二十歳の原点

二十歳の原点

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけていった一女子大生の愛と死のノート。学園紛争の嵐の中で、自己を確立しようと格闘しながらも、理想を砕かれ、愛に破れ、予期せぬうちにキャンパスの孤独者となり、自ら生命を絶っていった痛切な魂の証言。明るさとニヒリズムが交錯した混沌状態の中にあふれる清冽な詩精神が、読む者の胸を打たずにはおかない。

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二十歳の原点 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    二十歳になって、周囲との関わりを求める一方で、おのれの内面を観察していく中での、希望、絶望が描かれている。心に響く。(1988年以来の再読)
    1969年頃の大学紛争に対する積極的な参加姿勢がビリビリと伝わってくる貴重な伝記でもある。

    0
    2026年06月15日

    Posted by ブクログ

    何故私は自殺をしないのだろうか。権力と闘ったところで、しょせん空しい抵抗にすぎないのではないか。何故生きていくのだろうか。生に対してどんな未練があるというのか。死ねないのだ。どうして!生きることに何の価値があるというのだ。醜い、罪な恥ずべき動物たちが互いにうごめいているこの世界!何の未練があるというのだ。愛?愛なんて信じられぬ。男と女の肉体的結合の欲望をいかにもとりつくろった言葉にすぎぬ。しかし、私はやはり自殺をしないのだ。わからぬ。死ねぬのかもしれぬ。

    0
    2026年02月21日

    Posted by ブクログ

    正直最初は読むのを諦めようかと思うくらい理解することができませんでした。詩人になりたかったようで文章が詩的ですし、そもそも学園闘争ってなんぞや?と
    しかし、高野さんの背景、そして自殺という結末を知りながら読み進めることでこれは彼女の心の叫びであると私の中で理解しました。
    アンネの日記と似ているなと思いました。いつナチスの親衛隊に捕まるか分からない。明日命がなくなるかもしれない状況下でアンネは常に前向きに日記を書き続けましたが、そんな中でも隠せない心の不安。
    高野さんのノートにも闘争への意気込みや自分が自分であるための高い志が書かれていますが、いざ現実世界に戻ると何もできない自分への絶望。そんな心の叫びであると。
    私も数年前、仕事の怪我で人生に絶望していたとき、同じように日記を付けていた時期がありました。日記の中ではどんな勇ましいこと、崇高なことも何でも言えて何でもやるぞ!という気になれるんです。けど、いざ現実世界に戻ると人間関係や自分の心の弱さで日記に書いたように行動できない自分に絶望する。そしてそのことを日記に書き、また妄想する。
    私にはそのとき心の支えになってくれた人がいましたが高野さんにはいなかった。というより高野さんはそれを愛に求めてしまった。
    そしてどんどん孤独になっていってしまったと感じました。
    高野さんがご存命ならば80歳手前くらい。自殺ではなく結婚して家族に見守られながら暖かい布団の上で臨終する。そんな世界もあったかもしれないことを考えながらこの本を読み終えました。

    0
    2026年02月05日

    Posted by ブクログ

    去年古本市でふと目に止まって購入した本。二十歳を目前にして読むべき本だった。出会えて良かった。
    特に「独りであること」について彼女は何度も思考を巡らせている。考えることは苦しい。それでも考えることをやめない、向き合うことをやめないこと、それが彼女を支えて、やがて追い詰めたのか…。学園紛争の最中、この本の時代の大学生、大学の様相は今とはあまりにも違う。彼女が綴った日記は正直で、赤裸々で、理想と現実の狭間でもがいている。読んでいるこちらも苦しく、恥ずかしく、彼女の感情の波に飲まれていった。ときおり挟まれる美しい自然の詩は、現実を離れ、心の羽を伸ばしているようだ。
    自分について、大学について、孤独について、性について、労働について…50年前の同い年の学生がここまで自分の周囲の物事を深く、内省的に考えていたことに驚き、その熱量に圧倒された。彼女の人生の最期の半年間。薄い本だけどとても重かった。

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

    もし今も彼女が生きていたら、
    普通に就職・結婚し、子どもをもうけ、
    「ウフフ、若かったわね」なんて笑うだろうか。
    死を選ばなかった、同年代の人たちのように。

    甘すぎたのか、あるいは厳しすぎたのか。
    幼稚だったのか、あるいは大人すぎたのか。

    読むたびに相反する感想を持ってしまう。
    ただ、私が二十歳の頃はここまで悩み多くなかった。

    0
    2023年04月11日

    Posted by ブクログ

    「私は慣らされる人間ではなく、創造する人間になりたい」
    「人間の存在価値は完全であることにあるのではなく、不完全でありその不完全さを克服しようとするところにあるのだ」

    これを20歳で書いてしまう高野悦子さんが恐ろしい。彼女は一人暮らしするには感受性が豊かすぎたし、まだ早すぎたのかもしれない。日記だから誰かに読ませようと書いてる訳では無いので、死が近づくほど訴えかけるようだった。

    0
    2026年08月21日

    Posted by ブクログ

    女として生まれたこと?そして大学に所属することとは?など生きていて少なからず感じる矛盾をこの本を通して、なにか自分自身で思い出すことができた。
    私も1人の大学生として、この学生運動の盛んな時期にもし学生として生きていたならば、こんな葛藤を感じていたのかと思うと非常に感慨深かった。
    高野悦子氏が素直が故に様々な周りの環境に流されていく様も考えさせられるところがあった。
    総じて、この文章力を大学3回生にして成し得たというところに圧倒された。
    若干内容は重めではあるが、あなたが大学生であるならば非常に推薦したい

    0
    2026年05月26日

    Posted by ブクログ

    誰にも助けを求められずただただ自分と向き合った最後まで自分に嘘がつけなかった
    もしも今の時代に生を受けたのなら人を信じることが出来たのでしょうか

    0
    2026年05月19日

    Posted by ブクログ

    二十歳の時に読んでいたけど感想は書いていなかったので再読。
    当時読んだ時は希死念慮や躁鬱のような筆者の心の動きに自分と重ね合わせていたが今改めて読み返すと未成年や成人したて特有の危うさや他人との関わり合いに一喜一憂する若々しさや青々しさの方が強く感じられた。
    読むタイミングによってここまで受け取り方が変わるものなんだなと驚かされた。

    0
    2026年04月21日

    Posted by ブクログ

    同じ学生として、孤独感や無力感に共感した。今は学生運動のようなかつての活気は無いが、それがなくとも理解者が居ない孤独と物理的な孤独は違う。
    詩人は短命というが、彼女は最後の最後に詩人になれたのだろうか。

    0
    2026年03月25日

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