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大正の初め、関門海峡で、「海賊」と呼ばれる男がいた。「海に下関とか門司とかの線でも引いてあるのか」と言い放ち、燃料油を売りまくった。数年後、男は満州に乗り込み、メジャー石油会社と闘い、潤滑油納入を勝ち取る。そして英国がイランと国交断絶し、ペルシャ湾に英国海軍が待ち受ける中、大海へと乗り出した。戦後日本人が意気消沈する中、米英を欺き、国家官僚に逆らい日章丸をイランに派遣した出光。海賊といわれた男の半生を活写し、その熱き言葉を披瀝する。「イラン石油に輸入は堂々天下の公道を闊歩するもので、天下に何ひとつはばかることもない。ただ敗戦の傷の癒えぬ日本は正義の主張さえ遠慮がちであるが、いま言った理由から、日本国民として俯仰天地に愧じざることを誓うものである」。出光は乗組員に堂々と胸を張れと励ました。財務諸表よりも社員を大切にした勝負師の半生を活写し、その熱き言葉を披瀝する。
...続きを読むPosted by ブクログ 2018年07月07日
百田尚樹の海賊とよばれた男で出光佐三を知った。シンプルにカッコ良いと思い、もっと知りたいと思って手に取った本。その期待は全く裏切られない。何故カッコ良いのか。自らの私利私欲よりも、成し遂げようとする大義に生きる姿勢、強者に巻かれない強さがあるからだ。その実力と徹底した姿勢が人を惹きつける。読めば読む...続きを読む
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