無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2022年10月01日
玉の井の私娼窟を舞台とした、永井荷風58歳の作品。荷風が玉の井を実地調査した話は彼の『断腸亭日乗』で読んだが、それがこのような静かな作品として結晶したことに感じ入る。ただ、当時の東京の地誌を知っていれば、もっと深く読めたかな、という感じもする。なので、脚注がないのは少々残念。
とはいえ、岩波文庫版...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月19日
自分も東京の下町を一緒に歩いているような錯覚に陥った。挿絵も濹東綺譚の世界へ誘ってくれるような、あの時代の情景が目に浮かび生活の音が聞こえてくるような心地の良い気持ちになった。
わたくしとお雪とは、互いにその本名も住所も知らずにしまった。ただ濹東の裏町で、一たび別れてしまえば生涯相逢うべき機会も手...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月26日
彩りが気に入った。
読書の傾向について、他人の影響を受けて食わず嫌いになってる分野というのは得てしてあり、私の場合は永井荷風は親が今一ついい顔をしてなかったからか、手をつけないまま忘れた作家のひとりになっていた。今では不明を恥じるばかりだが。
それでも、ひょんなことから代表作である本作を今さら手に...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年09月20日
永井荷風の代表作にして、文学史上に残る有名作。この作家の作品は、今回がはじめてである。読んでみてまず思ったのは、「これは小説なのだろうか?」ということ。これはべつに批判ではなく、主人公・大江匡(=荷風?)が向島や玉の井の界隈を散策するさまが軽快な筆致で描かれており、まるで日記や随筆を読んでいるような...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月15日
1937年刊行。
永井荷風58歳の作品にして、氏の最高傑作と称される作品です。
この頃は既に作家として文壇上成功し、『あめりか物語』、『ふらんす物語』を代表する名著を生み出した後です。
旺盛な創作活動と、ストイックな江戸期の文人の研究を重ねた後、往年、荷風は、銀座のカフェーに興味を持ち始めます。
こ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。