歌行燈・高野聖

歌行燈・高野聖

473円 (税込)

2pt

飛騨天生(あもう)峠、高野の旅僧は道に迷った薬売りを救おうとあとを追う。蛇や山蛭の棲む山路をやっと切りぬけて辿りついた峠の孤家(ひとつや)で、僧は匂うばかりの妖艶な美女にもてなされるが……彼女は淫心を抱いて近づく男を畜生に変えてしまう妖怪であった。幽谷に非現実境を展開する『高野聖』ほか、豊かな語彙、独特の旋律で綴る浪漫の名作『歌行燈』『女客』『国貞えがく』『売色鴨南蛮』を収める。

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歌行燈・高野聖 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    瞼(まぶた)に颯(さっ)と薄紅(うすくれない)。

    CMのコピーのような文章がさらっと出てくる。でも嫌味でなく自然。自由自在な言葉使いにノックアウトされました。天才肌の人なんでしょう。カメラのカット割を考えたかのような場面の切り替わりが印象的。

    1
    2014年08月21日

    Posted by ブクログ

    個性的な温泉の気分です。一回漬かって気持ちいいと、何度でも漬かりたくなる。
    独特の言葉遣いと節回し。これは、洋楽のウタ物を、言葉の意味だけではなくて、音やリズムでも愉しむ感覚に似ています。の、ような気がします。
    一方で。
    成程、こういう日本語の使い方は、確実に江戸時代や中世からの日本語を、現代に架け

    1
    2014年07月22日

    Posted by ブクログ

    明治期は、近代化が急速に進む中で、変わりつつある世界を肯定的に捉えるところと、否定的に捉えるところがあり、泉鏡花のこれら短編小説には、それが、女性観、恋愛観、義などのテーマとして描かれている。

    「歌行燈」では、芸に対する真摯な姿勢、義理人情、そして内面の強さがうまく描かれていて、それらは人間の美し

    0
    2020年08月10日

    Posted by ブクログ

    『歌行燈』が素晴らしい。
    解説にもある通り、映画的であり能楽的。2つのストーリーを同時展開しながら、徐々に急迫な調を帯びつつ、クライマックスに向けてストーリーを統合しながら盛り上げていく、その演出力とリズム感。
    文章自体のリズム感、というか詩的表現力(言葉遣い)も素晴らしい。
    一言でいえば、センスが

    0
    2013年11月15日

    Posted by ブクログ

    折々再読します。あらすじを知っていても読みたくなるのは、幻想世界への誘いが強烈だからでしょう。イマジネーションに身を委ねると、ひりつく暑さの中での匂い立つような淫蕩さが五感を刺激します。これぞエロチズムです。

    0
    2013年01月08日

    Posted by ブクログ

    この新潮社版収められている全ての短編がすばらしい。ことに「女客」が好き。舞台は家の2階。明治時代。お互いに我が身の不運を感じながらも生きている書生と、乳飲み子を抱えた親戚の女。火ばちで手をあぶりながら身の上話をするふたり。階下の子の泣き声にはっと現実に帰る。

    0
    2012年12月22日

    Posted by ブクログ

    さすがとしか言いようのない筆力。

    「歌行燈」は鏡花の芸能への知識の豊富さと、その知識を作品に散りばめる巧みさが際立つ一作です。
    プロットが些か複雑ですが、「草迷宮」よりはましかと。

    「高野聖」は言うまでもなく、傑作。森のシーンの迫力ある描写が個人的に好きです。謎を残したまま寸断されたように終わる

    0
    2011年04月14日

    Posted by ブクログ

    高野聖と歌行燈。
    文語体が拙者には難しかった。しかし、この唯一無二の文体は、文語体でしか表せない。読後、持っていた文庫本が少し重くなった気がした。

    0
    2023年08月21日

    Posted by ブクログ

    初めての泉鏡花、めちゃくちゃ良かったです。全体的に構成力が凄いと感じました。高野聖は語りが多層化していて、読み進めて気がついたら幻想世界に踏み込んでいます。また、歌行燈では複数ある物語が、少しずつ重なっていき、最後のシーンで一体になる構成は読み進める手が止まらなくなるほど面白いです。文語体や時代背景

    0
    2021年12月06日

    Posted by ブクログ

    以前、高野聖を読んだことがある。
    それ以外には、三尺角。
    それくらいのお付き合いしかない文豪。

    高野聖は、蛭の林や山家でのことは記憶に残っていたが…。
    こんなに本編に入るまでの語りが長かったっけ?
    まずここに驚いた。

    そう考えてみれば、どれも独特な語りのリズムを持つ。
    たらたらと雫が滴るように文

    0
    2020年07月26日

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