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■内容紹介
今、保育が危機的な状況に追い込まれている。規制緩和が進み、駅ナカ保育や延長保育などのサービスを推進する企業保育所の増加で便利になる一方で、肝心であるはずの保育の質は低下している。子を持つ親の「親心」はなくなり、秩序を保つ大人たちも減ってしまった。学級崩壊、いじめ、ひきこもり、学力低下、幼児虐待など、日本が抱えている問題の根底は保育教育と行政の施策にある。保育園は決して「親の労働を支える施設」ではない。待機児童解消を大義名分に、親との関わりを軽視した「保育サービス」では、子供たちが「思いやり」を知らない人間に育っていくのだ。現在、八王子で3つの認可保育園を経営する著者が、日本の将来を救うべく企業保育所と保育施策の問題性に正面から切り込み、あるべき保育の姿を説く。
■著者紹介
長田 安司(おさだ やすじ)
1949年東京都八王子市生まれ。中央大学文学部卒。共励第三保育園園長を経て、1999年より共励第一、共励第二、共励第三の3つの保育園を経営する社会福祉法人同志舎理事長。NPO法人親学会副会長。2003年に「保育園のパラドックス」を新聞紙上で発表。2004年には東京都の福祉施策の問題性に切り込んだ「TOKYO福祉改革STEP2 その問題性について」を発表。『親学のすすめ』(共著・モラロジー研究所刊)では、「幼児教育における親の学びとは何か」を担当。また、共励保育園では、「ごっこ遊び」を通した総合保育を開発し、「ソニー幼児教育支援プログラム優良プロジェクト賞」を受賞している。趣味はリコーダー演奏。テレマンの組曲in A minorをフランス・ブリュッヘンのごとくオーケストラのバックで演奏するのが夢である。
Posted by ブクログ 2013年07月25日
子育て支援について、見落としがちだけれど、とても大事なことに気付かせてくれた良書。
筆者は、保育園の経営者として、現在の、サービス拡充偏重の保育環境整備について警鐘を鳴らしている。
保育園のサービスは、一体誰のためのものか。
母親が働くための託児施設であればいいのではない。
子どもの健全な成長を...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月22日
利用者目線(親)で便利な保育園が増えていて、保育園は親の代わりに子供を育ててくれる場所と認識している未熟な親が増えている。
便利さを追求し、仕事を優先し子育てを外注したツケは必ず子供の成長に跳ね返ってきて、落ち着きのない子供や不安定な子供が増えることになる。
それはひいては日本の未来に影響してくるこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年03月31日
保育園は保護者向けサービスではない!親とともに子どもが育つ場所。
安易な知識で女性の社会進出は大事で、待機児童ゼロ施策は急務と思っていたけど、もっと親子が向き合える関係が築ける社会を考えて行くべき、と思った。企業のワークライフバランスは心身の健康のためと認識してたけど、家族のあり方について自分なり...続きを読む
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