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レオナルド・ディカプリオ主演の映画公開をきっかけに初めて本作を手に取るという人もおられるでしょう。いくつも翻訳が重ねられている本作ですが、個人的には『ライ麦畑でつかまえて』の邦訳でも知られる、この野崎孝訳をおすすめします。語り手の一人称が「ぼく」であること、そして適度にしゃちほこばった文体が、いかにもお金持ちの青春小説らしくて魅力的。
目も眩むような大富豪たちの栄華の裏にある、それぞれの虚栄と慢心。それらが交錯し、最後はギャツビーもろとも、多くの人間が破滅の一途を辿ります。それでも最後、物語の語り手であり、自らも大切な知り合いを数人失ったニック・キャラウェイがこれまでの出来事を振り返り、改めて世界と向き直そうとする姿勢には、普遍的な青春のきらめきが見られることでしょう。ラスト二文が特に秀逸。
「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。」
Posted by ブクログ 2023年09月01日
98/100点
著者フィッツジェラルドのミネソタで培われた「冬の夢」、狂騒的な生への渇望と、去ってしまった夢、あるいは近すぎて手から溢れてしまったかりそめの夢。
遍くが28歳のフィッツジェラルドの骨髄から出る珠玉の文言で完成させられています。
これを傑作と呼ばずして何が傑作でしょうか。
歴史に残る...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月28日
大学時代、米文学史の授業で習ったのがきっかけ。その後じわじわと再読する度好きになっていく。授業中に観た映画の(ディカプリオ主演ではない)目の看板がとても印象的で、再読の度に映像が蘇る。
パーティーに来ていた人達は享楽的に集まっていただけとはいえ、誰一人として葬儀に出席しなかったのは恨みでも買って...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月12日
学生時代に初めて読んだ時は全く良さが分からず途中で挫折したんですが、社会に出てしばらくしてから読んだらまぁ、どハマりまして。解説本とかまで読みました。訳は村上春樹よりこの野崎孝訳が私は好きです。
初読では冗長に感じた比喩比喩比喩のオンパレードも、経験を積んで想像力にも幅が出たのか、再読時は、なんと豊...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月05日
言葉の扱いが魅力的だと思った人の愛読書だと知り購入
今まで海外文学はシェイクスピアしか読み切れたことがなく、他の小説は読む度に挫折していたが、時間をかけてでも読み切れた。モチベーションが違ったのだろう。
読む前は翻訳独特な言葉選びを期待していたが、読み始めるとドンドンその世界に魅せられて、言葉選びの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月08日
英語読めないからダメだけど
きっと流れるように美しい文書で
書かれてるんじゃないかなと思った
当時のアメリカの世相の知識とか
そういうものがあれば
もっとイメージしやすかったかもしれない
海外の作品はそういう意味でも難しい
主人公の立ち位置や雰囲気が
村上春樹の小説に出てくるタイプに
似てる気がする...続きを読む
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