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Posted by ブクログ
消壺の腹に貼られし反古紙の文字を読まんと一日をおくる
伝記の妙は愛情六割、悪意四割。この塩梅が著者はよくわかっている。ただ主人公を褒めるだけでも、起きたことを追うだけでも面白くない。
「終始、老大家(里見弴)を気分よく盛り上げていく。かつて吉野秀雄にもとりいった方代得意の会話術である」
こういう一節が程よいアクセントとなってよく知らない歌人の人生を追う読者のページをめくる手が止まらなくなる。
放浪、無頼、隠遁といったイメージの裏側の虚実相半ばする実像を、晩年懇意にしていた女性の視点を中心にして追うことで、最後には意外なものが見え始める。
一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております
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