檸檬

檸檬

473円 (税込)

2pt

31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。

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檸檬 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月12日

    ミステリアスな雰囲気、鮮やかさ、繊細な美しさを持つ魅力的な一冊。読みながら日本の原風景が連想され穏やかな気持ちになった。

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    Posted by ブクログ 2024年01月21日

    最初は詩的な表現に「苦手かも…?」と思いましたが、読むうちに印象は変わってきました。ここまで心情をありありと、こんなふうに表現できるとは。暗い、辛い、やるせないを美化するのではなく、直視しながら生への渇望を見出せるところは、他の退廃的小説と一線を画す作品として読めました。

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    Posted by ブクログ 2023年10月14日

    純文学は、それほど得意ではないですが、この作品の魅力はよくわかりました。とにかく、自然の描写が素晴らしいです。それと相反するような、人物の内面の暗さも、妙に共感してしまいます。
    何度も読み返したくなる名作です。

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    Posted by ブクログ 2022年07月21日

    日本語の宝石箱のような本。
    読後感が、真夏にじりじりとした太陽のもと、清流に足を浸したときの喜びにも似ている。

    瑞々しい感性と語彙力に圧倒される。
    この人にかかるとこんなにも日々のちょっとした瞬間まで水彩画のごとく描かれるものなのか。

    すごく短めの短編集なので、自分の心が汚れたときの処方箋として...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月21日

    どの作品も内容は頽廃的で絶望的でありながら、陰鬱な感じを受けないのが印象的。どこがと聞かれたら明確には言い表せないものの、なぜか漂うオシャレでスタイリッシュなイメージ。檸檬爆弾の衝撃が最後まで残っていたからなのか。

    特に好きだった作品
    檸檬・路上・Kの昇天―或はKの溺死・冬の蠅・ある崖上の感情

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    Posted by ブクログ 2024年01月28日

    二回読む。梶井の作品は二回以上読むべきなのだろう。
    初回の感想は「難しい」。
    決して、日本語としては難しくない。
    何が難しいのか、考えてみた。

    日本人は英語で聞き取れない音域が多くあるという。これは言葉を耳から学ばないから。(子供、例えば帰国子女は耳から言葉を覚えるので、この音域を聞き取ることがで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月30日

    情景の表現が巧妙であり、作者の生い立ちと相まって唯一無二の感じがした。
    個人的には「冬の蠅」がオススメです。

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    Posted by ブクログ 2023年10月01日

    退廃的というのはこういうことをいうのかなあ。心身ともに苦しくて、その苦しみがあることで同時に生命の存在を強く感じる、みたいな感覚があった。100年も前なのか〜。

    【読んだ目的・理由】古典が読みたかったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆3.8
    【一番好きな表現】ーー吾々は「扇を倒にした形」だと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月19日

    もしも同じ場所に立ち、同じ景色を眺めたとしても自分と梶井基次郎とでは見えている世界がまるで違うんだろうな。

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    Posted by ブクログ 2023年09月18日

    檸檬、桜の木の下、Kの昇天、ある崖上の感情など。
    当時の肺結核が人々に与えた絶望感は凄まじいものであったと思う。
    梶井基次郎も肺結核を患ったなかでの作品であるがゆえに、死がすぐ真後ろにいるような物語が多い。
    頽廃的で陰鬱な雰囲気でありながら、ときに郷愁的で物哀しく美しい筆致で、令和風に言うとエモい。...続きを読む

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