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日本は大陸で何をしたのか? 軍医中将石井四郎と医学者達が研究の名で行った生体実験と細菌戦の、凄惨で拙劣な実態。残された資料を駆使して迫る、もう1つの戦争犯罪。戦争は終わらない。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
よくまとまった、日本の731部隊及び関連部隊の成立から崩壊までコンパクトに記述されたらょ有心的な概説書。医学者のモラルが「天皇のため、国のため」思考停止に陥った時、人はいかに残虐無慈悲になりうるか、自立した個人と専門知識にのみ拘泥することの愚かさとそこからの脱却を求めているのも当然だろう。しかし本書...続きを読む刊行から25年以上経っても未だにこの国においては、滅私奉公とお上への忖度がむしろいっそう惨憺たる有様にまで悪化しており絶望を禁じえない読後感にもなってしまった。 また著者や生前の関係者、北野政次や内藤良一(薬害エイズ事件を引き起こしたミドリ十字創設者)にもあっているが記述は短いが当然読むものにも緊迫感を与える。彼らは二人共人体実験を否定しはしなかったのも印象的だ。
関東軍防疫給水部(通称:満州第七三一部隊)について、科学史専門研究者である著者が残された記録を基に考察した一冊。 中国のハルビン市を拠点に活動してきた731部隊を率いた軍医将校の石井四郎ですが、彼の医学研究ネットワークは広大で未だに真相は解明されていません。 様々な地域で様々な人種を対象に人体実験が...続きを読む行われてきた証拠が発見・提出されており、「猿」と書かれていても実際は「人」を使って行われたであろうものなど…徐々に明らかになってきています。 この組織では生物兵器の実戦使用を念頭に研究がスタートしており、混沌とした情勢下で淡々と進められてきた経緯が見て取れます。 ナチスと同様、国ごとの正義に忠実であるべきあの時代に、自らを悪と認識して生きていた日本人はほとんどいなかったはずです。 時代が移った今だからこそ、客観的に見て各々が判断する必要があると考えます。 元軍医中佐の内藤良一のインタビューを引用し結びとします。 “彼は人体実験を否定しなかった。しかし彼自身は、医者というより企画者であり管理者であり、人体実験はやらなかったという。京大で同期の医学者たちは人体実験をしたが、「あれは医者の業やな」と述べるにとどまり、善悪の判断は示さなかった”
薄い本なのでサクサク読めました。 以前から知っていましたが、改めて本を読んでみて日本の暗部の歴史を感じました。
731部隊は日本の愚かさの象徴だと思う。 石井四郎の原点となった脳炎の話や研究者がサンプルを得るために墓荒しまでしたことや、人体実験の規模の割には成果が少ないという筆者の言葉が印象に残りました。研究内容の猿を人に置き換えて読むのはなかなかショッキング
別名「石井部隊」。第二次大戦中のその蛮行を追っている。読み進めるのが非常に辛い本だった。 最初は躊躇していた軍医達も「国のため」の名の下にだんだん平気に、むしろ積極的に「実験」をしていく。その目を背けたくなるような過程をやや淡々と綴る。部隊の蛮行は戦後の各国の思惑の中で処理され、戦後に医師として復...続きを読む帰した者も多い。あとがきではなるべく感情的にならないよう注意しながら本書を執筆したと語られている。 現代の国家が負うべき責任について最後の方で言及され、ここは物議を醸すこともありそうだ。しかし、「○○のため」に道を踏み外す事例はいつの世もあることを思い知らされる。
陸軍中将石井四郎と彼の率いる関東軍防疫給水本部。研究という名の下に医学者たちが行った人体実験と細菌戦を究明する。
日本もかつてはここまで酷いことをしていたのだ、という事実を知るべき。 中国は戦後、日本人捕虜の気持ちをほぐし、強制によってではなく自発的な意志で各自の戦争時の犯罪行為をきちんと述べてもらおうと考えた。そういう地道な努力によって日中が二度と戦争しないための人材を、友人を中国は作り出したのだった。
731部隊について、さらっと概観したという感じの本です。731部隊が犯した人体実験を中心にして書かれています。逆に、実践における731部隊の記述は、ノミをペストに感染させて投下したことくらいしか書かれておらず、他は失敗したり味方に損害を与えたりと、あまり軍事的な成果を挙げることはできなかったようで...続きを読むす。 人体実験については、色々具体例を出して書かれており、その悲惨さが伝わってきます。が、「別にこれは731部隊と関係ないのでは…」と思わせる記述があり、これは日本軍が犯した戦争犯罪を731部隊に代表して負わせているかのような印象を与えかねないと考えられ、フェアではないかなと思いました。
日本は大陸で何をしたのか? 軍医中将石井四郎と医学者達が研究の名で行った生体実験と細菌戦の、凄惨で拙劣な実態。 限られた資料を駆使して迫る、もう一つの重大戦争犯罪。 戦後は終わらない。
少しは真実もあるのか?
故人である常石氏、昔は日本を悪く書くのが正義だった.731に関して日本には専門家による検証が無い.自衛隊医官の諸君も少しは興味を持ってくれてもよさそうなものだが. 731の中核スーリーは731がペスト感染蚤を繁殖して、陶器爆弾に詰めて、飛行機から落として感染のひろがりを見たとかいうトンデモスト...続きを読むーリーでこの本の中にも出てくる.考えれば荒唐無稽とわかる.専門知識は必要ない.そもそも細菌の培養にはバイオセーフティキャビネットなど専用の設備で細菌と作業者を隔離して作業する.ドラマや映画で出てくる.自ら動かない細菌だからこそ、作業者が危険避けうるが、相手は40cmも跳躍するノミ.どうやって容器に詰める?具体的な方法は見たことがない.よい子が真似しないように製造法は秘匿されているんだろうか?サリンみたいに?そして彼が論拠にしているのが「ハバロフスク裁判(1)」、「撫順戦犯管理所(2)」の関係者や記録である.人権の全くない国で無理やり証言にサインさせられた.そんな資料のどこに信ぴょう性が? 731は防疫部隊である.その活躍は中国人の益にもなったはずだろう.731の善行だってあるはずだ.だれか書いてくれ.人体実験もやった「かもしれない」(この著者に信頼はないが)、当時と今では、戦時中と平時では人権意識も違う.もし死刑囚の人体実験なら、非難されるべきものか?現に中国では現代でも行われていると聞く.実際に実用に至った細菌兵器は炭疽菌メールくらいである.使用者自身が感染しないことが重要なのだ.乾燥に強い芽胞菌を封筒に詰めて遠く離れた相手に贈るテロ行為である.自分も同じ戦場に立つのに、ペスト流行させてどうすんだ? さらにもともと流行地である中国大陸で、免疫のない日本人と中国人 先に死ぬのはどっち?ウイルスの存在が知られる以前、ポンティアック戦争(1763)でイギリス軍士官が天然痘患者の使用した毛布をインデイアンに贈って感染させたというストーリーがある.信憑性はわからん.天然痘に免疫のないインデイアンはイギリス兵より先に死ぬ. 注釈(1)1949年12月25日から12月30日にかけて、ソビエト連邦ハバロフスクの士官会館で、6日間行われた旧日本軍に対する裁判の通称である(Wiki).日本人捕虜は酷寒の地に4年間抑留されて、たったの6日間、裁判もどきに引っ張り出された.(2)有名な洗脳機関である.
#切ない #ドロドロ
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