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Posted by ブクログ
1984年第90回芥川賞受賞作(タイトル)を含む3話収録の作品。
滅多に日本の小説を読むことのない私。今回は先日まで読んでいた信田さよ子氏の『母が重くてたまらない』に紹介されていたので読んでみました。
内容には触れませんが…
対象的とも思える2人の少女の間の心の動きを描写するようなこの作品。
美しく繊細な筆で描かれる風景が想像力を刺激し高めてくれる。感情より感性を刺激する筆致が眼前に繰り広げられる光景を想起させると同時に少女の心の内を映し出す。
…大人っぽい方の少女の胸の大きさに拘る理由は不明ですけど(数えたら4回も?)^^;…
一回読み終えて、再度ページをめくると再び以前の光景と共に新たな風景が立ち上がってくる。
そんな小説でした。
Posted by ブクログ
道徳的な問題が善悪の判断とすれば、表題作含む三作はどれも決定不能なものに対する主体的な判断があり、倫理的次元における少女の葛藤が、若者の青春という親しみやすさ、または俗っぽさとは一線を引いて語られ、そのエモーショナルな雰囲気に誘惑されていると、どっちつかずのような問題ではない、その判断で幸か不幸が待ち受けているのではないような、その判断を自らの手で引き受けるしかないような状況が訪れるため、
インフルかコロナか分からないが体調悪いため手っ取り早く読めるものをと思って開くようなものではなかった。こう書くと堅苦しい話かと思われるかもしれないが、特に二作目の「揺れる髪」にあるような母娘の可愛らしいすれ違いなど懐かく感じる話もあるのでとても良い。
Posted by ブクログ
初・高樹のぶ子。読んでもいないのに私の中で「女性向けの作家」という思い込みがあって手を出していませんでした。
芥川賞作品を受賞した表題作の他に「揺れる髪」「春まだ浅く」の2編。
「光抱く友よ」は良いですね。
大学教授のひとり娘である主人公・涼子とアルコール依存症の母親を抱え、水商売のかたわらに高校に通う松尾の友情物語。二人のキャラも、物語の流れも良くて、芥川賞らしい凝った見事な文体がむしろ邪魔になるほど。特に松尾は魅力的で、映画化すれば良いように思いますが(かつてTVドラマ化された様です)が、40年前の作品だからもうネタとしては古いかな。
母と小学生の娘を描いた「揺れる髪」も良い短編でしたが「春まだ浅く」はちょっと期待外れ。思想を全て登場人物に語らせるような(情景や行動ではなく)手法で読み疲れてしまいました。
全体としての感想は、やっぱり「女性向けの作家」なのかな。
Posted by ブクログ
外見的には取り立ててとりえがないけど、知性があってかつ温厚な父親と家庭的な母親に包まれて幸福に暮らす主人公。
彼女の同級生である、アル中の母を抱えて貧しい中生きている、美人で早熟な松尾。その二人の友情物語。
こういう、間に男性登場人物を介在しない、「女の友情モノ」って、意外と見たことないですね。距離を詰めるとお互いが傷つく。あのあと二人が並んで語り合うことはもうないのでしょうし、「心通い合う友」にもなれなかったわけですが、けれど二人の心の一番深いところは、一瞬確かに重なり響きあったのだと思います。ラストを読んでいるときはもう涙目でした。
この作品だけなら間違いなく★5なのですが、同時収録の母娘の話はあまり響かなかったので、★4に。
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