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戦後六十年の間、太平洋戦争は様々に語られ、記されてきた。だが、本当にその全体像を明確に捉えたものがあったといえるだろうか――。旧日本軍の構造から説き起こし、どうして戦争を始めなければならなかったのか、引き起こした“真の黒幕”とは誰だったのか、なぜ無謀な戦いを続けざるをえなかったのか、その実態を炙り出す。単純な善悪二元論を排し、「あの戦争」を歴史の中に位置づける唯一無二の試み。
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Posted by ブクログ
太平洋戦争における、日本国内の混沌がよく理解できる。 日本という国の体質が、ありありと描かれている。 理念もなく、戦略もなく、戦術だけを考える。戦術も場当たり的で、最終的には精神力だけで乗り切ろうとする。 国際政治には、3つのPが重要と言われる。Philosophy(哲学)、Paradime(物...続きを読むの見方)、Policyである。戦後日本の政治は、Policy専攻で、アメリカの言いなりになってきた。哲学もパラダイムもないから、一貫した戦略を取れない。 しかし、この本を読んで、元々日本人には、日本にはそういう体質があったのかもしれないと気付かされた。 また、天皇親政による過剰な右への傾倒は、こうした奢りや暴走を招くものなんだなぁ、、としみじみ。
第一章 旧日本軍のメカニズム 第二章 開戦に至るまでのターニングポイント 第三章 快進撃から泥沼へ 第四章 敗戦へー「負け方」の研究 第五章 八月十五日は「終戦記念日」ではないー戦後の日本 旧日本軍の組織の様子や、どのように戦争に向かっていったか、また戦争が進行し、敗北を重ねた軍部がいかに戦果を取...続きを読むり繕ったか、よく分かる一冊。 対局的な目線も持ちつつ、印象としてはその時その時の人物の行動や発言を取り上げているので、より鮮やかに当時の様子が伝わってくる。 例えば、「日本のマッカーサー」とあだ名されたという堀栄三という人物について。 陸軍参謀本部の情報部に所属しており、アメリカ軍が次にどこを攻めてくるかを、ことごとく当てたという。 傍受したアメリカの放送から情報を重ね合わせ、推測することができた。 しかし、「でも、確実だとわかっている情報でも、作戦部では見向きもしてくれませんでした。彼らは自分の頭の中にある考えだけが全てであり、たとえ私の持っていった情報が正しくても相手にしませんでしたね。」 こういう人物の姿を通して見ると、軍部がもう頭が固まり切って、自分たちの都合のいいような作戦ばかりを立てていたのもうなづけると思う。 また、著者は独自に、戦争を経験した人から体験を聞き取り、それを随所に挟んであるので、説得力が格段である。 「「絶対国防圏」などというと聞こえはいいが、実際は、大本営作戦部の参謀たちが地図上を眺め、なんの根拠もなく延びきっている日本の制圧地域に線を引いただけのものである。戦後、私が話を聞いた参謀たちも「あれは単なる"作文"にすぎなかった」と述懐していたほどだ。」 まるで軍部が立てる作戦など自慰行為にすぎないことがよくわかる。 戦争に至るまで、戦中、戦後のことは当然とても複雑で、「誰が悪い」「これさえなければ」と一言で片付けられるものではない。 陸軍、海軍、政府、天皇、国内世論、… しかし、「これが悪かった」「ここは良かったけどここはダメだった」「こんな仕組みがあれば良かった」 と、冷静に反省しないと、その当時の失敗をまた繰り返すことになると思う。戦争を知る世代が少なくなった今、なおさらである。 当時の日本を美化する人々、誰か一人に責任をなすりつけて、手打ちにしようとする人々に読んでほしい本である。
太平洋戦争の全体像について知ることができる書。日本軍の組織構造はどうなっていたのか、どのような流れで開戦し敗戦へと向かっていったのかが簡潔にわかりやすくまとめられている。
2005年に出版された本書。今回手に取ったのは2023年3月30日の第46刷である。 ここには読み継がれるべき日本人についての問題が記されている。
どう言う経緯で第二次世界大戦が勃発して。 どういうことが起こって破滅に向かっていくかが事細かく記載されており勉強になった
太平洋戦争のアウトラインを掴むには最適な1冊だと思います。特に筆者が主張する8月15日が終戦記念日とされていることへの強い疑問は、本当に考えるべきことだと思います。
学校の授業は、縄文時代とか弥生時代なんかよりも、まず近現代史から遡っていったほうがいいんじゃないかと思う。
結局のところ、今の日本が抱える問題は、「臭いものには蓋」精神であの戦争から目を逸らし続け、十分な総括と教訓化をしてこなかったツケ、なのだろうな。いじましい自己憐憫は当事者たちにとっちゃ気持ちいいだろうが、後世を生きる人間には迷惑なだけだ。
改めて、太平洋戦争を学びなおす。戦争を始めて導いたのは、海軍のほうであったという視点に納得させられました。右傾化する日本を想定して、日本人の陥りやすい陥穽をとらえなおしておかなければならないと思います。
前掲とほぼ同名の新書だが、こちらは刊行が20年前に遡る。著者の世代も二世代ほど差があり、それは戦争を対象化する視線に現れる。本書では戦争をどう語るかよりも、やはり直接的に「何のための戦争だったのか」を(その説明の不在も含めて)検証するオーソドックスな構成となっていて、「大人のための歴史教科書」という...続きを読む副題に沿う作りである。 しかし一方で気になる点もいくつかある。冒頭の広島原爆碑の文言に主語がないとする批判は、今日では右派の戦後民主主義批判の定番であるが、本書の内容はあくまで戦前から終戦までであり、戦後の日米関係も含めた射程は見られず、言いっ放しのように感じてしまう。 海軍悪玉論の根拠とされる「石油備蓄量の隠蔽」は、では実際にはどれ程確保できていたかという答え合せがない。史実としては末期には松の根から油を取らねばならぬほど石油が不足したわけで、これを持って海軍が開戦を促したと結論するのは厳しい。
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あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
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