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三度の脳出血により高次脳機能障害者となった一人の女性医師が、心身をおそう数々の出来事に戸惑いながらもつぶさに観察し、「見えない障害」を世に知らせることを人生の新たな仕事として発見していった感動の記録。
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Posted by ブクログ
健常者では想像しにくい高次脳機能障害という世界を当事者本人の目線で分かりやすく書いています。 本の内容から人の脳の可能性に驚きましたし、当事者さんにどういう態度で接したらいいのか参考になりました。
整形外科医だった著者が(脳梗塞を合併する)脳卒中のために、高次脳機能障害になったことを綴る体験記かつ医学的資料(と言って差し支えないと思われます) 私は脳や神経についての専門的知識は皆無ですが、専門用語を交えつつ、しかし「それはどういうことか」を説明してくれる内容のため、容易に読み進めることができ...続きを読むました。 数々の困難を経て、めげずに一生懸命に日々を過ごしておられる姿を察するに、著者はかなりの努力家であり、またとても聡明な人なのだろうと思います。 一般人には聞きなれない「高次脳機能障害」ですが、「高次脳」という脳の部分があるのではなく、「高次の、脳機能の、障害」ということだそうで。 どこを損傷したかによってその人の困難なことは変わってくる、ということは場合によっては言語や視覚そのもの、音の聞こえ方などにも不具合を来すということなのかなと思うと、つくづく恐ろしい病です。 リハビリテーションに携わる方にとっては、高次脳機能障害の方がどのような世界を見ているのかを知る手がかりになると思います。 特に、41頁「転落事件」から46ページ「医者のくせに」のあたりだけでも目を通しておいた方がいいかもしれません。まさに「当事者」と「傍にいてみている人」の違いというのか、医療現場で「担当者が冷たい」と言われることの根本がここにあるような気がします(素人考えですが)。 少しだけ、高次脳機能障害と認知症の共通点について書かれているところがありましたが、脳に何かトラブルがあって日常生活がままならなくなったり、問題が起こってくるという点では確かに親和性があるなぁと思うと同時に、やはり「知らない」ということが自他にとっては最大の損失を生むのかもしれないなと、考えさせられるところもありました。 そして何よりも、著者の奇跡的な生還とその後の回復の記録を目にすると「人間の生命力というのか、脳に秘められた可能性は侮れない」と感じました。 貴重な体験を分け与えてもらったような本でした。
高次脳障害を持つ筆者による体験記のようなもの。 頑張って欲しい。(「頑張って」って言っちゃダメか。。) 脳卒中で倒れた人の後遺症は、人それぞれで本と同じではないけれど、必ず読むべき本だと思う。 普通の生活が最高のリハビリ。 どこがおかしいのかは、外から見てわからないが、今まで知っていたあなたと...続きを読むは違う。 違っていることが本人にわかっているのかどうか。 勇気を出して一度聞いてみようと思う。
脳の高次機能障害について、自分の症状とそのときの感覚や自分なりの理解が、著者の描写とかなり一致する部分が多く、方向性としては間違っていないんだなと思わせてくれた。
脳梗塞により高次脳機能障害になった医師のお話。 脳の障害という観測しにくいものに対し、医師による主観の記録によって圧倒的な情報量があり、わかりやすいものになっている。 脳の一部の機能が失われることにより当たり前のことができなくなるということが脳の複雑な仕組みを示してくれている。 いろんなことを普通に...続きを読むできる人間とそうではない障害を持った人、ロボットの違いなどについても考えさせられることも多く、ロボットの研究者などにおすすめしたい。
これだけ脳卒中になる人が多いのに、脳卒中になった人がどのような課題にぶつかり、どのように考えているのか知る機会は驚く程少ない。そういう意味で、とても意味のある本だと思う。
高次脳機能障害を患った整形外科医の記録。医者として患者として二つの視点から高次脳機能障害をみる、なかなかない貴重な記録だと感じた。授業で習ったが、いまいち具体的に状態が想像できなかった失行や半側空間無視のイメージができるようになる。患者のやる気をそがない、内心を想像する。医療職を目指したいと思う。初...続きを読む心に立ち返りたいときは、これを読もう。。
著者の方には大変申し訳ないが、医師にして脳出血の当事者という非常に稀有な存在の人がいてくれて良かったと思わずにはいられない全脳出血当事者必読のバイブルともいうべき良書。 勇気を貰える記述が多数あった。 特に日常生活を平穏に過ごすのと回復のため、超高速にフル回転している脳のエネルギー源を補給するには糖...続きを読む分を取る必要がある。との記述には我が意を得た気持ちになった。
病気とか障害って辛いけど、 「とりあえずもう治らないから諦めて」 「どうせできないから、できる事だけ楽しんで」 「そんなにがんばらなくてもいいけど、やりたい事は諦めないで」って事だと思う。笑 とりあえず脳ってすごいなぁ。よく作れたね。奇跡?
素晴らしい、モヤモヤ病で脳出血を起こし、高次脳機能障害になった医師で母親でもある著者。 こんなに不自由でも、前向きに生きる努力をする著者に、敬服する。 本人の明るさもだが、友人や家族も素晴らしい。 環境の大切さ、そして専門職としての態度、教えてくれる。
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山田規畝子
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