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Posted by ブクログ
著者曰く、日本という国は死につつあるらしい。3・11、福島原発を取り上げるまでもなく、明治時代から現在までリーダー不在の日本は迷走し続けている。
そんな日本という国を、時にナチスドイツやソ連、ゴジラなどと比較しながら、新書らしからぬ軽妙な文体で描写する。述べていることはヘビーだが、短編歴史小説のような読みやすさ。
映画「ゴジラ」で、日本政府は放射能まみれのゴジラに為す術がなかった。結局、ゴジラから日本を救ったのは、身を犠牲にした一人の民間科学者だった。今の日本にはそんな科学者が登場するような国ではない。じゃあ、原子力発電所については誰が責任を?
Posted by ブクログ
これが2013年の「この国のかたち」なんだろうと思う。
今思えば大げさだが、大震災の津波の映像や原発爆発の映像をリアルタイムで見たとき、身近な社会に対して感じる自分の中の常識が吹き飛んだように感じた。
放射能を含めた震災に関するマスコミ報道やネット上の誤報やデマで社会の混沌を感じた。
身近な社会に対する不安は、それを取り巻くコミュニティーに対して同心円状に広がって行き、
最終的には国家というシステムそのものに対する不安になる。
そんなことを思い出しながら読んだ。
ゴジラのところは読み飛ばしたけど、
戦前日本の組織論的なところは未完のファシズムを読んでいたので大変素直に読むことができた。
Posted by ブクログ
「先づ労銀の引き下げを策し、労銀の引き下げの為には先づ食料品の引き下げを行なふのが順序」
日本人の国体に対する愛着というか執着は相当で、ポツダム宣言を受け入れるかどうかの判断においても、日本の国体が維持できるかどうかを気にしていた。国体とは天皇を頂点とした制度体制のことで、敗戦によって国体はついえたかというと、母が皇族ニュースを見ていたり、日本人の天皇家に対する好意を見ると、未だ国体は残ってる気がする。これは天皇が謙虚な姿を続けているからだと思う。
日本の軍人はは敗戦後の東京裁判で、空気に抗えなかったというような証言をしたそうな。戦局が日本軍に不利になった際には、ポツダム宣言を受け入れるという意思決定がなかなかできず、天皇に判断を仰いだ。空気によって開戦したけど、敗戦を受け入れるという空気はなかったようだ。最終的に、意思決定をさせてはならない天皇の判断を仰ぎ、ポツダム宣言を受け入れた。
明治期の政府は組織構造的に権力が分散しており、お互いが牽制しあうような硬直した組織だった。これは平安時代の摂関政治、江戸時代の大老のように権力が下に流れるのを防ぐためであった。日本的と言われる、みんなで意思決定するという習慣は、ずっと昔からの風潮といえる。
この権力の分散が適切な意思決定をはばんだ。国の死に方とは、非常時に迅速で適切な意思決定できない統治機構ということである。
組織同士いがみあい対立し機能しない政府において、元老という天皇の一声で生まれた超法規的な役職が調整を担っていた。権力を分散化した結果、例えば、帝国陸軍での陸軍と海軍の対立などが生まれ、平時はいいが非常時に適切な意思決定ができなかった。このような、硬直した統治機構だからこそ、暗殺による変革が頻発していたんだろう、日本も昔は暗殺が本当に多かった。
Posted by ブクログ
歴史を知ることで、色んなことが腑に落ちた。
韓国でお米を食べても日本と同じ味がするのは1920年からの「朝鮮産米増殖十五か年計画」のお陰かと思う。
しかし、裏ではたくさんの血が流されており、現代において最低限ご飯が美味しく食べられていることはとっても幸せなことだ。
冒頭から『ゴジラ』と東日本大震災〜原発問題を絡めて論じているのにもなるほどと思わされたし、
そんな前から予告されていたのに、この国では何も学んでいなかったのか……とがっくりきた。
また繰り返すか、今度こそ挽回するのか。
自分を含めた日本の人たちのこれからを見守っていきたいと思う。
バックミュージックは伊福部昭の曲で。
科学研究に携わっていた時に被曝し、戦後は
「科学よりも芸術に、産業よりも文化に、文明生活の追求よりも土俗的なものの復権に」と『ゴジラ』にもメッセージわ込めたようだ。
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