小さき者へ・生れ出づる悩み

小さき者へ・生れ出づる悩み

小説・文芸
506円 (税込)

2pt

妻を失い、新しく芸術に生きようとする作家の覚悟と、残された小さき者たちに歴史の未来をたくそうとする父性愛にあふれたある夜の感想を綴る『小さき者へ』。“君”という語りかけで、すぐれた画才をもちながらも貧しさゆえに漁夫として生きなければならず、烈しい労働と不屈な芸術的意欲の相剋の間で逞しく生きる若者によせた限りない人間愛の書『生れ出づる悩み』の2編を収める。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    小さき者へ・生れ出づる悩み
  • タイトルID
    :
    211989
  • 電子版発売日
    :
    2013年06月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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小さき者へ・生れ出づる悩み のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    購入済み

    とても素敵な小説です。穏やかな気持ちで読み進める中で、何回か涙が出ました。
    内容が複雑なのて、もう一度読み直します。

    0
    2023年01月17日

    一木けいさんの「1ミリも後悔しない、はずがない」から読みに来ました。

    中高生の時にじっくり読みたかったな。
    生きる指標になる一冊。

    0
    2018年07月11日

    Posted by ブクログ

    ひょんなことから読んでみたんだけど正解だった。芸術について、家族についてそれぞれ作者視点から描かれている。しんみりと読んだが良かったと思う。思ってることが小説に書いてあると励まされるような気がする。そういう感じのしたいい作品だったかな。

    0
    2017年12月18日

    Posted by ブクログ

    大正時代に書かれたハナシ。
    人間愛、自然愛に溢れた2つの作品。
    私には子供がいないので想像でしか分からないが、子供がいる人には心を締め付けられる話かもしれない。小さき者へ。
    もう一つの生まれ出づる悩みの方が私にはツボ。
    絵を書く人、芸術に携わる人にはグッとくる場面がかなりあるはず。
    主人公がどうなるのか、半ば心配しながら読み進めていった。
    君と問いかけるように紡ぐ文が素敵。

    0
    2012年11月01日

    Posted by ブクログ

    [小さき者へ]親というものがどれほど子供を愛しているか痛いほど分かる本。自分のオヤジもこう思っているのかと思ったら、一晩泣けた。

    0
    2011年10月05日

    Posted by ブクログ

    子どもが生まれたので、改めて読みたくなって。
    以前は私が子どもの立場だったため、私のこれからの人生へのエールだと感じた。今は親の立場で、幼子を残して逝く無念や、子どもへの想いに共感する。
    エールを受け取る側から送る側へと立場が変わり、そうして世代が繋がっていくのだと実感する。私はもう「小さき者」ではないのだ。何となく寂しくもあり、嬉しくもある。

    行け。勇んで。小さき者よ。

    0
    2024年01月28日

    Posted by ブクログ

    この本は、私の親友の愛読書の一つであると言う理由で読み始めた。
    順番は逆に、生まれ出づる悩み、から読み始めた。

    以前、網走監獄を訪れて、そこから北海道開拓史に興味を持ち、その生活の厳しさを考えたことがあった。その時に感じた寒さ、厳しさは今のような明るく、本州からの避暑地と言ったイメージとはかけ離れた物であった。漁夫の家族として生まれた男、しかし、お金がないにも関わらず恐らくは画家としての才能を持ち合わせた男の、生まれ出づる悩み。

    昔の文章なので読みにくい。しかし、表現の美しさは私のような者にも伝わる。

    この時代ほどではないにしろ、生まれた場所によって生きる選択肢を制約されることはよくあることだ。そのことで、昔ほどではないにしろ、苦しんでいる人はいつの時代もいるものだ。

    自分の才能を、限りある人生だからと、信じ切って生きられる人がどれほどいようか。

    「この地球の上のそこここに君と同じ疑いと悩みとを持って苦しんでいる人々の上に最上の道が開けよかしと祈るものだ。

    ほんとうに地球は生きている。生きて呼吸をしている。この地球の生まんとする悩み、この地球の胸の中に隠れて生まれ出ようとするものの悩み
    それは湧き出て躍り上がる強い力の感じを以て僕を涙ぐませる。

    君よ、春が来るのだ。冬の後には春が来るのだ。

    君の上にも確かに、正しく、力強く、永久の春が微笑めよかし。僕はただそう心から祈る。」

    この世は不平等だ。どこに生まれるかは本人が決められたものではない。だからこそ、地球をも動かすようなエネルギーで、物事を動かしてほしい。そんな人々への熱いメッセージ。



    小さき者へ。

    君たちは不幸だ、と書かれていたので、不幸な家のもとに生まれた子どもたちに対する話なのかと思った。しかし、そうではなかった。

    「前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。
    行け。勇んで。小さき者よ。」

    自分の子どもたちにも同じ気持ちを持てた、と同時に親から自分へのメッセージともとれた。

    私達は、子どもを愛することから様々な学びを得る。それは見返りを求めるものではなく、その全ての気持ちが私達を豊かにするものなのだ。

    だから、「お前たちの助けなければならないものは私ではない。お前たちの若々しい力は既に下り坂に向かおうとする私などに煩わされていてはならない。
    力強く勇ましく私を振り捨てて人生に乗り出して行くがいい。」

    少子高齢化の中、家族の関係が問われることがあるが、私もこのような考えで子供と接したい。

    0
    2022年12月30日

    Posted by ブクログ

    絶望と少しの希望。
     希望の裏には常に絶望や不安の影が見える。北海道の冬の寒さと暗さを引きずっているかのような一貫した陰鬱さがあるのだ。
     冒頭に筆者は母を亡くした子供達に対して「お前たちは不幸だ」と言い切る。私はこの「不幸だ」という言葉が子どもたちではなく筆者が自分自身に向けた言葉に思えてならなかった。彼は子供のことを思っているように見えて常に自分の不幸を気にしているのではなかろうか。作品の最後には子供の背中を押すような言葉がある。ほとんど確定した自分の死を念頭に、残される子供への遺言を残しているかのようだった。

    0
    2023年06月01日

    Posted by ブクログ

    明治〜大正時代の小説家、キリスト教人道主義、白樺派の文学者であった、有島武郎の小作品。
    『小さき者へ』は妻の死後に幼い子どもたちへ書いた手紙のような短い小説。亡くなった母の想いや、恵まれた生まれ、父である武郎のさまざまな反省などを伝え、母を失い不幸ながらも愛ある生を受けた子どもたちを祝福し勇気づける小説である(天空の城ラピュタの『君をのせて』でいうところの「父さんがくれた熱い想い、母さんがくれたあの眼差し」と似たような感じの内容と思って差し支えない)。

    誰か大切な人の想いを背負うことや、世間から見れば小さな出来事を深く掘り下げ感じ入ること(有島は、人生に深入りすることと呼ぶ)は、人が生きていく指針を持ち、厳しい現実を切り拓いて(不幸ながらも勇気を持って)歩むために大切なことだと思った。

    一方で、感傷的で説教臭い小説にも感じる面がある。本書は、子どもたちに何度も「不幸な」子どもたちと呼びかけ、その不幸な状況を生み出した世界の不条理や有島自身の至らなさを悔いることから始まり、それでも愛を注いだ母の偉大さや恵まれた出自に触れ子どもたちを励まし、父親有島を踏み台として登っていって欲しいと語りかける。これはこれで子どもへの愛だと思うが、どこかに自己犠牲を美化するような色や、人生を達観した目線を感じて、有島の自分自身の観察に浅いところがあるのではないかという疑問を覚える。もっと、有島自身の立場、気持ち、子どもたちへの揺れるさまざまな想いを描いていれば、本当の有島のことをもっと知れたのに、と思う。そしてそれは本当に人間らしさを描くことになるのに、また子どもたちとの会話になるのに、と思う。

    なんとなく、白樺派ってそういうところがあるのかしら...。トルストイとかも説教くさい作品あるし。

    0
    2022年07月04日

    Posted by ブクログ

     ちょっとセンチメンタル過ぎると思ったが、静かな中にも力があり、美しい文章。大正時代の文学。この時代の文章に接するのは幸せだ。

     『小さき者へ』
     妻を病気で亡くした後、残された幼い子供たちへ語りかける手紙のようなもの。以下は、心に響いた文章の抜粋。
    抜粋1 
    私が今ここで、過ぎ去ろうとする時代を嗤い憐れんでいるように、お前たちも私の古臭い心持ちを嗤い憐れむかもしれない。わたしはお前たちのためにそうあらんことを祈っている。お前たちは遠慮なく私を踏み台にして、高い遠い所に私を乗り越えて進まなければ間違っているのだ。

    抜粋2
    お前たちが一人前に育ったとき、わたしは死んでいるかもしれない。一生懸命働いているかもしれない。老衰して物の役に立たないようになっているかもしれない。然しいずれの場合にしろ、お前たちの助けなければならないものは私ではない。お前たちの若々しい力は、下り坂に向かおうとする私などに煩わされてはならない。斃れた親を喰い尽くして力を貯える獅子の子のように、力強く勇ましく私を振り捨てて人生に乗り出して行くがいい。

     あと、抜粋はしないが、妻が自分の病気を結核だと知らされ、間もなく自分は亡くなると悟ったとき、病気を子供たちに、移さないためだけでなく、子供たちに残酷な死の姿を見せて子供たちの心に傷跡を残して、その一生を暗くすることを恐れて、子供たちに死んでも会わない決心をしたという箇所、葬式には女中を子供たちにつけて楽しく過ごされてやりたいと遺書に書いている箇所、その芯が強さが美しく、心に響いた。

    『生れ出づる悩み』
    カバー裏からのあらすじの抜粋
    “君”という語りかけで、すぐれた画才を持ちながらも貧しさ故に漁夫として生きねばならず、烈しい労働と不屈な芸術意欲の間で逞しく生きる若者によせた限りない人間愛の書

     著者はこの若者が16才くらいの時に初めて会った。突然訪ねて来て、著者に自分の絵を見せたのだ。技巧的には幼さはあるものの驚くべき才能が見られる絵を見て、著者は驚いた。だが、その少年は絵のほうに進みたいが、実家に帰って、家業の漁業を手伝わねばならない。いつか、素晴らしい絵を描いて見せにくると言い残して、その場を去る。
     何年かして、その少年から油紙に何重にも包んだスケッチブックが送られてきて、著者はその成長を喜ぶ。「一度会わないか」と手紙を書くと、その時の少年は吹雪の中、訪ねてきた、すっかり逞しくなった姿、人間的な成長の著者はあの時の少年とは別人だと初め思った。
     その木本という若者から、毎日休む間もなく、死に直面しながら、家族を支えるため漁師として働いているという話、海が荒れて漁に出られない日に、近くの山の景色などをスケッチすることに勤しんでいるという話、しかしそのことも周りからは理解されず、本来ならば漁に出られない日も、網を直すなど仕事は山ほどあり、家族にすまない気持ちがするということなどを夜通し聞いて、著者の想像も交えて、木本という若者の苦悩の日々を描いている。

    以下は、木本が天気が怪しい中、漁に出て、嵐に会い、船が転覆した中、九死に一生を得た後の抜粋

    抜粋3
     君は漁夫たちと膝を並べて、同じ握り飯を口に運びながら、心だけはまるで異邦人のように隔たってこんなことを想い出す。なんという真剣なそして険しい漁夫の生活だろう。人間というものは生きるためには、厭でも死の近くまで行かなければならないのだ。謂わば捨て身になって、こっちから死に近づいて、死の油断を見澄まして、かっぱらいのように生の一片をひったくって逃げてこなければならないのだ。

     モデルになった若者は木田金次郎という画家で、有島武郎の死後、決心して、画家となった。グーグルで調べてみると、この小説の中に描写されているのと同じような絵。北海道、岩内の木田金次郎美術館に行ってみたい。



    0
    2021年08月22日

小さき者へ・生れ出づる悩み の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    小さき者へ・生れ出づる悩み
  • タイトルID
    :
    211989
  • 電子版発売日
    :
    2013年06月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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