさらすようだけど) しかし、こんな脳天気な結...続きを読む果になるのかなぁというのも正直感じた。 折しも、中東に詳しい人のツイートで、サウジアラビアとUAEでは、2017年には本格的に太陽光発電所が稼働するという。 ロシアが負け組になるというのもにわかには信じがたい。 経済的にはそういう傾向があるだろうが。(プーチンは政治的にはやり手だぜ。。) TPPも日本経済のためにいいというスタンスというのが、そもそも私的には気に入らない(笑)から、そういう目で見てしまうのかもしれないが。。。
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中原圭介
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