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「妖怪」じゃなくて「妖人」。
見た目は人間と同じ。人間の亜種として近年発見され、DNA検査でしかわからない。いじめや差別が増え、警察も対応の部署を新設、妖人と人間が共存する世界。毎度妖人がらみの事件で行き詰る刑事達は、洞察力の鋭い美貌の妖人・洗足伊織(せんぞくいおり)を訪ねる…。
本格的なミステリーに、魅力的な男性キャラたち、妖人設定の美味しいミックス。
千里眼、管狐(くだぎつね)、小豆洗い、座敷童、河童…等、なじみ深い妖怪の性質を持った(見た目は人間と同じ)妖人たちの物語。だが実は妖人たちよりも一番怖いのは人間のほうかもしれない。女の友情の笑顔の裏にある悪意に恐怖する事件。
あとは…座敷童の健気さに泣き、小豆洗いの可愛さに萌え、伊織の理詰め毒舌に降参し、脇坂刑事の天然っぷりに呆れ、そして女をそそのかして生きる恐ろしく色気のある悪い男・青目に恐怖してくださいませ!
文句なし隙のないお話
キャラは立ってて魅力的だし、妖怪と妖人の違いの説明や、世界観はスッと入ってくるし、伏線は綺麗に回収してるし、切なくて泣けてくるし、読後感は良いし、それでいて次が読みたくなる引きもあるしで、文句なし完璧です!
座敷童~~~!つのつののお菓子!かわいい!
Posted by ブクログ
みんみんさんのお勧め作家さん、榎田さんのシリーズ物、第一弾です。
ちゃんと予習しましたので表紙を書かれている中村さんの絵で脳内再生致しました。
みんみんさんは最初の方は少し我慢して読んでねと仰ってましたが、全然面白かったです!
まず、妖怪のDNAを持つ妖人という存在が発見され、DNA検査を強要するか否かという世界観が良いです。亜人を少しまろやかにした感じかな。
とは言え差別も横行しているのでやはり人外とのハーフは生き辛いもようです。
冒頭の水泳選手が実は河童との妖人でしたという記者会見から掴みはOK。
ホラー文庫となっていますが、どちらかと言えばミステリー要素が強く、この事件も良い意味で嫌な気持ちにさせられるので良かったのですが、ちょっと悲しい出来事もありましたので複雑です。
被害者は美意識の高い女子大生。崖の下で遺体で見つかります。監禁されガリガリに痩せさせられてはいるものの、シルクの高いキャミソールを着せてもらっていたりネイルもして貰えていたり、血糖値まで管理されていた痕跡があり、本来は殺すつもりでは無かった事が窺えます。
謎の多い事件ですが、妖人が絡んでいる可能性があるとして、警視庁の『妖人対策本部』通称『Y対』が動く事に。
中々特殊な組織なので例に漏れず他の刑事からは距離を置かれています。
何か理由があるらしくY対に所属している鱗田と、コンビを組むことになった新人の脇坂の2人が、茶道の先生でもあり妖人でもある主人公の洗足に協力を仰いで事件解決に臨む、というお話の流れです。
榎田さんはBL方面の作品を一冊しか読んだ事が無いのですがキャラクターを動かすのが本当にお上手だと再確認。
それぞれ個性があって生き生きとしています。
巧みなストーリーテリングで、前もそうだったのですが一気に引き込まれてあっという間に読み終えてしまいます。
コメディ調のやり取りをちょくちょく挟むのですが、これがうるさくないし楽しいんですよね。
その軽妙なやり取りを主に担当してくれるのが脇坂。以前から妖人に強い憧れを持っており、高級官僚の孫でエリートになれるお坊っちゃまなのに、妖怪マニアで自ら志願してY対に。
洗足にアホだと罵られても気にせずに、知識が足りないと言われてちゃんと勉強する前向きさ。
天然で漫画みたいな動きをする落ち着きのなさだけど、やる時は物怖じせずに行動する。
しかもめちゃくちゃ純粋な良い人!
洗足の元に小豆洗いの幼人のマメがいるのですが、その子と仲良くなり2人でとある会へ向かう時の台詞に感動しました。
自分は小豆をとぐしか脳がない、としょんぼりするマメに(魔界水滸伝の感想の時に私も同じような事を言ってたもんな…)
「僕の友達の中で、マメくんほど真っ直ぐな心を持った人はいません。それって凄い美徳なんですよ?」
「かっこいいとか、頭がいいとか、褒め言葉はいろいろありますけど、美徳があるなんて言われる人は滅多にいないはずです。マメくんもやっぱり特別です。」
脇坂…あなた、アホじゃない…全然アホじゃないよ!!
なんと言う素敵な励まし方…。こういうのサラッと言える人になりたい!!
シリーズ物の1巻なのでキャラクターと世界観を説明せねばならない巻だと思うのですが、特にキャラクターがもうすっかり頭に入る位にしっかり書かれています。
洗足も驚く能力の持ち主で、隠された左目が予想以上の重要性を持っていて、性格もひねくれてるけど情に厚く、主人公として申し分ないですし、マメくんは可愛いし、家礼(執事のようなもの)として洗足に仕える、管狐の妖人の夷も目立った個性はないのに存在感があるし、なによりシュッとしたイケメンだし。
そしてどうやら洗足のこれからの行末にかなり深く関わって来そうな女好きのワイルド系イケメン青目。女性を日替わり定食にする程のワイルドさ。
魔獣狩りの毒島と言い、ワイルドイケメンは皆精力的なのか。(偏見)
青目は妖人の中でも中々に曲者らしく、今回も直接手は出していないものの事件には関係していました。
これからの動きが1番気になるキャラですね。
当初、いつもの例から考えて夷が推しになるかなと思いきや、ダークホース脇坂が推しになりました。
キャラがしっかりしているシリーズは推しが出来るのも楽しみの1つですね。
さてそんな面々が追っていく女子大生殺人事件なのですが、結末が予想外なものでした。
嫌な予感はしていたのですが、こうなるとは…。
きっかけが、この後日談も含めて個人的には良く出来てるなと感心しました。
傍から見ればそんな下らない事で?と思われるかも知れませんが、確かにこの手の人にはこの言葉はタブーですね。
女性の見栄と怖い面、男性の理想に対する偏愛の恐ろしさ。こういった事もたっぷり味わえて1冊で何粒も美味しい作品でした。
私は小説の終わりが1番好きで、ここの良さで大分評価に影響するのですが、これもかなり良かったです。
チカちゃん…君は色々と反省した方が良いよ、こんな友達は絶対に欲しくない。
Posted by ブクログ
DNAの解析技術の進歩により、妖怪のDNAを持つ人間が存在することがわかった。
果たして彼らは人なのか否か?特に人間離れした能力を持つ妖人に人間は恐れを抱いている…そんな設定でのお話。
妖人絡みの事件で出馬する美貌の茶道家の妖人伊織の存在感はもとより、同居している妖人たちのキャラがとても魅力的で、このシリーズはキャラで読めそうだと思った。
かと言って、ストーリーは軽すぎず、しっかりとした読み応えがあった。
今回の話。一番たちが悪いのは、悪意のない邪気、無神経な無邪気で、それが最悪の結果を生んだんだと思った。
悪意に無自覚なことは法律で罰することもできない罪で、たちが悪い。
Posted by ブクログ
説定が興味深い、「妖人」は妖怪ではなく遺伝子上 人間と異なり、ある能力が秀でているだけで、それ以外は人間と外見も生活も変わりない。だから近年まで妖人の存在が知れなかった。。。
内容は、世界状勢が不安定な現在(2022.4)に読んだからこそ、刺さった。
「他人は何を考えているかわからない。だから 他人が怖い。他国民が怖い。他民族が怖い。言語の違い、肌の色の違い、文化の違い。それらは時に平和に交流し、多くの益を生むが 争いの元にもなる」・・・。「ぼんやりとした恐怖は差別を生む」 。(P147)
この物語は人の悪意が根幹になる物語で、悪意を持って人を害す・傷つける、、、意図的にそれをする人はもちろん怖いが、無意識的に悪意をもっていながら善人の顔した人が一番怖いのだな、と、最後の章を読んで思った。最後の最後で、人間の怖さで背筋が寒くなった。本を読んで、こんな寒さは初めて。
とても考えさせられる 物語だったが、押しつけのような矜持も、知識のひけらかしもなく、素直にすらすらと読める。
序章といった感じで、まだ全貌が明らかになっていない人物もいたり、、、続編も楽しみ。
あと、甘味がたくさん出てきて、お腹が切なくなった。
Posted by ブクログ
初対面での怒涛の言葉の刃に驚いて、結局この人なんの先生なんだろう...というところから始まった。
最初らへんは妖怪と妖人の区別の話が細かく出てきて、覚えられるかなと不安だった上、すごい怒りが伝わってきて読み切れるか不安だった。
ただ事件を追っていくうちに、ちょいちょい入ってくる誰かの気持ちのことがどんどん気になっていき、進むにつれて脇坂のことがどんどん好きになっていって、純粋に応援したい気持ちになった。
とにかくドロドロとしてて、悪の根源みたいな存在がいるが、でも完全な悪でなく、なんだかこうやってずっと人間で遊んできたんだなと思った。
終わり方はこんなに妖人の話が出てるのにヒトコワで、ちょっと怖かった。
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