蜘蛛の糸・杜子春

蜘蛛の糸・杜子春

小説・文芸
352円 (税込)

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地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落っこちる『蜘蛛の糸』。大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた『杜子春』。魔法使いが悪魔の裁きを受ける神秘的な『アグニの神』。健康で明るく、人間性豊かな作品集。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    蜘蛛の糸・杜子春
  • タイトルID
    :
    208580
  • 電子版発売日
    :
    2013年05月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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蜘蛛の糸・杜子春 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    どの短編も甲乙つけ難いくらいに面白かったです。中でも1番を敢えて決めると、個人的には杜子春でしょうか。

    0
    2026年09月18日

    Posted by ブクログ

    特に『杜子春』『蜜柑』『トロッコ』が好きだ。

    『杜子春』は、人情を捨てず、正直に生きるということの大切さを語っている。

    困窮した若者の杜子春の前に仙人が現れ、お金持ちにしてくれるも、豪遊して使い果たしてしまった杜子春は、再度会った仙人に「仙人になりたい」と頼み込む。仙人は了承、修行を言い渡し、杜子春も良いところまでいくが、最後に両親を想う気持ちから修行は失敗し、元の困窮した状況に逆戻りする。

    仙人から「これからどうする」と問われた杜子春はこう言う。

    「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」(p66)

    お金でも仙人の超人的な力でもなく、ただ正直に生きることを願うようになる杜子春。

    欲と物に溢れた現代では、「人間らしい正直な暮らし」とは何だろうと思う。

    『蜜柑』は、汽車の中で見た若い女性の行動を描いた短編。

    最初は女性を「不潔」だの「窓開けるな」だの、散々心の中で文句を言う主人公。しかし後半、女性が踏切で見送る弟たちに向かって蜜柑をばら撒く場面に遭遇し、その美しい光景に、女性の見方が変わる。

    経過した時間でいえば、ほんの短い時間を表した作品だし、劇的な展開があるわけでもないけど、ただその蜜柑の光景が美しくて大好きだ。

    『トロッコ』は、田舎の少年の冒険と心細さを描いた短編。

    土工たちが使うトロッコに憧れていた主人公の良平は、あるとき若い土工たちのトロッコを押すことを任され、遠くまで行くことになる。とても楽しんでいた良平だが、家からかなり離れたところで「俺たち今日泊まるから帰りな」と言われ、心細さに泣きながら家に向かって走る。

    ひどい土工たちだ。良平もめちゃくちゃ驚いただろう。

    乗り物に憧れる気持ちや、遠くまで来てしまった不安は、何となく自分の子どもの頃にも身に覚えがあって、共感できる。

    この作品全体を通して描かれる牧歌的な風景がとても癒される。

    芥川龍之介の作品は寓話的なものが多い印象があるが、それだけに、今読んでも普遍的なテーマを感じられる。

    『蜘蛛の糸』も『杜子春』も、「欲を出したら失敗する」という教訓が含まれる。

    この本の短編は少年少女向けに書かれた短編がメインだそうだが、子どもへ向けた作品は、平易な言葉で普遍的で深いテーマを含んでいるものが多い。

    最終的には自殺を選んでしまう芥川龍之介。当時の文豪たちは自死を選ぶ人が少なくない。

    自らの芸術を突き詰めて、突き詰めすぎて自分を追い詰めてしまうのだろうか。

    それくらい人生を賭けた表現をする人間の感覚というのは、どんなものだろうか。

    0
    2026年08月20日

    Posted by ブクログ

    年少文学と言われる作品集
    短編で其々の作品の世界観に合わせた文体、どの作品も読みやすい。解釈は色々あると思いますが、教訓を感じられるお話が多かったです。

    自分なりに一部まとめ

    蜘蛛の糸:見られているからではなく、良き行いをすると運が現れる。幸福は独り占めしてはならない。
    杜子春:お金は尽きてしまう。大切なのは愛、自分の望みを捨ててでも愛を選ぶべき時がある。
    トロッコ:他人への甘えを捨てて自分の人生に責任を持つことが成長(大人)である。後戻りは簡単ではない。

    犬と笛:「いく子さんに献ず」とタイトル横に書いてありました。誰なのか気になって調べると、芥川妻の親戚、15歳の女の子のようです。終わり方が不思議で髪長彦は自分が救ったお姫様と結婚したけど、二人のうちどちらかは分からない、と。
    自分を救ってくれる優しい男性が現れるけど、思い通りにはならないかもしれないよ、っていう裏設定話のようにも見えました。

    0
    2026年06月07日

    Posted by ブクログ

    芥川龍之介の作品の中で、年少文学といわれているものが主に集められています。(「蜘蛛の糸」「犬と笛」「蜜柑」「魔術」「杜子春」「アグニの神」「トロッコ」「仙人」「猿蟹合戦」「白」)

    この中で小学生のとき読んだのが、「蜘蛛の糸」「杜子春」。特に「蜘蛛の糸」は“罪人たちが、うようよ這い上がってくるところ”“蜘蛛の糸がプツンと切れてしまうところ“が心に残って、夢に出てきそうでした。

    高校生の頃、模擬テストの文章で出会ったのが「蜜柑」「トロッコ」。「蜜柑」は窓から投げられた蜜柑の情景、「トロッコ」は少年の心理描写が記憶に強く残っています。

    本書で初めて読んだ作品もありました。今回感動を覚えたのが、「白」。犬のお話です。犬好きなので、犬の気持ちを考えると、泣けてきてしまいました。この犬、本当によくがんばった!

    丁寧な文章表現、繊細な描写の数々を堪能し、不思議と心洗われる話が多いと感じました。人としてどう生きるかを問われているように思いました。

    0
    2026年05月01日

    Posted by ブクログ

    目次
    ★蜘蛛の糸
    犬と笛
    ★蜜柑
    魔術
    ★杜子春
    アグニの神
    ★トロッコ
    仙人
    猿蟹合戦
    ★白

    芥川龍之介、蜜柑読んでまた鳥肌たった

    「「使えますとも。誰にでも造作なく使えます。唯――」と言いかけてミスラ君は、じっと私の顔を眺めながら、いつになく真面目な口調になって、「唯、慾のある人間には使えません。ハッサン・カンの魔術を習おうと思ったら、まず慾を捨てることです。あなたにはそれが出来ますか」」

    —『蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)』芥川龍之介著

    「或春の日暮です。  唐の都洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。  若者は名を杜子春といって、元は金持の息子でしたが、今は財産を費い尽して、その日の暮しにも困る位、憐な身分になっているのです。  何しろその頃洛陽といえば、天下に並ぶもののない、繁昌を極めた都ですから、往来にはまだしっきりなく、人や車が通っていました。門一ぱいに当っている、油のような夕日の光の中に、老人のかぶった紗の帽子や、土耳古の女の金の耳環や、白馬に飾った色糸の手綱が、絶えず流れて行く容子は、まるで画のような美しさです。  しかし杜子春は相変らず、門の壁に身を凭せて、ぼんやり空ばかり眺めていました。空には、もう細い月が、うらうらと靡いた霞の中に、まるで爪の痕かと思う程、かすかに白く浮んでいるのです。」

    —『蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)』芥川龍之介著

    「 しかしいくら大金持でも、御金には際限がありますから、さすがに贅沢家の杜子春も、一年二年と経つ内には、だんだん貧乏になり出しました。そうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、今日は門の前を通ってさえ、挨拶一つして行きません。ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、一文無しになって見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸そうという家は、一軒もなくなってしまいました。いや、宿を貸すどころか、今では椀に一杯の水も、恵んでくれるものはないのです。」

    —『蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)』芥川龍之介著

    「金はもういらない? ははあ、では贅沢をするにはとうとう飽きてしまったと見えるな」  老人は審しそうな眼つきをしながら、じっと杜子春の顔を見つめました。 「何、贅沢に飽きたのじゃありません。人間というものに愛想がつきたのです」  杜子春は不平そうな顔をしながら、突慳貪にこう言いました。 「それは面白いな。どうして又人間に愛想が尽きたのだ?」 「人間は皆薄情です。私が大金持になった時には、世辞も追従もしますけれど、一旦貧乏になって御覧なさい。柔しい顔さえもして見せはしません。そんなことを考えると、たといもう一度大金持になったところが、何にもならないような気がするのです」  老人は杜子春の言葉を聞くと、急ににやにや笑い出しました。 「そうか。いや、お前は若い者に似合わず、感心に物のわかる男だ。ではこれからは貧乏をしても、安らかに暮して行くつもりか」  杜子春はちょいとためらいました。が、すぐに思い切った眼を挙げると、訴えるように老人の顔を見ながら、 「それも今の私には出来ません。ですから私はあなたの弟子になって、仙術の修業をしたいと思うのです。いいえ、隠してはいけません。あなたは道徳の高い仙人でしょう。仙人でなければ、一夜の内に私を天下第一の大金持にすることは出来ない筈です。どうか私の先生になって、不思議な仙術を教えて下さい」

    「老人は眉をひそめたまま、暫くは黙って、何事か考えているようでしたが、やがて又にっこり笑いながら、「いかにもおれは峨眉山に棲んでいる、鉄冠子という仙人だ。始めお前の顔を見た時、どこか物わかりが好さそうだったから、二度まで大金持にしてやったのだが、それ程仙人になりたければ、おれの弟子にとり立ててやろう」と、快く願を容れてくれました。  杜子春は喜んだの、喜ばないのではありません。老人の言葉がまだ終らない内に、彼は大地に額をつけて、何度も鉄冠子に御時宜をしました。」

    —『蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)』芥川龍之介著

    「「もしお前が黙っていたら――」と鉄冠子は急に厳な顔になって、じっと杜子春を見つめました。「もしお前が黙っていたら、おれは即座にお前の命を絶ってしまおうと思っていたのだ。――お前はもう仙人になりたいという望も持っていまい。大金持になることは、元より愛想がつきた筈だ。ではお前はこれから後、何になったら好いと思うな」「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」  杜子春の声には今までにない晴れ晴れした調子が罩っていました。「その言葉を忘れるなよ。ではおれは今日限り、二度とお前には遇わないから」  鉄冠子はこう言う内に、もう歩き出していましたが、急に又足を止めて、杜子春の方を振り返ると、「おお、幸、今思い出したが、おれは泰山の南の麓に一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住まうが好い。今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう」と、さも愉快そうにつけ加えました。」

    —『蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)』芥川龍之介著

    「しかし女房はあやまるどころか、鼻の先でふふんと笑いながら、「まあ、あなたは黙っていらっしゃい。あなたのように莫迦正直では、このせち辛い世の中に、御飯を食べる事も出来はしません」と、あべこべに医者をやりこめるのです。」

    —『蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)』芥川龍之介著

    0
    2026年04月03日

    Posted by ブクログ

    教科書で初めて読んだ芥川龍之介は『蜘蛛の糸』だったと思う。とても、胸に刻まれたから。
    自分の事だけ考えて他人を貶めるような人は結局地獄行きなんだ…みたいな強烈な印象が残り、私は子供時代イジメに加担させられるくらいなら1人になったっていいんだと転校する先で度々一人ぼっちになりながらも、逞しくしていたら、最終的には周りの方々に別れを惜しんで頂ける人生を送られていると思うと本作には感謝しかない。
    そんな蜘蛛の糸の他、実は未読だった杜子春も改めて読むと、これも最終的に自分だけ良ければいいという考えを改めたくなる話で他にも、そう言ったニュアンスを感じる作品が多いなと実感。

    本作は、年少文学を集めているので、教訓が滲む話ばかりで、懐かしい気持ちになる。
    そして、巻末の解説は2人の方が書かれていて、それぞれの見解は面白い、御丁寧に年表まであるので、芥川龍之介好きには宝物になる本でした。

    東京都北区の田畑文士村記念館では、来年(令和7年1月)までクラウドファンディングで芥川龍之介記念館の建築を計画されてるので、ご興味のある方は北区のホームページを覗いてみてくださいませ。

    0
    2024年12月08日

    Posted by ブクログ

    最高におもろい!洗練されすぎている
    なんで昔の話なのにこんなに今面白いんだろうと思うけど、結構その時代の話ってよりファンタジー要素みたいな創作の部分がでかいからなのかもしれん

    0
    2024年09月22日

    Posted by ブクログ

    学生時代に読みましたが、大人になって改めて読むと学びがあるのだと実感しました。
    杜子春が好きですね。人としてどうあるべきかを
    ストレートに伝えてくれるお話の数々。

    0
    2024年07月29日

    Posted by ブクログ

    息子の国語のプリントに蜘蛛の糸が途中まで掲載されていたのでまた読みたくなり、探したら出てきたので1冊読んだ。買ったのは高校生の時 だろうか。表題2作はやはり名作と感心したが、解説を見るとどちらにも元作がありそれの結末などをアレンジしたものらしい。

    0
    2025年12月18日

    Posted by ブクログ

    魔術・蜜柑・犬と笛がお気に入り。芥川龍之介の短編集なので、ゆっくり読んでいても内容が分かりやすく、簡単。初心者にもおすすめな書籍です。

    0
    2025年12月16日

蜘蛛の糸・杜子春 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    蜘蛛の糸・杜子春
  • タイトルID
    :
    208580
  • 電子版発売日
    :
    2013年05月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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