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Posted by ブクログ
[並走から、追い抜きへ]企業が莫大な利益を得る中で、雇用者数の改善が一向に見られない状況に目をつけた著者は、経済と技術の相関に目をつける。そして、雇用者数の改善が見られない理由を、技術のあまりにも急速すぎる発展にあるとし、多くの労働が機械にとって代えられるという事態が既に起こりつつあることに気づく......。ディストピアのような話が現実に生じていることを鋭く指摘した警句の書です。著者は、米国のマサチューセッツ工科大学に務めるエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィー。訳者は、経済関係の著書の翻訳に定評のある村井章子。原題は、「Race against the Machine」。
機械が人間の労働にとって代わる事態が起きているという指摘に、「ホントかよ?」と疑問符つきで読み始めたのですが、読み進めていくうちに「ホントかよ!」と驚かされずにはいられませんでした。実証的なデータを示していますので、極端ながらも説得力のある帰結に読者は真剣にならざるを得なくなるはず。大著ではありませんが、その分研ぎすまされているようで、惹き付けられるものがありました。
その一方で、著者の二人があくまでテクノロジーは良いものであるという立場を崩していない点が印象的。大胆に途方もない現実を突きつけておきながら、その現実を凛々しく越えていこうとする研究者の態度に、知的な強さを感じることもできた作品でした。
〜言い換えれば、多くの労働者がテクノロジーとの競争に負けているのである。〜
将来のことはよくわかりませんが☆5つ
Posted by ブクログ
産業革命が進展していた頃、機械に職を奪われるという危機感を頂いた労働者が織物機を破壊した事件(ラッダイト運動)については歴史の授業で習ったが、いまやICTが職を代替する時代になっているということを各種分析を根拠に解説している。「平均的な人間の大多数が従事している仕事については機械がこなせるようになるだろう。そしてその人達は新たな職を見つけることはできまい」「この時代は大不況でも大停滞でもない。大再構築である」
一方、機械ができない仕事は、クリエイティブな仕事とプロフェッショナルな仕事。起業家が作り出す新たな付加価値によって新たな雇用が生まれるということであり、そのための教育や制度作りを一層加速するべきという主張。これが米国の学者の書籍であることに驚く。米国に於けるこういう仕組みは最先端と思っていたがその米国でさえ危機感を頂いている。いわんや日本においておや・・・。
Posted by ブクログ
「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、
人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。
テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。
1.この本をひと言でまとめると
「機械との競争」に人は負けている。機械を味方につけよ。
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101)
→ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵のことはわかるからかも。
・ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127)
→働き方について従来の考え方を見直さないといけない。
・著者からの提言(p131)
→基本的には「小さな政府」のような考え方で、納得できる。
3.突っ込みどころ
・「解説」で指摘していたが、著者が具体的な対応策として述べていることが「アメリカでは十分やっているではないか」という指摘はその通りだと思う。
・5章の「人類も世界もデジタルフロンティアでゆたかになると私たちは確信している」はあまりにも楽観すぎないか。楽観の根拠も抽象的。
・看護師を肉体労働者と分類するのはちょっとちがうのでは?
・技術の進化が指数関数的としているが、そこまで急激といえる根拠がわからなかった。
4.自分語り
・本が硬くて読みにくかった。
・極論を言えば、人間にしか出来ない仕事(肉体労働)をするか、新しい仕事を創出するしかない
Posted by ブクログ
テクノロジーは雇用を破壊する。
コンピューターは雇用に影響を与えず、近年低迷しているのではないか、と言われていたが、むしろ逆だ。発展が早すぎて人類が進化に追いつけていない。
コンピューターの発展は雇用体系を大きく変え、失業を起こしている。
労働力を節約する手段が、その労働力の新たな活用先を見つけるペースを上回ることで、失業率が高くなっている。
技術の発展の恩恵は存在がするが、誰もが技術の恩恵にあずかれるという保証はどこにもない。むしろ大半の人が恩恵を得られるかどうかという法則すら存在しない。
現にアメリカの平均賃金に変化はなくとも、中央値は下がっている。テクノロジーの発展により格差が広がり、富めるものは富み、貧しきものはより貧しくなる。
富めるものと貧しきものの差は何かが言及されている。
・スキルの高い労働者 ↔︎ スキルの低い労働者
これからの時代を生きぬくにはSTEAM ( Science , Technology , Engineering, Art , Mathematics )らしい。
仕事を奪われると嘆く人は、コンピューターにもできる仕事しかしていない。
・スーパースター ↔︎ 一般人
コンピューターの発展により誰でも世界に発信できることや、様々なもののコピー可能なことが大きな影響を与えている。
現在 ( 2007) の アメリカの0.01%の人間が、アメリカの6%の資産を持っている。
・投資家 ↔︎ 労働者
労働者は機械に変わるが、投資家は変わらない。投資家は労働者の賃金ではなく機械に投資するようになる。
これから我々はどうするべきか、筆者は提案している
・教育
1.とりあえず先生の報酬を増やし、よりよい人材にとって訴求力の高いものとす2.る。
2.教師の終身在職権を剥奪し、裁量制とする。
3.学生の指導と、試験・資格認定を切り離す。学校は学生の募集や評判や社会的地位向上を考えるのでなく、教育を重視するべき。
4.義務教育の時間を増やす。(そして経営学やプログラミングなどを学ぶ)
5.スキルを持つ移民の積極的な受け入れ行う。
・企業家精神
6.全ての高等機関で企業と経営の基礎を教え、起業家層を育成する
7.起業家ビザを作り、企業家精神の発展に努める
8.起業の手間を簡略化。意見交換の場も揃える。
投資
9.通信、輸送インフラの強化に投資する(アメリカはインフラが弱いらしい)
10.基礎研究や、政府の重要な研究機関への予算を増やし、無形資産や組織改革を新たな研究対象に設置する。
法規制
11.労働市場の流動性を保つ。解雇が処罰されるとなれば、企業にとっては雇うことがリスクになる。
12.技術の導入より人間の雇用の方が相対的な魅力になるような状況を作り出す(これは雇用の観点なので、僕としては懐疑的である)
13.福利厚生と企業を切り離し、市場の流動性を高める。医療保険やその他の福利厚生が雇用に義務付けられていると、転職や起業がしづらくなる。企業を考えていても、医療保険がなくなるかと思うと踏み切れないように。
14.新しいネットワークの規制はゆっくり行う。実験段階の、とりわけ新しいプラットフォーム作りに関しては、最大限試行錯誤や実験ができるようにするべき。
16.金融サービスに対して供給されている補助金を削減する。「金融機関が大きすぎて潰せない」と政府に存続を保障されることで、金融サービスに多くの優秀な人材とテクノロジーが吸われてしまう。
17.特許制度を改革し、審査官を増やす。
18.著作権の保護期間は伸ばすべきではない。新しいアイディアは既存のアイディアの掛け合わせで生まれるから。
日本はアメリカを目指してすらいないが
日本より教育が進んでるとされているアメリカでも、教育に関して問われているのだ。今こそ改革の時、ということなのだろう。
Posted by ブクログ
『とくに注目すべきは、従来人間にしかできないとされてきた知的な仕事をデジタル技術がこなし始めたことである。
汎用コンピューターは、労働人口のうち情報処理的な仕事に携わる60%に直接的影響をおよぼすだけでなく、残りの40%も次第に侵食しつつある。
チェス盤の残り半分を進むにつれて、テクノロジーのパワーは倍々ゲームで強化され、その用途は飛躍的に拡大し、職業や雇用に影響を与えずにはおかない。
したがって、スキルの面でも、社会制度や産業の面でも、遅れを取り戻すべく努力しなければならない。さもないと、この先もっと多くの労働者がテクノロジー失業に直面することになるだろう。』
簡潔で分かりやすい問題提起的な作品。
我々としては、機械で出来ることは最大限機械で行って、機械では出来ない部分をいかに強みとして人間に働いてもらうのかを真剣に考えることが大事なんだろうなぁ〜。
』
Posted by ブクログ
MIT教授らによる、IT革命がもたらした"影"の部分、すなわち雇用喪失や格差拡大といった、社会に対する「負の影響」のマクロ経済的な分析と、それらの課題に対する提言をまとめた一冊。
過去の産業革命では、蒸気機関等の革命的技術が衰退産業を上回る規模の雇用を創出したため、失業が社会問題化することはなかったが、「ムーアの法則」に象徴される今日の技術革新スピードは速すぎて人や組織が着いていけず、「雇用喪失>雇用創出」の状態に陥っており、格差を助長する要因にもなっているという。
この状況を打開するには「技術を味方につける」ための組織革新や人的投資が不可欠であるとして、「新たな組み合わせによるイノベーション」を、足し算ではなく"かけ算"で行うことができる組織・人材開発の必要性を主張する後半は「フリー」以降の文脈にも通じており、「ITによって仕事が奪われる」という危機感を逆に原動力にして、前向きに未来を切り開こうという"楽観論"は納得感が高い。
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ビジネス・実用
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