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Posted by ブクログ
帚木蓬生『三たびの海峡』と併読した。
小説としての技巧という点ではさすがに帚木に軍配が…などとても失礼なことを思いながら読み始めたが、書かれていることのあまりの切実さに何度も泣きそうになってしまった。
戦中台湾を観光した大阪の人の旅行記で、台湾の人が「東京弁を話すことには恐れ入る」と書いていたのを読んだことがあるが、それと似たことで、朝鮮からやってきた人たちが、九州で暮らし九州のことばを話していたということがある、ということに改めて気付かされた。
朝鮮から来た人たちが、徒歩の詩や茶摘みの歌を愛誦しているシーンがあったが、それは中国語読み/日本語歌だったんだろうか。
現在では、国境線が今の形になるまえの世界が忘れられている気がするが、そこで切り捨てられるものには、とてつもない悲惨と共にとてつもない豊穣さがあるのではないかと思った。
Posted by ブクログ
在日コリアンで、政治思想史家の著者が、異国の地で生きた母(オモニ)への思いを語っています。
日本と運命を共にする決意をした著者の叔父の生き方や、戦後に万日山のバラックで貧困生活を送ったこと、また、子どもの頃に「チョーセン」という言葉の響きや、祖先を祀る母の姿に恥ずかしさを覚えた自身の過去を取り上げつつ、やがて韓国を訪れることでみずからのルーツを見つめなおし、母の生き方に対する思いも変わっていった経過が、真摯に綴られています。
ただ、内容自体は著者の自伝である『在日』(集英社文庫)と重なるところが多く、少し期待外れに感じたところもありました。
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