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下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮らしてはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。
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Posted by ブクログ
始めて藤沢周平さんの作品を読みました。 どれも勧善懲悪で読んでいて気持ちが良いものでした。 特にそれぞれの短編ごとの作品名が好きです。音の響きが良いです。「たそがれ清兵衛」や「ごますり甚内」、「日和見与次郎」など、このように呼ばれている主人公たちが物語の中でどのように活躍するのか、読む前からわくわく...続きを読むしました。個人的に「うらなり与右衛門」と「ど忘れ万六」の終わり方がくすりと笑えて好きです。
表題作は以前映画にもなった、有名な短編集。 それぞれに腕に覚えはあるものの、剣豪などではなく、ひとかどの剣客と一目置かれているわけでもなく、小藩の下級武士として平凡な日々を送る主人公たち。すでに若くもなく、生活に追われ、修行からも遠ざかっていたはずの彼らが、それぞれよんどころない事情により、心な...続きを読むらずも再び剣を握る。 刃一閃。そしてまた日常にかえっていく男たち。彼らがヒーローであり続けないことが、何より心に残る。
剣以外に特徴のある剣豪が、剣で問題を解決していく、短編。 とりあえず、一話に一人は斬られる…。そのストーリー展開に慣れるまで、数話かかりました。 江戸時代って、そういうものなんでしょう。 慣れてくると、興味深く読めました。 私が好きなのは、 ど忘れ万六。定年後のおじさんが頑張る話。 だんまり弥助。普...続きを読む段無口な男が理路整然と話して、周りを黙らせる、というのは、なんかカッコいい。
登場人物ひとり一人が、なんとも味のある短編集。 普通の人の生を一コマ覗かせてもらう。 そんな感じがしました。
江戸時代の名もない剣士の物語が集められた短編集です。 しかも、8人の剣士とも華々しい生活というよりも、ちょっと日陰な境遇の人達。ひっそりと生きる男たち。 自分の力を誇ることなく、ひけらかすことなく、おごることなく生きるその姿こそ、まさに「卑怯」という言葉を一番に嫌う「武士道」そのもののように見え...続きを読むました。 華美でなく、誇張しない文章からも、淡々とひたむきに生きた男たちの背中が見えてくるような気がしました。
一昨年くらいに映画化され、ずいぶん話題になっていたのでためしに読んでみた。 地方藩士の姿をうつした短編が8編入っている。 あまり裕福でもなく、容貌も性格も地味だが筋の通った生き方をしている普通の人々の話だ。 表題となった短編も、病気の妻を療養に出すため藩の政変で働く事になった「たそがれ清兵衛...続きを読む」と呼ばれる侍の話。 彼らは静かに決まった仕事をこなし、仕事が終われば朋輩と飲みに行ったりする。藩とか侍というのは今でいう大企業と社員みたいなもんなのかなぁ、などと思う。 かなり短いので、これで映画ができるのかと不思議に思ったけど、どうやらこの本の3つの短編が合わさって1本の映画になったようだ。そちらも気になるので、そのうち見てみたい。
藤沢周平の2冊目、やはり超娯楽作品で楽しめました。 どの話も愛すべきキャラクターの設定で、しみじみ佳かったですが、私は最後の「祝い人助八」のラストシーンにグッときました。 でも(どの話も)結局は「剣の力」で解決なんですよね。(時代劇だから仕方ないのかもしれないですが) 「剣」の無い私は何で勝...続きを読む負できるかなぁ。 勝負しなくても(勝てなくても)良いかぁ。命を取られることはないしね。 【追記】 調べてみたら映画「たそがれ清兵衛」では、「祝い人助八」のエピソードも組み込まれているらしいです。映画を見た方おられるかな? 見ようか、見ない方が良いか迷っています。
青山文平は藤沢周平に作風が似ている、との何かの記載をきっかけに。なげやり私、に最近なっているので、昔から人の悩みはあるよね、的なことを感じたくて手にとったのですが、体は鍛えておくべき、な内容であったので、自身の来し方を思うと、もうとりかえしがつかず。たそがれました。
一見、風采の上がらない貧乏武士や嫁に冷遇される隠居。 しかしその剣の冴えたるや… 剣技をひけらかすことなく、淡々と剣を振るう姿がまた粋である。
映画に感動したので原作が読みたくなりました。その様な人他にもいると思うのですが、”あり?”と思いませんでしたか?表題作は映画と比べて随分とあっけ ないのです。他の短編のエピソードも併せて映画化している様ですが、あの感動作にまとめ上げた脚本・監督はすごいな、と思ってしまいました。
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