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Posted by ブクログ
山本周五郎氏は有名だし、母も好きな作家だし、家にも何冊か本があったのにもかかわらず今まできちんと読んだ覚えのない作家さんでした。この間読んだ本に浦安市のことが書かれていて青べか物語にも触れていたので、ふと読んでみようと思い立ちました。
面白いけれどどこか物悲しい。さみしいお話なんだけれどもどこか滑稽。土地に根付く人とそこにやって来た異郷の人との見えるようで見えない、見えないようでしっかりと存在する境界線のような物を感じました。同じ国で同じ言葉を話していても異郷と言うのはこんなにもさびしいものなのか。文化や常識はこれほど違うものなのか。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
そんな詩を思い出しました。
(そして作者を覚えてなかったので検索してみたら室生犀星だそうで。一発で出てきました。便利な世の中になったなあ)
Posted by ブクログ
これはなかなか味わい深い物語である。
しかし、著者の他の作品と同様な「小説」を期待すると肩すかしを食らうかもしれない。
大正末期~昭和初期が時代背景と思われるが浦安近辺の漁師町に数年滞在した「私」の日記のような物語で、当初その「私」は当然、山本周五郎その人であろうと読み進めるのだが、そうではないらしい事が少しずつわかってくる。
この変の微妙な読者の心理変化が独特な感覚を味あわせてくれる。
昭和初期なんて、もちろん私自身は知らない。
しかし、その頃の郷愁やノスタルジーはなんとなくわかる。
今、三丁目のなんとかとか昭和三十年代がもてはやされているけど、いつの時代でも昔を懐かしむ事は繰り返されていたんじゃないだろうか。
この「青ベか物語」も、「私」が感じた当時の町の住人たちの生活ぶりを書き綴ることによって、読者それぞれが持つ郷愁を味あわせてくれるという独自の小説に仕立てられている。
ちょっと難しいのですが、私のような年寄りには凄く楽しめる本でした。
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