ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
昭和45年11月25日、三島由紀夫、自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹、介錯される――。一人の作家がクーデターに失敗し自決したにすぎないあの日、何故あれほど日本全体が動揺し、以後多くの人が事件を饒舌に語り記したか。そして今なお真相と意味が静かに問われている。文壇、演劇・映画界、政界、マスコミの百数十人の事件当日の記録を丹念に拾い、時系列で再構築し、日本人の無意識なる変化をあぶり出した新しいノンフィクション。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
ファンなら読んでいて、 本書がある三島作品のトリックを導入しているのが、 よくわかることと思う。 こんなに沢山の人が事件について語っていたとは。 いやはや、著者の努力に頭が下がるばかり。
今年は没後50年。この本が出てから10 年。 今も世の中に振動を与え続けるあの事件が、今年はどう語られるのか楽しみ。
本書は三島を直接的に理解するための書ではない。三島が生きた最後の時代の雰囲気を、彼自身の死を通じて今に呼び起こす書となっている。 三島自決のニュースに直接触れたことのない世代にとって、三島は大変不思議な存在である。自衛隊基地での演説シーンが稀にテレビ流れるが、必ずといっていいほど具体的な解説はない。...続きを読む三島が大声で叫んでるな、でも聴衆から共感得てないぽいな、自衛隊決起を呼びかけるなんて極右の親玉みたいなものかな、そんな感想を持つ。一方で三島の著作を読めば、テレビで見た彼と同一人物が著したのだろうかと疑うほどの耽美的な文章が並ぶ。自分の中で矛盾する三島像をつくりあげ、いつの間にか「三島由紀夫問題」化していたし、またさせてしまっていた。でもそれは理解の努力を放棄しているだけで、我々からは想像できないほどに彼は極端に思想の純度が高かったのだろう。 本書からは三島の死について喪失感を語る者はあれど、深い共感を語る者はほとんどない。また、三島自決の報に触れた人々の思いと、三島の檄文等の温度差を見せつけられる。事実社会の空気はそのようなものであったであろうが、そこにこそ三島自決の直接的要因があるようにかんじる。戦中世代として戦前の空気とのあまりの差異に強烈な違和を感じている中で、自衛隊の「何か純粋さ」を見つけしまったことを想像する。彼にとって行動もまた肉体や服装や思想以上に美しくあらねばならず、世にはびこる欺瞞性に我慢できなかったのだろう。敗戦体験、文学、演劇、写真集、自衛隊体験、楯の会、自決と介錯、これらはきっと三島の中で逡巡しながらも一本の線でつながっている。
三島由紀夫は単なる人気作家ではなく、あの時代のスーパースターだったようです。当時80万部の平凡パンチが1967年春ミスターダンディの読者投票をした結果(11万以上の投票)は、1位が2万票近くの三島由紀夫で、2位以下が三船敏郎、伊丹十三、石原慎太郎、加山雄三、石原裕次郎、西郷輝彦、長嶋茂雄、市川染五郎...続きを読む、北王子欣也だったそうです。中川右介氏の「昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃」、2010.9発行です。文壇、演劇・映画界、政界、マスコミ百数十人の事件当日の記録をもとにしたノンフィクション
事件自体はほんの数時間の出来事だった。しかし、その事件の発生は 各界に大きな衝撃をもたらした。 日本を代表する作家であり、ノーベル文学賞受賞の可能性も取り沙汰 された三島由紀夫は自身が主催する民兵組織「盾の会」会員を引き連れ、 自衛隊市ヶ谷駐屯地を訪れた。 三島と自衛隊は近しい関係にあった。だが...続きを読む、この日の訪問は穏やかには 終わらなかった。 東部方面総監を人質に取り、自衛隊員にクーデターの決起を促す 演説を行う。三島の演説には自衛隊員からのヤジが飛ぶ。 これだけでも充分な大事件である。その後、三島は自衛隊員が彼と 一緒に立とうとしないことを確認し、切腹という方法でこの事件の幕 引きをする。 その日、昭和45年11月25日。三島由紀夫と盾の会の事件は、当時の 著名人、またその後、世に出ることになる著名人にどんな衝撃を与え、 何を残したのかを時系列で綴ったのが本書である。 膨大な資料を駆使して120人の事件の受け止め方を描いており、 この事件を検証した類書とは趣を異にしている。 今、「11月25日」といってもすぐに三島由紀夫と盾の会事件と答える ことが出来る人は少ないだろう。あの日に何が起きていたのかを 追体験するにはいい。 事件検証の資料は何冊か読んだが、結局、三島由紀夫が何を思い、 このような行動に出たのかは分からなかった。 もしかしたら、クーデターなんて当の三島自身も可能だなんて思って いなかったのではないか。あの日、東部総監室の赤い絨毯の上で 切腹し、死に至ることは彼が夢見たナルシシズムの終着点では なったのだろうか。 「三島は季節を間違えたな。桜の季節にやるべきだった」 寺山修二が「天井桟敷」のメンバーに言ったという言葉が印象的 だった。そう、何故、11月だったのだろう。桜の舞う季節だった のなら、その死はまた違った印象を残したのかもしれない。 三島さん、いや、公威さん、おもちゃの兵隊に囲まれて、あなたは 自分の理想とする死に方で死んだのですか?
死後40年に蘇る昭和45年11月25日。120人以上の、どこで、なにをしていて、どう感じたか、を時系列で再現することで「日本で一番夕刊が売れた日」を体感できます。本人の言葉とか新しい事実とか再評価とか次元の違う記述がないことで自分にとっての三島事件を考えざるを得ない構成です。一瞬で砕け散ったガラスの...続きを読む破片が当時のすべての日本人の心にそれぞれに突き刺さっているのは、そして今もチクチクさせ続けているのは、この事件が思想の事件とか制度の事件ではなくて個人の肉体の事件だったからだと思いました。首の上と下が別々になった肉体の物語を、われわれはその後、消費し続け、そしてまったく消化できずにいます。この事件は、われわれのアタマとカラダをも別々にしてしまったのかもしれません。
三島由紀夫自決から40年を記念して出版されたらしいが、三島自身の言動を描いた作品ではなく、当時の三島を知る人々や、何らかの形で三島とかかわりがあった人たちの事件に関する発言なり出版物を中心に構成されている。 そうか、三島はこんな人たちとの付き合いがあったのか!とびっくりするような場面が結構あったよ...続きを読むうに思う。
この当日の、百数十人の文壇、演劇・映画人、政界やマスコミ関係者などの記録を時系列に追いながら、三島由紀夫の自決事件の真相と意味を問うたノンフィクション。 大変面白い視点で、人々と三島との関係性のみならず、登場した多数の著名人その人たちもなかなかに興味深い。 全体を一読した後のあとがきがまた非常に...続きを読む面白く、著者が、この三島事件という彼の一世一代の「大芝居」は、1970年代であったから成り立ったもので、現代の風潮を考えれば、もし今同じことが起きてもこうは行くまいと言うのには、膝を打つ思いだった。
面白かった。 三島由紀夫が自決した「その日」に焦点を当て、三島と交友の会った人物たちの「その日」を時系列順に並べ、「その日」を再現している。 三島本人は一切出てこないが、エピソードの集積が三島の側面を点綴し描き出している。
この本では、三島事件そのものを描くのではなく、三島事件に人々(百数十人)がどう反応したかが、ほぼ事件前後の時系列で並べられている。実際彼らは興奮、驚愕、絶望、失望、感嘆、絶叫、唖然、愕然、反撥、嫌悪、嘲笑、様々な反応をした。 当時20歳で多くの三島文学を読んでいた僕は当然彼らと同じように呆然とした。...続きを読むそして多くのものが饒舌になるか沈黙した。 この日が「日本新聞紙上、最も夕刊が売れた日」だそうだ。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃
新刊情報をお知らせします。
中川右介
フォロー機能について
「幻冬舎新書」の最新刊一覧へ
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
第二次マンガ革命史 劇画と青年コミックの誕生
手塚治虫とトキワ荘
サブカル勃興史 すべては1970年代に始まった
すべては、角川映画からはじまった。
悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東
阿久悠と松本隆
アニメ大国 建国紀 1963-1973 テレビアニメを築いた先駆者たち
アニメ大国の神様たち 時代を築いたアニメ人 インタビューズ
「中川右介」のこれもおすすめ一覧へ
▲昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃 ページトップヘ