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Posted by ブクログ
実際の喫茶店を舞台にした恋愛小説ということで「本を読んで聖地巡礼するのも楽しそう!」と思って購入。古い作品なので殆どのお店がすでに閉店済ですが京都の「フランソワ」と小樽の「光」だけはまだ健在のようです。
さっそくフランソワに本を持って、カフェして参りました。優しくて、切なくて、どこか郷愁的な物語を読みながらゆっくり時間を使って美味しいスイーツと紅茶をいただき、なかなかに贅沢な時間の使い方が出来たなと満足しました。決してハッピーエンドばかりではない、どこか癖があってそれぞれに愛おしさと美しさと逞しさのある女性たちとの物語は、没入感があって素敵なカフェでお茶をしながら読むのピッタリです。
Posted by ブクログ
実在する純喫茶(カフェー)を舞台に、様々な男女の恋愛模様が描かれる短編集。どの話にも恋や人生に懊悩する僕(主人公)と君(ヒロイン)が登場し、その中には晴れて成就する恋もあれば、叶わぬ恋もある。彼らはある時はカフェーで出会い、またある時はカフェーで逢瀬を重ね、親密になってゆく。そして勿論、カフェーで別れを告げられて終わる恋もある。むしろ破れた恋の話の方が多い気がするが、個人的にはそれが良いと思っている。常に人で賑わう大衆的なカフェと違い、ひとりもしくは気心の知れた友人や恋人とふたりでひっそり訪れて、一杯の珈琲を片手に、共に過ごす「時間」を味わう純喫茶には、燃え盛るような熱い恋よりも、静かに落ちゆく線香花火のような恋が似合うと思うからだ。この本では、恋の始まりや最中、そして終焉にも必ず彼らの側にはそれぞれの"カフェー"が寄り添っている。様々なカップル、様々な恋愛の形と共にそれらの甘さも苦さも全て詰め込んだ"カフェー"が存在し、実際に足を運ぶことが出来るのはニクい演出だ。なぜならそこで読者は紙面で味わったほろ苦い恋を、追体験することが出来るのだから。
また著者の取材を元に書かれた、それぞれの「恋」の舞台となったカフェーの沿革や店内の内装の描写の細かさも素晴らしい。オーナーによって選び抜かれたアンティークの家具や食器が並び、レコードから奏でられるのは重厚なクラシック音楽……読んでいるとそうした純喫茶特有のメランコリックな空間が瞬時に脳裏に思い浮かんでくる。登場するカフェーでもそうでなくても、レトロな雰囲気の喫茶店で読めば更に没入感に浸れると思われる。外出時の鞄にそっと忍ばせておきたい一冊。
個人的には鎌倉の「ミルクホール」は何度か訪れたことがあり、思い出深いカフェーのひとつである。お店のクラシックな雰囲気や内装も好きなのだが、現地に辿り着くまでの道筋から既に非日常への入り口が始まっているようで、毎回ワクワクしながら足を運んでいる。もしもまだ訪れたことのない方がいればオススメしたい。メニューの「オペラライス(白いオムライス)」は見た目の美しさと味、どちらも楽しめる名品なので、ぜひ。
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