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Posted by ブクログ
戦い疲れて罅割れた心に染み入る一冊だった。
そして、読む時期によって感じ入る場所も理解の進み方も変わるのが本なのだということも感じた。
近頃にようやく、人生とはそれほど順風満帆なものでも理想や綺麗事ばかりでもないこと、そして悲しみや喪失感といった負の感情も正と同様に重要で不可欠な存在であることを実感した。
理想や期待からのズレに失望し憤るのではなく、世界はそういうものなんだと受容し、それでもなお自分の人生をどう生きようか、何をして生きたいかを考え続けることが肝要なのだと思いたい。
「喜ぶことと悲しむことは同じ人間の大事な感情である。明るい気持ちになって、すかっとした気持ちになることも大事である。しかし、本当に人間にとって重要なことを深刻に悩むことによっても人間の自然治癒力とか、命は活性化していくのだ、というふうに、ぼくは考えたい。」 頁202
Posted by ブクログ
高校時代から20代前半の頃、五木寛之氏の本に夢中になった。「戒厳令の夜」「さらばモスクワ愚連隊」など衝撃的読書体験だった。久しぶりに読む氏の本は随分感じが違ったけれど、今の時代を鋭く描いていた。
今の時代は情とかウェットなものが嫌われて他人に干渉しないドライなものになってしまった。今の日本の交通事故死亡者は1万3千人、自殺者は2万3千人(自殺未遂を含めると10万人)自殺は死因の7位。8位の肝臓疾患よりも多い人が自ら命を絶っている。氏が言うには、日本の人々は心に内戦を抱えている。生きていることそのものが地獄であり、自分の命も人の命も軽んじて奪ってしまう。もっと人の心に情を育んでいかないといけないのではないかと。こうもいっていた。人はみんな平等に死ぬ運命にあるのだから、途中で絶ってはいけない。生きているだけで価値があり、すごく頑張っている尊い存在だと。
本当にそうだと思った。
Posted by ブクログ
五木寛之さんの本は初めて
大河の一滴はかなり話題になっていたことは覚えている
ただずっと小説だと思っていた
無知の極み‥
哲学的な書として紹介されているのをキッカケに手にとって見たが、
数ページ目からもうすでに目から鱗?
すべての文章が身体の中にストン!と落ちてきて
じわっ〜と染み込んでいくのがわかった
あーなんで今まで読まなかったかと悔やむ一方で
今だから響いているんだろうか
とも思った
話題になっていた頃に読んでいても
油ぎっていた身体に染みてはいなかったかもしれない
「人が生きるということは苦しみの連続なのだ」
マイナス思考から始まる人生、その中で思いがけず注がれるしあわせ
「早天の慈雨」
世は地獄、その中で一筋の光があればそれが極楽
そして浄土に向かう
死を迎えた時に、周りから拍手されるくらいのそんな死を迎えたいとも‥
「人はみな大河の一滴」
永遠の時間に向かって動いていくリズムの一部
一生という水滴の旅を終えると、やがて海に還る
母なる海に抱かれてすべての水滴と溶け合い、やがて光と熱に包まれて蒸発し、空へ
そして再び地上へ
親鸞の話など今までは聞いていても全く頭に入ってこなかったものがなぜかすぅーっと心に入ってきた
そしてそして人は生きているだけで凄いことだと改めて確認した!
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小説・文芸
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