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Posted by ブクログ
「美しい村」
前半は田舎の情景描写が主だが後半は専ら絵を描く少女との交流を通したものが主になる。全体的に散在してる印象。実際に起きたことをぽつぽつと書いているような。
「麦藁帽子」
夏を背景に少女に対する想いの移り変わりを描いた作品。彼女への想いにまた気づかされるシーンは印象的。二人はもう交わることはないのだろうか。昔を回顧するものが多い?
「旅の絵」
堀辰雄の神戸旅行の様子を描いている。形容しがたい鬱々とした心の沈みを感じる。その分ハイネの詩が深く感ぜられる。
「風立ちぬ」
常に漂う死の気配と、しかしその中で感じられる生の喜び。死を感じながらも、2人が共有する愛、幸福があまりにも儚くて愛しくて号泣してしまった。心理描写と共に描かれる情景描写も秀逸。素晴らしい生の物語だ。
Posted by ブクログ
ジブリ映画『風立ちぬ』公開記念読書第二弾。表題作の「風立ちぬ」を始め、「美しい村」など五編が収録されている。
「美しい村」(1933)
初夏の軽井沢に滞在した主人公の体験が綴られる。四部構成で、それぞれ順番に発表されている。作者の実体験を元にして順次書かれているので、作者の予想しなかった方向に話が進んでいった。前半では、まだ人気の少ない軽井沢の自然が丁寧に描写されている。日本の高原地帯の自然描写の美しさでは右に出る者がいない堀辰雄の才能が存分に発揮されているが、全体的に憂鬱な空気に包まれている。後半では、絵描きの少女と偶然知り合いになり、俄かに雰囲気が明るくなり始める。この少女こそ、後の「風立ちぬ」の節子のモデルになった人物。つまり、この作品は「風立ちぬ」の前日譚と言える。かの作品誕生の裏に、このような流れがあったとは何とも不思議だ。
「麦藁帽子」(1932)
作者の若かりし頃の初恋の思い出がモデルになったと思われる話。十五歳の夏休み、海辺に逗留している友人家に遊びに行った主人公が、幼馴染の少女を意識し始める。物語の最後の関東大震災で被災したシーンが印象的であるが、本書収録の他の作品では震災について触れられていないところからすると、映画の『風立ちぬ』でフィーチャーされる関東大震災のシーンは本作がモデルの可能性がある。この話、中学の頃に文章題の問題で読んだことがあることを、読んでいる途中に唐突に思い出した。
「旅の絵」(1933)
神戸を訪れ、古ぼけた外国風のホテルに滞在した主人公の短い旅行記。港町である故に、昭和の時代から多くの外国人が居住していた神戸は、異国を旅しているかのような錯覚を主人公に起こさせる。この不思議な雰囲気を主人公と共に味わいたい。どうでもいい感想だが、同じ港町である神戸と横浜は地名も結構被っていると思った。山手、元町、外国人墓地などなど。
「鳥料理」(1934)
主人公が自分の見ていた夢を思い出し、詩のように写生する。上述した「旅の絵」の内容も少し関わってくる。本書の作品の中でも一風変わった、エドガー・アラン・ポーのような幻想的な描写が特徴的。少女を葡萄酒にするって、どんな深層心理が作用してるんだろう。
「風立ちぬ」(1936)
(レビュー途中)
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