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正岡子規は、死ぬ直前まで食べ、排泄し続けた。村上春樹は、食事を作ることで、新しい小説世界を生み出した。谷崎潤一郎は、戦中闇市で警察に目をつけられるほど食べている、だからこそ性愛や心情を、見事な食べ物に置き換えて小説にすることができた。食べること、生きること、書くこと、その欲望は果てしなく、恐ろしい。食べ物を描いた小説と作家の生き方を軸に、私たちの生きる意味を考える、楽しく美味しい文学史エッセイ。
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Posted by ブクログ
食べ物と文学の相性に関してはその良さは折り紙付きである。 食卓を囲むシーンに家族愛を投影し、男女間の愛情を示すにも、 食事が重要なファクターになることは誰にとってもナットクの落としどころである。 この本には食堂かたつむりから始まって先生の鞄、川端作品、かもめ食堂など、 とにかく読むだけでお腹が減...続きを読むるような作品がてんこもり。 何が一番素晴らしいかというと、筆者の正直さ。 驚くほどに筆者の腰が低く、自分が江國作品を好きでなかったこと、どのタイミングでそれが修正されたのかなど丁寧に語られ、意外とこれが邪魔をせずに筆者と読者の壁を崩す。 まるで誰かのおしゃべりを聞いているように楽に読み込めた。 どう食べ物が使われているか、以上に、ひとつひとつの作品についての筆者の意見が書かれているので、文学作品の指南書のスターターとしてもいいかもしれない。 ただちょっと不満だったのは、ピックアップされている作品が非常に狭く、種類も少ないのでもう少しテーマを絞って踏み込むなり、広く数を紹介してもらうなりの方が役には立った気がする。 ちなみに英語、たぶんアメリカ?の言い回しで、 相性の良さをチョコレートとピーナッツバターのケッコン、という表現もある。 日本人にはウエっ、という人もいるとは思うけど。
20130607 料理と小説の関係。あまり意識した事が無かったので新鮮な感じだった。読んで無い本も読んだ本もまたまた読んで見たくなった。
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平野芳信
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